セカンドライフ、来るの?来ないの?
仮想空間セカンドライフの日本語版が始まった。話題ばかり先行するセカンドライフが日本国内でブレイクするには、日本語化が不可欠といわれてきた。関係者待望の日本語化となったわけだが、果たしてセカンドライフは日本でも普及するのだろうか。
7月10日に開催された時事通信テクノロジセミナー「爆発するソーシャルメディア」では、セカンドライフも大きなテーマの1つだった。セミナーの講演者の発言をひろってみた。
基調講演を行ったITジャーナリストの佐々木俊尚さんは、「なぜこれだけ盛り上がっているのか、だれにも分からない。ネット業界ではだれもやっていない
のに、新聞がセカンドライフを連日取り上げる。不思議な逆転現象が起こっている」と言う。関係者に話を聞くと、セカンドライフはITに詳しくない企業の上
層部にも分かりやすい話だから稟議が通りやすい、と解説されたという。「来るか、来ないか、と聞かれると、来ないと思う」と佐々木氏は明言する。
パネル討論会でパネラーを務めた株式会社ニューズ・ツー・ユーの神原弥奈子氏は、自宅のパソコンでは性能が不十分でうまく動作しなかったと言う。「重
い、というのがわたし的にはイケテナイ。セカンドライフの可能性とは別のところで、立ち上がりが難しいのかなと思う」と感想を述べた。
このほかにもセミナー参加者向けの掲示板「セミッター」でも、セカンドライフに否定的な意見が多かった。
ただ全面的に否定する人は少なく、佐々木氏も「ユーザー主導というウェブ2.0の要素が備われば、セカンドライフは来るかも。ニコニコ動画のようにみん
なが面白いと思って殺到するような何かがセカンドライフの中にできれば、劇的に状況は変化するだろう」と、長期的な可能性は否定していない。
一方で、セカンドライフ関連事業に乗り出している人は、その長期的可能性を前面に押し出して発言するケースが多かった。
セカンドライフ内の広告代理店業務を始めた株式会社アドプレーンの川村佳央氏は「セカンドライフが、インタラクティブ広告の分野で今年上半期の最も盛り
上がっているワードであることは間違いない。そういう意味では『来ている』状態。ただユーザーに目を向けると、日本人のユーザーがそれほど多くないのも事
実。ユーザー的盛り上がりを見せるのはもう少し先かも。でも3Dインターネットは必ずどこかで爆発的に普及する。現段階で一番可能性を持っているのがセカ
ンドライフだと思っている」と発言。
セカンドライフ出展支援事業に本格的に乗り出した電通の粟飯原健氏は「『2007年は3Dインターネット元年だった』と将来みんなが思うような年にな
る」と自信たっぷり。ただ「パソコンの性能の問題があるので、どの段階で広く普及するのかは分からない」と注釈を加える。とはいうものの「いつかは広く普
及するのであれば、先頭集団を走り、その中で学んでいくことが重要だ」と主張する。(関連記事)
博報堂DYメディアパートナーズの相川雅紀氏は「セカンドライフに人がいないなど、(セカンドライフ事業を)やらない理由は幾らでも見つかる。でも大事なのは、まず入り込むこと。その先にビジネスチャンスがある。第一歩を踏み出すことが重要である」と力説した。(関連記事)
博報堂グループのスパイスボックスの飯野正樹氏は「何やったらいいか分からない、日本人向けじゃない、アバターがキモイ、などと言われるが、そんなの
あったり前」とセカンドライフ懐疑論に真っ向から反論。「今までセカンドライフのユーザーのほとんどは欧米人だったので、コンテンツやアバターが欧米向な
の当然」と主張する。飯野氏はまた「今、日本人ユーザーが増え、日本人が好む物を日本人が作っていっている。そこがセカンドライフの魅力だ」と指摘。「セ
カンドライフはオープンであるがゆえに何やったらいいか分からない、で思考を停止せずに、何やったらいいかわからないのなら自分の好むものを自分たちで作
ればいいだけだ」と主張した。
さて最後にわたしの意見を言わせてもらえれば、「来ない」派、「来る」派も実は同じことを言っているように聞こえる。「来ない」派は「長期的には可能性
があるかもしれないが、短期的には普及はむつかしい」と考え、「来る」派は「短期的な普及はむつかしいかもしれないが、長期的な可能性は大きい」と考え
る。長期的視点、短期的視点のどちらに重点を置くかというニュアンスの違いだけで、それぞれ主張に大きな違いはない。
まあこれだけ期待感が高まりバブル状態になっているので、いったんはバブルが収束する可能性はあるが、その後、セカンドライフ的な3D仮想空間がインターネットのインターフェースの重要な一角を占めるようになることはほぼ間違いないだろう。(湯川鶴章)
トラックバック
TrackBack URL for this entry:http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164435/15852862
この記事へのトラックバック一覧です:セカンドライフ、来るの?来ないの?
» セカンドライフの気になるあの記事 トラックバック 気になるあの記事気になるあの記事をまとめてみました!「セカンドライフ」ブーム、もう終わり?「セカンドライフは、インターネットのできる環境で、専用のソフトウエア(無料)さえダウンロードすればできるという手軽さが魅力でした。... [続きを読む]
受信: 2007/07/23 14:50:11
» ライフ 動画って最近、、 トラックバック QWQASDASバスタイムの一工夫は?バスタイムの一工夫は?みなさんはじめまして。大橋マキです。私はアロマを日常生活にうまく取り入れているんですよ。精油をお風呂に入れることを、アロマバスと呼びますが、これはアロマテラピーの中でも最もポピュラーでオススメな方法です。バスタイムはリラックスして1日の疲れをとる大切な時間。実はそれが「エコ」になるって知っていましたか?地球環境のために、冬の暖房の設定温度は「20℃」。入浴すると体の芯から温まるので設定温度でも十分ポカポカに過ごせるんです。そこで、みなさんに質問です。あなた... [続きを読む]
受信: 2007/07/24 5:07:49
» 第12回 セカンドライフ考察編(8) :「現実世界を模倣する」セカンドライフ/「現在を複製する」ニコニコ動画 トラックバック 濱野智史の「情報環境研究ノート」ソーシャルメディアとしての「伸びしろ」があるのは、効率的に「盛り上がっている状態(=祭り)」を維持する能力を持つ、ニコニコ動画のような「擬似同期型アーキテクチャ」ではないか。... [続きを読む]
受信: 2007/08/16 3:29:08











コメント