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iPhone3GSは過去最強の英語学習ツールになる

インターネット普及後にはネット普及後にふさわしい英語の学習方法があるはず。その信念の下、新しい学習方法を確立するために参加型英語学習プロジェクト(PELP=Participatory English Learning Project)というものを有志と始めたんだけど、このプロジェクトにとってiPhone3GSって最適のツールになるのではないかと思い始めた。
 例えば英語専用のtwitterアカウントを開いて、日々のつぶやきを英語でするという学習方法を試しているんだけど、これが結構有効だと思う。だって四六時中、英語で考える習慣ができるから。一年も続ければ頭が自然と英語脳になるのは間違いない。最初はtutorに間違いを指摘してもらいながら発言回数を増やし、ある程度自信がついてくればシリコンバレー辺りのギークをfollowすればいい。気のいいヤツならfollowし返してくれるだろうし、気がつけばレスし合う仲になるかもしれない。
 問題は日本のケータイのテンキーで英語を入力するのが結構面倒なこと。モバイルで英語でつぶやけるから、あらゆる場面での英語の表現をあれこれ考えて勉強になるのであって、デスクトップからつぶやくのであれば、つぶやく内容はおのずと限定されてしまう。
 iPhone3GSなら横持ちでキーボードが大きくなるので、両手の親指で比較的サクサク英語を入力できるのではないかと思う。
 またシリコンバレーの吉川さんが音声版twitterともいえるmiseluを開発したけど、今のところiPhone版しかない。音声版twitterって、まさに英語学習に最適のツールだと思う。この面でもiPhone不可欠。
 それにiPhoneのYouTube専用ビューアーって非常に便利。パソコンでYouTubeを見るよりiPhoneで見たほうが使い勝手がいい。YouTubeの中には、英語学習に最適な動画が山のようにころがっている。PELPの仲間と、どの動画がいいかという情報を共有しながら、勉強するのも楽しいはず。
 また日本の業界の最先端情報を英語でプレゼンできるまでになり、プレゼンの様子を動画でYouTubeにアップするというのがPELPの勉強方法、目標の1つなんだけど、この動画撮りにもiPhone3GSは最適。簡単に編集、簡単にYouTubeへのアップができそうなんだもん。アメリカ人の動画に対して動画でレスしていけば、それはもう非同期の英会話になるんじゃないだろうか。
 英語の発音をtutorに直してもらうんだって、動画で撮って、シリコンバレーに住むtutorにメール添付で送れば、tutorが正しい発音の動画を送り返してくれる。ちょっとした時間のすきにiPhoneでその動画を再生して練習を繰り返せばいい。
 つまりiPhone3GSは新しい形の英語学習ツールとして最適だし、IT業界の英語力底上げに本気で貢献したいのなら、僕自身、買うべきだし、買おうと思う。
 ということでケータイ二台持ちするための自分自身への言い訳と、妻説得の練習を公開の場でやってみました。

そうそう直接関係ないけど、会社のサイトのショッピングモールでモバイルPC特集やってます(お知らせ)。

Web Innovation Summitで完全燃焼してやる!

なんだかわけ分かんないタイトル。すみません、ちょっと頭がおかしいんです最近。
さて日本のテクノロジー業界を盛り上げたいという思いが強くなってきている今日この頃(いよいよ死期が近づいているんだろうか>おれ)。
日本のテクノロジー業界の英語力底上げのプロジェクトも盛り上がってきたし、日本のベンチャーを盛り上げるためのブログメディア作りもゆっくりとだが前進している。あとはイベントを仕掛けたいと思っていたら、AMNがWeb Innovation Summitをやる、というので、100%協力したいと思います!

いでよ!日本の明日を担うベンチャー企業!

詳しいことは徳力さんのブログに載ってます。協力社(スポンサー)募集!

「ルポ米国発ブログ革命」池尾伸一著

ルポ米国発ブログ革命 。 献本いただきました。多謝。帯には「ブロガーたちが大統領を作った」とあるように、米国でブログがどのように政治や社会に影響を与えているのかを探ったルポ。著者は中日新聞・東京新聞の元ニューヨーク特派員の池尾伸一さん。現在は東京に戻られて経済部で記者をされている。
特派員時代にブログの最前線の動きを追って30都市を飛び回ったという。やはり「足で書く」記事には重みがある。
僕のところにも「ブログが大統領選にどのような影響を与えたのか」というテーマでの講演、執筆依頼がくることがあるが、僕はこの分野はまったくフォローしていません。これからは池尾さんにご依頼ください(笑)。

