トップページyou tube従来型メディア企業の苦悩

従来型メディア企業の苦悩

 これまで著作権問題でユーチューブと激しく対立していた既存メディア企業も、今まさに戦略の転換を迫られている。もはや動画共有サイトを無視できない。 米国ではNBCが2006年6月に、これまでの対決姿勢から一転してユーチューブと協力関係を結ぶことを発表し、ユーチューブ上に「NBCチャンネル」を 設けて一部番組の宣伝用動画をアップロードするようになった。

Socialmedia 9月にはワーナーミュージックグループが、10月にはUMGやソニーBMG、CBSなどがユーチューブと提携している。米国の既存メディア業界がインターネットを、少なくともコンテンツ配信の有力ツールの1つとして認めたことだけは明らかなようだ。
 日本では2006年8月よりTOKYO MXが、情報番組「ブログTV」で過去に放送した映像をユーチューブなど複数の動画共有サイトに無料で公開している。番組司会者であり著書に『YouTube革命』(ソフトバンク新書)があるビデオジャーナリストの神田敏晶氏は「出演者、スタッフ、そしてスポンサーもぜひ実現したかったこと。現在のユーチューブは10分以内のコンテンツしかアップロードできないので、それにあわせて番組の構成も変えた。ウェブのフォーマットを意識した番組作りは今までになかった」という。同番組では、企業CMの映像を、動画共有サイトを通じて募集するなど、ユーザーのクリエイティビティを支援する企画を積極的に実施している。

 このような例外もあるが、基本的に日本のテレビ局はまだ、動画共有サービスの利用に積極的ではない。フジテレビや日本テレビなど、子会社で試験的に動画共有サービスを実施しているところもあるが、テレビ番組とはあまり連動していない。すくなくとも、番組配信にユーチューブを積極的に利用しようという気配はない。

 ただ米国メディアも全面的にユーチューブを支援していこうというわけでもなさそうだ。

2006年12月11日付の米経済誌『ビジネスウィーク』の記事によると、ユーチューブを買収したグーグルが、タイムワーナー、ニューズ・コーポレーション、NBCユニバーサルといったメディア大手に対し、「ライセンス料」として一億ドル以上の金額を提示しているという。

 ライセンスといっても具体的な内容は明らかになっていないが、グーグルが1億ドル支払う代わりに、メディア側は著作権侵害でユーチューブを3年間は提訴しないということが条件らしい。グーグル側はまた、3年以内にユーチューブの広告ビジネスを立ち上げメディア企業と収益をシェアする枠組みを構築することを約束しているという。

 メディア企業にとっては、今まで通り何もしなくても1億ドル以上が手に入る。しかしその一方で3年間もコンテンツを自由に使われれば、ユーチューブの動画配信のインフラとしての地位は不動のものになってしまう。そうなればメディア企業はユーチューブというプラットホームに映像を提供する下請け業者に成り下がってしまう。

 メディア企業は連合体を形成し自分たちで動画配信のプラットホームを構築し、ユーチューブに対抗する方向で動いてきた。この動きにも逆行する。メディア企業にとっては頭の痛い話だ。

you tube | コメント (0) | トラックバック (0)

このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をクリップ!

トラックバック

TrackBack URL for this entry:http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/164435/14259303

この記事へのトラックバック一覧です:従来型メディア企業の苦悩

コメント

コメントを書く