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20XX年、メディアはこうなる

 いわゆるマス広告が崩壊し、その代わりに次世代マーケティングプラットフォームとでも呼ぶべきマネタイズ手法が確立したときに、メディアはどのような形になっているのか。
 マーケティングプラットフォームを可能にするのは各種データである。検索エンジンへの検索キーワードから始まって、行動ターゲティング、ウェブ解析、 ソーシャルグラフ(人間関係)などなど。こうした自動マーケティングを可能にするデータを最も多く持つであろうサイト形態は、コミュニティーである。ソー シャルメディア、参加型メディアである。
 つまり参加型メディアが現在のマスメディアの進化形であり、既存メディアが参加型メディアに進化することができれば、広告市場の縮小に伴い窮地に陥りつつあるメディアビジネスは、マーケティングプラットフォームが確立するころには再び収益率の高いビジネスになる可能性があるわけだ。

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 ただマーケティングプラットフォームがいつ確立するのかは分からない。確立するまでの間は収益性の低い、現状のオンライン広告で、コミュニティを運営し続けなければならない。経営者が、マーケティングプラットフォームというビジョンをどれだけ強く信じることができるかのか、マーケティングプラットフォームが確立するまで収益性の低いビジネスを続けるだけの体力がその企業にあるのかのかどうか。こうしたことがメディア企業の今後の明暗を分けるのだろう。
 収益性の低い時期に学ぶべきことは2つ。1つは、データ解析。どのようなデータとどのようなデータを組み合わせることで、ユーザーが求めるような情報、サービス、商品を提供できるのか、というノウハウを蓄積させるべきだろう
 もう1つは、コミュニティ運営のノウハウ。ユーザー同士の対話、企業とユーザーの対話をどのように促進し、意義のある対話をどのように増やしていくのか、というようなノウハウだ。
 この2つのノウハウを確立したメディア企業は、マーケティングプラットフォームが確立した時代においても成功することだろう。
 もし従来型メディア企業が、こうした方向に進まなかったり、進んでも成功しないのであれば、mixiなどの新興メディア企業が影響力を拡大させることだろう。一般企業が自社サイトを参加型メディアに進化させることだろう。

 こうしたメッセージを従来型メディア企業関係者に訴え続けているのだが、残念ながらなかなか伝わらない。「次世代マーケティングプラットフォーム 」を読んだ従来型メディア企業関係者は何を感じたのだろうか。そもそも読んでくれているのだろうか。

 自分でもコマーシャルを作ってみました。ホントだ、簡単に作れる。結構おもしろいかも。

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次世代マーケティングプラットフォーム by 湯川鶴章さん

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「君を幸せにする会社」天野敦之著

 いつも読んでいるITやビジネス系の本とはちょっと趣の異なる本を読んだ。「君を幸せにする会社 」。
 経営が傾いたリゾートホテルの二代目社長のクマ太郎が、何のために働いているのか、生きているのかという真理を追究する物語になっている。
 その真理とは、

  • 感謝の気持ちを持つ
  • 他人と比較せずに、昨日の自分に克つ
  • 人の短所を長所と見る
  • 感謝することで生まれる幸福感を周りに分け与える
  • それが企業の価値創造につながる

 「クマ太郎の物語?感謝の気持ちを持つ?なんだその陳腐な内容は」と思われるかもしれない。わたし自身も一線の新聞記者としてスクープ合戦に明け暮れていた10年前ならそう思ったことだろう。今でも「感謝が大事?そんなこと分かっているよ」という気持ちがないでもない。
 でも頭で分かっているつもりでも、「今現在自分が幸福感に満ち溢れ、周りに愛情がこぼれ落ちる状態か」というと、そうでもない。自分の今後のキャリアに対する不安、老いに対する不安もあるし、生まれてからこの社会で叩き込まれてきた「他人と比較、競争するクセ」も残っている。それらが原因となって、幸福感に満ち溢れているわけでもない。クマ太郎の心境に達するには、どうすればいいのだろうか。しばらく考えてみたい。

 この本のことを評価する文章を書きたいのだが、うまく書けない。無理に書こうとすれば、多分うわべだけの美辞麗句を並べるだけの文章になりそうな気がする。それは恐らく自分がまだ悩み続けているからなんだろう。
 ただ一言。この本をいつも自分の近くに置いておきたいと思う。この一言で、わたしがこの本をどれだけ評価しているのかを理解していただきたいと思う。
 今、競争社会の真っ只中でエネルギッシュに戦っている人でも、ふと我に帰りむなしさを感じる瞬間があると思う。そのときは、この本のことを思い出していただきたい。