おしゃれ検索Naver使ってみました

Naver 韓国検索最大手のNaverの日本語版ベータを使ってみた。感想=おしゃれと思いますよ。マウスオーバーするとFlashで画像が大きくなるし。googleのUIが前時代的に見えるくらい。
で、肝心の検索結果はというと、まあgoogleとは違った結果がでるようだけど、果たしてどちらのほうが優れているのか分からない。僕の場合、パーソナライズするようにgoogleを設定してあるので、googleって結構いい感じ。
でも個人的にはあまり検索技術には興味がない。もちろん検索技術は今後も改良が加えられ進化するのだろうし、その進化に合わせて新しいマーケティングの手法も生み出されるのだろうけど、もっともっと大きな技術革新がまったく別の領域で起こるのではないかと思う。僕自身は、その別の領域がどこであるかのほうに興味がある。やはり自分は実務家ではなく、フューチャーリストを志向しているんだろうな。マイクロソフトのbingの開発者も「アンケートをとってもユーザーは検索の現状に満足していた。こんな状況でどこをどう改良すればいいのか非常に悩んだ」みたいなことを言ってたけど、ユーザーが満足しているのならもうこの領域での競争はいいんじゃないの?技術革新で解決される不便な部分とかまだまだあるんだし、優秀な頭脳をまったく別の領域に使ったほうがいいんじゃないの?と思うわけです。googleが大成功したからだろうけど、ちょっと検索にスポットライトが当たりすぎじゃないかなあ。

参加型英語学習プロジェクト、試験的に始まります

以前このブログで構想をお話した参加型英語学習プロジェクトのキックオフミーティングが昨日、恵比寿のシリウステクノロジーズさんの会議室を借りて行われました。
このプロジェクトの目的は、日本のIT業界の英語力の底上げと、そのためのカリキュラム作りです。
インターネット普及前と普及後では英語の勉強の仕方が変わってもいいと思うし、変わるべきだと思います。IT業界の人間にとってのインターネットを利用した英語の新しい勉強方法を模索しようというプロジェクトです。
運営のお手伝いには十数人が名乗りを上げてくださり、昨日のキックオフミーティングには10人強が集まってくれました。
2年ぐらいの勉強期間で英語でのプレゼンや会議ができるようになり、シリコンバレーの企業で働けるような英語力を身につけられる。そんなカリキュラムが完成すれば、と思っています。
Lang8やi know!など既存の英語の勉強サイトで使えるものは使い、それらのサイトではできないようなIT業界の人間として必要な勉強の方法を自分たちで構築することになりました。また英語ベースの会合であるTokyo2.0や、日本発の英語のITニュースサイト「Asia-jin」にも積極的に関与、協力、参加していきたいという意見が出ました。つまりオープン型で、他のサービスと連携したい、というのが基本姿勢です。
具体的には、運営方法を議論するサイトをgoogle groupsで作り、利用できそうな動画やポッドキャストの情報を共有するwikiのようなものをgoogle siteで作り、英語で日本のITの情報を発信するサイトをbloggerで作ることになりました。
またtwitterも英語のアカウントを作り、日々英語でつぶやいたり、facebookなどでも英語でアカウントを作ることになりました。twitterの英語のつぶやきで変な言いまわしがあれば、僕やシリコンバレー在住の日本人がtutorとしてツッコミのレスを入れたいと思います。シリコンバレーのtutorへは、amazonを通じて日本の書籍を送るなど、何かの形でちょっとしたお礼をしていただければと思います。またもっとしっかりとチェックしてもらったり、プレゼンの指南をしてもらったりという場合は、個人ベースで交渉するのがいいのではないか、という話になりました。在日の英語ネイティブの人にtutorしてもらうという枠組みを作っていってもいいかもしれないとも思っています。
つまりこのプロジェクトはあくまでも相互支援を条件に無料で利用できるものにし、tutorの支援を得たい場合は個別に交渉するという形にしたいと思います。
ということで、まだまだカリキュラムとしては未完成ですが、多くの人の協力を得て少しずつ完成させていきたいと思います。
このプロジェクトを利用して勉強してみたいという方は、コメント欄に連絡先などを書き申し込んでください。今回もコメント欄は非公開にします。

