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巨大人脈SNSのチカラ「はじめに」

 私が、SNSと始めて出会ったのは2003年の冬だった。始まりは一通のメールだった。それからSNSに傾倒した日々が始まった。しかし私自身はインターネットとの出会いはそこまで深くはない。

Photo_7   インターネットに初めて触れたのは1996年の高校一年生の夏。八百屋さんで一ヶ月バイトをして購入した富士通のPCがインターネットとの出会いだった。
 しかし、当時、高校生でインターネットを利用している人は私の回りにいなかった。大阪南部という辺鄙な場所が悪かったのか、私の高校が悪かったのかはわからない。ともあれ、私はPCを手に入れたもののインターネットはもっぱらチャットルームのためだけに存在していた。ホームページも作ってそれで満足し放置してしまった。しかし、そんな私に、初めて電子メールのありがたさを感じさせてくれたのは、ある人との出会いがきっかけだった。私は高校三年生の夏に急にニューヨークに行きたくなって行った。受験を放棄して。思い立った翌日にパスポートを申請し、その10日後くらいにはもう離陸していた。初めての海外だった。そこでたまたまお会いした方と懇意になった。その方は東京に帰ったが、大阪の私と電子メールでの親交は続いた。電子メールは素晴しい。

 そして、インターネットの便利さを始めて感じたのは、高校後、ニューヨークに留学してからだ。そこで初めてホットメールというものを知った。1999年の頃だ。しょっぱなの英語の授業は強烈だった。今でも記憶している。「ユーゴスラビア内戦にアメリカが参戦することをあなたはどう思いますか?」という質問だった。そもそも日本語でさえもわからない上に、それに関して考えたこともなかった。それをいきなり英語で議論せよ、と言われた。「戦争はよろしくない」とトンチも効かない回答を答えるのが関の山だった私は、帰宅してひたすらPCに向かいユーゴスラビアに関して検索を続けた。これほどインターネット検索というものが便利だと感じた瞬間はなかった。

 そして、コミュニティサイトの便利さを痛感したのは、さらにそれから5年後となる。アメリカ留学から帰国し東京の大学に通っていた私は、またも発作的に旅行熱が出た。そして、私は休学し1年の世界旅行の旅に出た。そこでは計80カ国ほど2を回ったのだが、その時に困った時は各地から旅行のコミュニティサイトで情報を仕入れたものだ。各国のビザ情報や航空券情報、宿情報は全て日本や海外のコミュニティサイトの口コミから集めていった。ペルーで犬に噛まれた時は狂犬病の情報を調べたし、アフリカのガーナで最安のエジプト行きチケットを購入したのも、インターネットでの情報がきっかけだった。その時にある意味、旅行者の口コミのありがたさ、つまるところCGMの価値を理解したのかも知れなかった。

 そして、旅行から帰ってきた私はSNSと出会う。そう、冒頭で書いた一通のメールが始まりだった(蛇足だが、1年の旅行から帰ってきたのは東京だった。せっかくだから実家の大阪まで歩いて帰ろうと歩き出したら2週間かかってしまった。12月の野宿はとてつもなく寒かった記憶がある)。アメリカに留学していた頃のボストンに住む友人が、私をSNSに招待した。MySpaceというサイトだった。英語のメールで、わけのわからぬまま参加したら、そこに顔写真が大量に並んでいた。その時に初めてSNSというものに触れ、まず感じたのが単純に「面白い」という感情だった。人を見て回るということをこんなに楽しいものだとは思わなかった。色々な人がいて、色んなことを喋っている。まるで街中で行き交う人々を傍観している気分だった。ウィンドウショッピングのようにSNS上で人々を観察した。次に思ったのが、便利だ!という実感だった。名前を覚えなくても良いという便利さだった。アメリカの友人は彼らはころころメールアドレスが変わる。また、名前も覚えきれない。ジョンだのジェニーだのジョディだの似た名前ばかりだ。そんな彼らがSNS上に生きていて、そして顔写真まで出していた。名前は覚えられなくとも顔というものは覚えているものだ。懐かしさと共に、嬉しさ・便利さを痛感した。そうこうして私はSNSに傾倒していった。日本のSNSに参加したのは、2004年の3月だった。まだ、利用者が千人もいないころだ。Mixiが友人何人かを招待すればAmazon券をプレゼントするというキャンペーンをしていて、実際にamazon券をもらえたような牧歌的な時代だ。SNSがスタートした当初は、友人たちにSNSを説明するのが非常に困難3だった。そもそも、その当時にSNSを知っている友人はほとんどいなかったのだから。大抵の人は、怪しいサイト、マルチ商法のサイトではないか等と懸念もした。それに実名を登録するということにも土壌が出来ていなかった。しかしながら私はひたすらSNSに没頭した。

