マイスペースの特徴は自由度
マイスペースの起点となるのはプロフィールページであり、ここの設計を自由にできることこそが、マイスペースの最大の特徴であると、マイスペース日本法人の香山誠社長は言う。
実際、ユーザーのプロフィールページを見ていくと、初期設定からかけ離れたレイアウトやデザインになっているものが少なくない。
ブログやSNSというのは、ウェブ制作に関して特別な知識がなくても、あらかじめ用意されたフォーマットを使って、簡単に個人のページを構築できることがメリットなのだが、反面、お仕着せのデザインを選択するだけなので見た目は没個性的なものになりがちだ。たとえばミクシィのプロフィールページは白地にオレンジで、遠目には誰のページであるかもはっきりしない。その点、マイスペースの場合、例えばプロミュージシャンのプロフィールページの中には、一からデザインを設計して作る通常のウェブサイトと遜色ないオリジナリティを発揮しているページも多い。
これはマイスペースが、HTMLページを作成するスキルがあれば、かなり自由にカスタマイズできるようになっているからであり、プロフィールページが自由な「自己表現の場」として活用されているという側面があるからだ。プロフィールページを表示すると自動的に音楽が再生されるのは、マイスペースではごく当たり前のこと。アーチストがマイスペース内で公開している楽曲や、ユーチューブのビデオを貼り付けることもできる。マイスペースをカスタマイズしたり、レイアウトデザインを支援するための情報サイトもたくさん存在する。
2006年11月に鳴り物入りで日本上陸を果たしたマイスペースは、2007年春頃から日本向けのサービスを充実させていくという。しかし、マイスペースのような典型的な自己開示型の米国文化がそのまま日本に受け入れられるかどうかは、日本語ベータ版開始以降、IT系ニュースサイトなどで常に疑問視されてきたところだ。まして、日本にはすでにミクシィというメインプレーヤーがいる。これにどう挑むのであろうか?
マイスペースもそのあたりの課題は当然、十分に認識しているようで、まずは音楽という特徴を土台としながら、日本人が楽しめる何かしらの「仕掛け」を工夫していくということだ。それにあたっては、「ユーザーの声に耳を傾けながら、ユーザーが望むものを提供していく」(香山社長)意向だ。マイスペースでは入会したときに案内係的な最初の「友人」として、専任スタッフ(日本語テスト版担当は通称オジーという男性)が登録されるので、オジーを通じてフレンドリーな形でユーザーの声を吸い上げていけるはずだという。
ただし、日本向けに工夫するといっても、ミクシィ型のクローズドなSNSに衣替えするようなことはせず、自己開示型という特徴そのものは堅持する方針だ。そして、この自己開示型という文化がどうやったら日本人に「心地よい場所」として受け入れてもらえるのかを努力する必要があるという。
「日本でも若い世代が携帯コンテンツで独自の文字遣いによる自己表現をして一種の文化を創り出している。若い世代ほど、自己開示型の文化になじんでいける可能性があるのではないか」と香山社長は語る。
日本人には日本人なりの表現欲求(自己実現の欲求)が十分にあるはずであり、それをうまく引き出すようなものを、どう仕掛けていけるかが鍵になるようだ。(湯川鶴章)
この原稿は出版に向けた未完成原稿です。引用する際は、ご注意ください。
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