定年退職した人向けのブログサービスを作りたい

豊富な人生経験と見識を持った人たちが社会との接点がなくなるというのは、社会全体にとってすごく大きな損失だと思う。自分のビジネスで学んできたこと、地域社会の昔話、人生を通じて学んだ教訓など、若い世代が学べることは山ほどあるはず。
それに定年を迎えた人たちも、社会と接点を持ち続けたいし、社会に貢献したいと思っているはず。そうした人たちが簡単に情報発信できるようなツールを作りたい。
まあブログでいいんだけど、もっともっと簡単にできないだろうか。トラックバックとか説明が難しい機能なんてなくてもいいから。
年齢の高い人で、ブログやパソコンを始めようとして挫折した人たちはどういった部分がネックになって挫折したんだろう。

どなたか高齢者向けパソコン教室などを運営されている方いらっしゃいませんか?ぜひご教授ください。またパソコン教室運営会社と接点のある方、どなたかをご紹介いただけませんでしょうか。

今回もコメント欄を非公開にしますので、ぜひ情報をお寄せください。

追記:以前ここに書きました参加型英語学習プログラムですが、多くの賛同者を得て動き始めました。本日、運営を手伝ってくれる人たちとの第1回の会合です!形ができましたらまたご報告します。
テッククランチ的なITブログメディアの立ち上げもいろいろ考えて動いています。
なんだかいろいろな仕組みを同時並行的に立ち上げようとしているな>自分。早く立ち上げて自立的に回るようにしておかなければならない、というあせりに近い思いがある。残された時間があまりないような気がして仕方がない。ひょっとして死期が近づいてるの?おれ(笑)

日本のモバイルアプリは原始的

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ちょっと釣りっぽいタイトルになったけど、TechCrunchのエントリーから。日本語版は「残念ながら技術的な洗練度は驚くほどプリミティブだった」と読者の感情に配慮してか、primitiveをあえて訳さずにそのままカタカナ表記しているが、primitiveとは原始的という意味だ。
これはgeeks on a planeというアジアツアーのプログラムの一環として、東京でテクノロジー業界の関係者からブリーフィングを受けるというイベントに参加した後の感想としてあげられたエントリー。このツアーには、シリコンバレーの有名ブロガーを中心に30人ほどが参加、東京のほかに北京、上海で同様のイベントを開催するという。
僕もこのイベントにお声がけをいただいて、日本のウェブ、モバイル全体を概観するようなブリーフィングをさせてもらった。特に日本のモバイルの先進性について強調して、リアルタイムのtwitterの書き込みをみる限り「日本の先進性の前にiPhoneが時代遅れのような気がする」などというような内容のつぶやきもあったりして、それなりにインパクトを与えたと思っていた。でもTechCrunchのMark Hendricksonさんには予想ほど日本のモバイルは進んでいないと映ったようだ。
まあ期待値が高すぎたのかもしれないけど。
その「日本のモバイルはそれほどすごくなかった」という感想をシリコンバレーのgeekが持ったということ自体が、僕には興味深かった。そうか、日本のモバイルは彼らの目から見てそれほどたいしたことないのか。フーン。
やはりiPhoneのapp storeという仕組みがすごかったということなんだろうか。この比較的オープンな仕組みの上で、世界中のクリエイティビティが爆発していっきょに進化したんだろうなあ。
Hendricksonさんの名誉のために言うとprimitiveという表現はあるにせよ、Hendricksonさんのエントリーは非常にフェアだと思う。2日間という短い滞在の中で日本の現状を的確に理解していると思う。

話は変わって昨日は、シードプランニングで高広さんとのバトルトークがあった。僕と高広さんは同じ将来といっても違う時間の感覚で物を見ているので、物言いが異なることがある。僕は遠い未来への傾向について話し、高広さんは現実と近未来の話をする。評論家と実務家の物の見方の違い、ただそれだけのことだ。なので、僕は実のところ彼の意見に異論はほとんどない。だから実はバトルにならないんだけど、1つだけ異論というより僕自身まだ結論を出していないことに対して高広さんが断言したのがおもしろかった。
それは日本のケータイはいずれアンドロイドなどのスマートフォンが主流になる、ということ。それで会場に来ていた人たちに挙手してもらったところ、高広さんに同意する人が半分ほどいた。これは少し驚き。以前別のイベントで同様の質問があったときに、日本ではスマートフォンは主流にならない、という意見が圧倒的に多かった。まあスマートフォンの定義もあいまいで、あいまいな定義のままする議論も不毛なんだけど。

