SMO(ソーシャル・メディア・オプティマイゼーション)という概念の誕生
2006年8月から9月にかけてその状況が一変した。米国ネットマーケティング界の有力ブロガーであるOgilvy Public Relations社のRohit Bhargava氏の8月10日のエントリが起点になって、いわゆる「ネットマーケ・ブログ論壇」が盛り上がり、「SMO(Social Media Optimiztion)」(ソーシャルメディア向けの最適化)という新しい〝バズワード〟が認知されるに至った。8月21日には早くも英語版 Wikipediaに見出し語として追加されている。
具体的な内容は次節で取り上げるが、同氏のブログ「Influential Interactive Marketing」(効果的なインタラクティブ・マーケティング)で、当日語られたことの要点は次のとおり。なお、見逃されがちだが、このブログエントリは当初から「Social Media Marketing」(ソーシャル・メディア・マーケティング)というカテゴリに分類されて投稿された。その点も併せて考えたときに、このSMOという考え方の理解が一層深まることになる。
○ウェブコンサルティング顧客へのサービスの一環としてSMOの提供を開始した。
○SMOの背後にあるのは、各種のソーシャルメディアやソーシャルメディア特化型の検索エンジン(ブログ検索など)での露出を促進し、そこから多くのユーザーを呼び込むためには、既存サイト実装に少しばかり変更を加える必要がある、という考え方である。
○実際にSMOコンサルティングを行う際の指針として、現時点で以下の五つのルールを利用している(以下は著者がルールのタイトルのみを意訳したもの。さらに詳しい内容は次節で紹介する)。
1. リンクのしやすさを向上させよう
2. タギングやブックマーキングを行いやすくしよう
3. リンクしてくれる人には何かしらの見返りを
4. コンテンツには旅をさせよう
5. マッシュアップを助長しよう
「SEM/SEOの枠組みを逸脱した巨大でホットなマーケティングメディア」への具体的な対応策や包括的な考え方に取り組み始めていた多くの業界人にとって、この「SMM/SMO」という考え方が、明快な方向性を照らす光明として映ったのは想像に難くない。そして、わずか1週間の間に、6番目から16番目までのルールが複数のブロガーの手によって追加されていった。
○8月10日 Rohit Bhargava氏がルール1~5を紹介。
○8月13日 Jeremiah Owyang氏がルール6と7を追加。
○8月15日 Cameron Olthuis氏がルール8~11を追加
○8月16日 Loren Baker氏がルール12と13を追加
○8月17日 Lee Odden氏がルール14~16を追加
ここでリストアップした各人のブログを合わせることで16のルールが完成する。これらを一箇所で見たい場合は、Terri Wells氏のブログ「Search Optimization」の2006年12月6日のエントリ「Social Media Marketing: Mashup of Old and New」が便利だ。
引き続きルール17以降を追加していくやり方もあったと思われるが、実際には8月31日のRohit Bhargava氏の終結宣言によって同氏の手から離れ、万人の手に委ねられることになった。
SMOの将来はソーシャルメディアに委ねられた
8月31日の終結宣言のエントリは、ウェブ2・0時代の議論集約のあり方という意味でも非常に印象的なものであった。少し長くなるが、以下に全文の翻訳を掲載しておくことにする(著者による翻訳)。
ソーシャルメディアオプティマイゼーションの17番目のルールの追加について
私はここ数日の間に、SMOのリストに加えられる17番目のルールがどんなものになるかについて興味深い考えをお持ちの多くの人々からいくつもの電子メールを受け取りました。この数週間、私が直前の投稿でSMOの寿命について述べた内容を上回る勢いでSMOの議論はあっという間に広がりました ── オリジナルのURLへのリンク数は80を超え、フランス語、オランダ語、イタリア語、ロシア語への翻訳がなされ、WikipediaやNew PR Wikiにもエントリが追加され、専用のSquidooのレンズが設けられ、まもなく開催されるSocial Media Club in LAのミーティングのディスカッションのトピックに選出され、そしてSMOに完全に特化した新しいブログまで誕生しました。私自身、このアイディアを構築していく上で自分がやり損ねている他の努力があることも分かっています(すべての議論を追いかけ続けることは、ほとんど不可能になりつつあります)。この時点に至って、この用語はもはや、17番目のルールが何であるべきかや、この領域がどのように進展していくのかについて私が門番になれる(あるいはなるべき)と感じる限界を超えたところまで成長を遂げたと言うのが安全だと私は思います。ですから、私の役目の締めくくりとして、議論を続けてSMOの発展を促すことに興味をお持ちの方々のために、SMOについての発言の広がりを促進するために皆さんができることについて、私なりにリストしてみました。
1. 自分の考えを自分のブログに投稿する。
2. このブログの最初のSMOの投稿にコメントを追加する。
3. (明確に言及しているかどうかを問わず)SMOに関連するブログの投稿にコメントを追加する
4. 《del.icio.usで》SMOについてのブログ投稿やオンラインコンテンツに「socialmediaoptimization」というタグを付ける。
5. New PR Wikiの「Social Media Optimization」のページを更新する。
6. ルールをもっと多くの言語に翻訳する(翻訳済みの言語は除く)
7. 同僚(特にオンラインマーケティング業務の外にいる人)を相手にSMOについて語るソーシャルメディア主義の精神では、Social Media Optimizationという考え方は今や表舞台に飛び出し、マーケティングや広告のコミュニティに属する存在となっています。そうした人々もすでに、この概念に対して素晴らしい考えや思いを追加してきました ── そして、この新出のマーケティング・プラクティスの将来の定義は、このグループから出てくることになるだろうと私は強く信じています。そしておそらく、こうした現象が私たちにSMOの17番目のルールをもたらしてくれるでしょう:「メッセージや考えを発することや、それが他人のものになることを恐れずに進もう」。
(文中のハイパーリンクは省略してある。原文はこちら)
日本では人気ブログサイト「メディア・パブ」で9月4日に紹介されたのをきっかけに一気に業界人の注目を集めることになり、早くも11月17日刊行のムック『Web担当者 現場のノウハウ vol.3』(インプレスR&D)で6ページの小特集記事が組まれるに至った(表紙では2番目に大きな文字で掲載)。この記事を執筆されたのは、日本のネットマーケ・ブログ論壇におけるSMOの盛り上がりにも貢献されたフリーランスのウェブプロデューサー、住太陽氏である(ちなみに、住氏は本稿の最初のほうで紹介した『アクセスアップのためのSEOロボット型検索エンジン最適化』の共著者でもある)。
「SEOからSEO+SMO(ソーシャルメディア向け最適化)へ」(山中 歩)
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