 その頃、こういうこともあった。SNSが楽しいだけではない、と実感する出来事だ。その頃、私は会社を経営していたのだが、ふと思い立ち「百万円投資してくれ」と、発行していたメールマガジンで呼びかけた。その時、「出してもいいよ」という人が現れた。びっくりした所から声があがり、「どうして?」と聞くと、「SNSのあなたの友人が書いたあなたの紹介文を見て」という意見だった。つまり、SNS上の周りの声が、金銭価値として評価された、ということだ。

 さらに世界が変わったのは2004年の夏だ。あるイベントの為に海外のSNSを調べなければいけない機会があった。海外100以上のSNSに参加したように思う。その時の知識をSNS好きとして伝えよう、と思いたちブログを始めた。SNSの面白さを人に伝えたいという思いから生まれたブログだった。そこでは、SNSの情報を定期的に更新していった。当時、まだSNSの世界は狭く、詳しい人も少なかった。そのため、私は知らない間にSNSの詳しい人になっていった。それから、SNS関連で講演、記事執筆等、さまざまな所から声をかけて頂いた。そして、2005年には出版の依頼を受け本まで出すことが出来た。その点では、まさに「SNS」は自分の世界を変える、ということを体感した一連の出来事だった。

 確かにSNSは良い側面だけでなく、ネガティブな側面も存在する。必ずしもSNSが切り開く未来は幸せなものだけとは限らない。しかし、少なくともSNSは良かれ悪しかれ世界の構造を変えてしまう可能性をもった存在である。だからこそ、その良い点、悪い点を含め、お伝えできればと思う。
「巨大人脈SNSのチカラ」(原田和英)

編注:原田和英氏と朝日新書の協力を得て、「巨大人脈SNSのチカラ」の原稿の一部を掲載いたします。掲載するのは仮原稿状態のものです。最終の完成原稿ではありませんので、引用する場合はご注意ください。(湯川)


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はじめまして。私はネットとそこにおけるコミュニケーションが大好きです。草の根PC通信時代からのユーザーですが、ネットが私の人生を変えたと言えます。そこで出会った多くの人とリアルでも友達になりました。日本の遠い地方どころか、海外の人とも友達になれました。SNSも有効活用させていただいていますし、そこでかつての知り合いとまた巡り合ったり、新たな知り合いが生まれたり、楽しませていただいています。

SNSやブログからお声がかかって仕事に繋がったこともしばしばあります。
ただ、現在のSNSモデルは、特に日本においては飽和点を迎えているのではないかと思っています。SNSというよりもネットコミュニティ全体が、ここ数年来追いかけているテーマなのですが、将来は世界的にも小さなコミュニティとそれを繋ぐ非常にゆるやかな共同意識を育むようなスキムが必要とされるのではないかと思うのです。
現在のSNSモデルへの問題提起として以下にまとめていますので、よろしければご笑覧ください。

「現在のSNSモデルにおけるコミュニティ形成の限界」
http://www.keiyu.com/cf/archives/2006/07/10/sns_1.html

投稿: 石田優子 | 2007/04/08 07時32分

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