確か福島で講演を依頼された方、もう一度ご連絡ください

以前、今年も1ヶ月限定で講演します、ってエントリーをあげたときに、ご連絡をいただいた方で、福島方面で講演を依頼してくださった方、もう一度ご連絡いただけませんでしょうか。
メールがどこかに行ってしまいました。ごめんなさい。スパムフィルターに設定されてしまったかも知れませんので、このコメント欄にでもご連絡いただけませんでしょうか。

Naverが先行体験ユーザーを募集

韓国の検索最大手Naverがクローズドβ版をスタートさせるそうな。以下のような案内が寄せられた

さて、これまで準備を進めて参りましたが

ようやく!近日中に新しい検索サービス「NAVER」を

皆さんの前にリリースできそうです。

 

正式オープンに先立ち、先ほどティザーサイトを公開しました。

http://www.naver.jp/

(併せてNAVER「先行体験」ユーザーも募集しています)

試しに申し込んでみた。でも個人的にはあまり検索には注目していないんだけど。検索とは違う何か新しいサービスって出てこないのかなあ。

 

図らずもBing発表の日にMS本社担当者を取材した男の手記「結構いいかも」

▼よさを実感するには設定を英語に切り替えろ

 時事ドットコム用にマイクロソフト本社にある「未来の家」を取材してくるようにいわれて、シリコンバレーからシアトル、レッドモンドにやってきた。それとは別に自分のプロジェクトとして、モバイル担当者とも取材を入れた。
 数週間前から日本のMSの広報担当者とやりとりしてたんだけど、「検索は興味ないですか」と聞いてくる。そっけなく「ないです」>オレ。
 でアメリカに来てからは、本社の広報担当者とやりとりしてたんだけど「検索のアポ入れといたよ」って。おいおい頼んでないよ。
 でもまあ時間もあるし、聞いてみてもいいか。いろいろがんばってセットアップしてくれてるんだから、って感じで、Bing発表の当日に開発者にマンツーマンで話を聞いた。そうか、たまたま発表の日だったんで、プッシュしてきたんだな。でもこれって普通ならラッキーな話なんだろうなあ。
 でBingの機能をいろいろ見せてもらった。ふむふむ、こりゃなかなかいいわい。でもホテルの部屋に戻って、いろいろ試してみると、なんじゃらほい。グーグルとそんなに変わらないぞ。あれれ。どうやら日本語バージョンはまだそれほど機能が充実していないもようだ。
 Bingの本当の可能性を知りたいのなら、トップページに戻って、設定を英語に切り替えて、アメリカの事象を検索してみなはれ。

▼この方向で検索エンジンの進化が進めばCGM系のサイトってやばくないか

 英語でアメリカのことを検索すると、その使い勝手のよさが見えてくる。そうか、検索エンジンはこの方向に進化していこうとしているのね。で、この方向に進むと、○○比較サイトの運命はどうなるんだろう。サイト運営者の皆さん、うかうかしてられないかも、ですよ。

ここからは、担当者とのやり取りの取材メモ。帰国後に原稿にまとめなきゃ。

-新しい検索エンジン「Bing」の特徴は?
僕たちはdecision enginって呼んでいる。検索エンジンじゃなくて、決定エンジン。
決定エンジンは3つのレイヤーからなっている。
1つ目のレイヤーは、コアとなる検索機能。ユーザーが慣れ親しんでいる検索のやり方がそのまま使えるようになっている。検索の速度や関連性やプレビューとか。
ー伝統的な検索エンジン?
 そう。その部分はやはり必要。ユーザーはもうそうした機能に慣れているから、まったく違うものを提供するわけにはいかない。それが1つ目のレイヤー。
-2つ目のレイヤーは?
 ユーザーの多くは実は、伝統的な検索エンジンに不満を持っている。検索結果が情報の洪水になっているからだ。例えば宅配業者のUPSをキーワードにして検索すると1億5000万ページ以上の結果が出てくるし、いろいろな情報があちらこちらに散らばっている。そこでいろいろな情報を整理して表示するようにした。
ー整理は人間のエディターがするの?
 いやアリゴリズムで。機械が自動的にする。それで3つ目のレイヤーは、人々が決断するのに必要なツールの提供だ。
 つまりわれわれがやろうとしていることは、リンクを集めて並べるという過去10年くらいの検索エンジンのあり方を大きく変えるもんなんだ。それがデシジョンエンジンとしてのBingのコンセプトだ。
 そのコンセプトに基づいて、次世代の検索エンジンを作ろうとしたわけなんだけど、同じような検索エンジン作っても仕方がないし、それにユーザーに聞いてみても検索エンジンの現状に満足している人が多い。そんな状況の中、ユーザーも気になっていないほどの使い勝手の悪さって何なのか、どうすればユーザーの潜在的ニーズを満たすことができるのか、というのを突き詰めた。多くのユーザーグループ調査も行ったし、いろいろなデータ解析もやった。
 では、それぞれのレイヤーでどんなことをやったのか少し詳しくお見せしよう。まず1つ目のレイヤー。伝統的な検索エンジンのレイヤーでの改良点をお見せしよう。
 例えば先に挙げたUPS。まずベストマッチというコンセプトを導入した。過去のユーザーの利用履歴をベースに、UPSというキーワードで検索した人たちが最終的にたどり着く情報をディープリンクで表示した。サイトのトップページから入るようにするのではなく、直接必要な情報のページに飛べるリンクを表示した。
ーでもそれってグーグルもやってるよね。
 やってる。だからここの部分は伝統的検索エンジンの部分。でも競合社と違って顧客対応係の電話番号が表示されるようにした。企業って、あまり多くの苦情電話がかかってきては困るから、サイトの目立たないところに電話番号を隠してたりするんだけど、それを検索ページのところに表示するようにした。
Ups
 それにUPSの場合、消費者は自分宛ての荷物が今どの辺りにあるのかを調べるためにUPSのサイトにアクセスすることが多いということがアクセス解析で分かる。だったら荷物番号を入力できる窓を検索結果のページに置くほうが便利だろうと思って、そうした。これでUPSのページに飛ばなくても検索結果のページから自分の荷物がどこにあるのかを検索できるようになった。
 またアクセス解析の結果、ユーザーの20%がリンク先のサイトに飛んだ直後に「あれ、これ関係ないや」ということで「戻る」ボタンを押して検索エンジンのページに戻ってきていることが分かった。
ーそんなことしなくても、リンク先のページを新しいタブを開いて表示したらいいのに。
 いや多くのユーザーはそんなことができることさえ知らないんだ。マウスの真ん中のボタンでクリックすれば、リンク先が新しいタブで表示されるってことを知っているユーザーは少数派なんだ。
 それで一般的なユーザーのために、マウスオーバーするだけで、リンク先の情報が表示される機能をつけた。これでリンク先を表示することなく、自分の探していることが載ってそうなページなのかどうなのかが分かるようになった。
 「シアトル」「交通」という2つのキーワードで検索すると、シアトルの交通情報のサイトへのリンクが一番上に表示される。事故や渋滞情報などのディープリンクがあって直接その情報にアクセスできたり、その交通情報のサイト内を検索できる検索窓が表示される。
 このほかにも「天気」であるとか「マリナーズ」であるとかの項目の表示でも同様に、余分なステップをできるだけ減らせるように工夫してある。
-それが1つ目のレイヤーの「伝統的検索」部分の改良点ですね。では2つ目のレイヤー、検索結果の「整理」ってどんなこと?
 ここからが競合する検索エンジンと大きく差別化できる部分。
 例えば「イチロー」で検索してみよう。検索結果にイチローの顔写真や「打率」などの統計が出てくるんだけど、左側のコラムに注目してほしい。「略歴」「統計」「ビデオ」「発言」などの項目がリストアップされている。検索結果のリンク先の情報を「略歴」「統計」といった項目にグループ分けしているわけだ。いままでの検索エンジンなら、リンク先の情報がどのようなものなのか分からないけど、ビデオに興味のある人はビデオのグループのリンク先だけを見て回ればいいわけだ。
Photo
 こういうふうな情報のグループ分けを、ユーザーの過去の行動履歴を解析することによって自動的にできるようにしたんだ。
ーすべての情報がこのように自動的にグループ分けされて表示されるのか?
 いや、今のところ検索キーワードの上位20%ぐらいだけ。これからもっと増やしていくつもり。ただほとんど検索されないようなキーワードの場合、ユーザーがどのようなタイプの情報を探したかという過去の履歴の数が少ないため、ユーザーの役に立つ形での自動グループ分けは非常に難しい。だからすべてのキーワードのリンク先をグループ分けするようにはならないと思う。これが2番目のレイヤー。
-3番目は?
 ここが、われわれが検索エンジンではなくDecisionEngineと呼ぶ根拠となっているところ。判断を下すのに必要なツールを提供しているんだ。主に4つの分野にフォーカスしている。「旅行」「買い物」「ローカル、地図」「ヘルス」。検索データを見ると、この4つの領域に関する検索件数が最も多く、しかも検索エクスペリエンスに満足していないことが分かっている領域なんだ。
 例えば旅行を見てみよう。シアトルーオランド間の航空運賃を検索すると、複数の航空券販売サイトを横断検索し、最安値を表示してくれる。価格の動向をチャートにしてくれたりする。いろいろな航空券販売サイトを回る必要がない。
 買い物の場合は、アマゾン、Eベイ、ヤフーなどの価格やユーザーの口コミを横断検索し、内容に合わせて自動的にカテゴリーに仕分けてくれる。いいレビューが悪いレビューかも表示してくれる。
 例えばカメラを買う際に、一番気になるポイントがレンズだったとしたら、Bingでは、レンズに関するいいレビュー、悪いレビューという具合にまとめてくれている。
-バーティカルサーチ?
 そう。ユーザーが不満に思っている領域のバーティカルサーチをすっきりとした形で作って、1つの検索サイトの中にまとめたってわけだ。

【取材後の感想】
検索エンジンが1つ進化したのは事実。競合する検索エンジンもこの方向で進化するのだと思う。そうなることは、幾つかの専門サイトにとって脅威になることは間違いない。
一方でこの進化がパラダイムシフトと呼べるほど大きなものかというと、そんなことはないと思う。
この改良点をユーザーや競合社に見せると、ほとんどの人は「へえー結構いいんじゃない」と言うだろう。でも多くの人が「いいんじゃないの」と思うような改良は、単なる進化であり、劇的なパラダイムシフトではないと思う。マイクロソフトはBingの広報、マーケティングにかなり力を入れるようだが、グーグルならこの程度の改良ならこっそりやって、発表することもないだろう。
劇的なパラダイムシフトは、その過程にあって競合社が「そんなのだめだよ」というようなものなんだと思う。それくらい発想の転換が必要なもんなんだ。
2000年ごろに国内有数の検索エンジンの開発担当者を取材したことがあった。その担当者は自分たちの検索エンジンが多くのインデックスを作れるということを自慢していた。「一番大事なのはどれだけ多くの情報を検索対象にできるかということ。この点でほかのエンジンには負けません」と言っていた。どれだけ多くの情報を持っているかが大事だと考えていたわけだ。
ところがグーグルはどれだけ情報を少なくするかで勝負していた。トップページにごちゃごちゃと広告やリンクを張らずに、ロゴと検索窓をメインにしたすっきりとしたデザインを保っていた。
「情報をどれだけ多く持つか」から「情報をどれだけ少なくするか」への発想の転換が起こっていたわけだ。
競合社に「いいねそれ、真似しよう」と思われるような改良は、過去の延長線上にある進化であり、発想の転換を必要とするパラダイムシフトではないのだ。

アジアはモバイルでIT業界の核になるのか@シリコンバレー

 週末からシリコンバレーに来ている。今日は知り合いのベンチャーキャピタルで「Is Asia the center of the mobile Internet?」というテーマでプレゼンした。やはりシリコンバレーの米国人の間でアジアやモバイルに対する関心が高まっていることを実感。それにしてもアジア、モバイルに関する情報がほとんど伝わっていない。米国市場で株式を公開した中国企業は英語で財務情報を公開しているので、みんなその会社のことはそれなりに知っているみたいだけど、それ以外の日本や韓国の企業に関してはほとんど知らない。
 やはりこの分野での英語による情報発信って大事だなと思う。
 中国の「数」、韓国、日本の「先進性」を合わせればアジアがシリコンバレーと肩を並べるITの拠点になるかもしれない、という話をしたんだけど、実際にだれがどのような動きをしているの?という質問になれば「ソフトバンクがJoint Innovation Labを作った」という話以外にないので、少々説得力に欠ける。
 それを残念に思ってホテルに帰ると、Infinity Venture Partnersの小林さんから「アジア、モバイル領域への投資を本格的に始めますよ」というメールが入っていた。これこれ、こういう動きが活発化することを待っていた。
 このファンドの出資者には、モバイルSNS とPC SNS のNo.1 の2社(DeNA とMixi )やオプトなんかも加わっているらしい。出資する理由はもちろん、アジア出資先企業とのシナジーを見込んでいるからなんだろう。日本のネット有力企業が、動き出したって感じだ。
 詳しい情報は、明日正式に発表されるみたいだから、Infinity Ventureのサイトでチェックしようと思う。