ネット時代の本の書き方、本の読み方

 紙の媒体で原稿を書くプロの執筆者は、ネット上でどのように情報発信していけばいいのだろう。ネット媒体の原稿料は紙の雑誌の原稿料とケタが1つ、2つ 違うほど安い。一方で、それぞれの分野の専門家のブログが増えてきた。彼らはプロの執筆者ではないものの、情報の質は当然ながらプロの執筆者の原稿をはる かに上回る。こういう状況の中、プロの書き手はどうすればいいのだろう。
 僕自身もいろいろ悩み、試行錯誤を続けてきた。「ブログがジャーナリズムを変える 」(2006年、NTT出版)という本は、「ネットは新聞を殺すのか blog」というブログに書いた原稿を集めたものである。多くのブログ本はブログのエントリーを集めて本にまとめているが、「ブログがジャーナリズム を・・・」はそうではない。本を出版するために書いた原稿を、書けたものから順番にブログにアップしていったのである。ブログありきではなく、本ありきの ブログエントリーだったのである。
 つまりブログを順番に読んでいけば、本になる前の原稿をすべて読むことができる。もちろんその後、編集者の手によって原稿は完成品になるのだが、本を買わなくても内容をつかむことができるようになっている。
 もちろんこうした実験はいろいろな気づきを僕に与えてくれたのだが、やはり何か違うように感じていた。そしていろいろな試行錯誤を経て、今回の「次世代マーケティングプラットフォーム 」という本で、ようやく僕なりのインターネット時代の本の書き方のようなものを確立できたように思う。
 僕が確立したネット時代の本の書き方について、こっそり(こっそりでもないか)ここで伝授したい。すべての書き手にそのまま当てはまるわけではないだろうが、だれかの役に立つかもしれないので。

 まず僕は、ブログ上や実際に会った人たちに向け、次の本の執筆に向け取材を始めていることを、機会があるごとに宣言していった。テーマは「広告」であることも明らかにした。
 また「広告」関連の本を読み、気づいたことをブログに書き、取材のインタビューの音声や動画をそのままブログにアップした。今回の本の中に出てくる事例で、わたしがネット上にアップしていないものはほとんどない。今回の本を読んでくれた人の中で「新しい事例は一つもなかった」という書評をブログに書いている人が何人かいたが、その通りである。時間をかけてネット上を探せば本に書かれているほとんどすべての情報が出てくる。ただ僕以外にそれらの事例を紹介している日本語のページはあまりないと思う。だって直接取材して得た情報がほとんどだから。英語のウェブにもない場合も多い。
 広告について取材を続けていることが広く知れだすと、今度は情報がどんどん向こうから入ってきた。メールやチャットで次々と情報が寄せられるようになった。「〇通がこんなひどいことをやってまっせ」という情報が多かったけど(笑)。
 こうした情報を基に原稿を書き進めるわけなんだが、今回の本では、本の「おわりに」の部分で書いたように、ある人の一言をきっかけに、それまでに書き溜めた原稿を全部ボツにした。その一言が事実であるかどうかを確認するため米国取材を敢行、そしてそれが事実であると確信したので、新しいテーマで原稿を再度書き始めたのである。
 新しいテーマが確定した時点で、「1ヶ月限定で講演します」とブログで宣言した。こちらから出した条件は「週末は講演しません」ぐらい。ほかのどんな条件、場所、講演料でも断らずに受けた。
 講演料をいただけなかったケースもあるし、20代の社員数人がポケットマネーを持ち寄って講演に呼んでくれるケースもあった。
 この時点で講演を希望してくるような人たちだから、それぞれの分野で最先端の人たちが多かった。こうした人たちとできるだけ多く議論の時間を持った。これを繰り返すことで、僕の中の仮説がより洗練されたものになっていた。説明が難しい部分、予想される反論など、すべて把握できた。こうしたフィードバックを基に、本の原稿を一気に書き進めたのである。
 そして本が完成した。完成品である本に対しては、この本にかけた経費、労力に値するだけの「お代」を頂戴したいと思っている。それが本の価格だ。また本の内容をテーマにした講演に対しても、同じ理由でそれ相当の「お代」を頂戴したいと思っている。
 この本は、広告業界、メディア業界、一般企業の経営企画関連の仕事に就いている方たち向けに書いた。ターゲット層が広いので、本だけではすべての方に丁寧に説明できていないと思う。ネットに挙がる書評を読んでも、それぞれの業界ならではの疑問、反論があった。
 そうした疑問、反論に対してまた、このブログを使って自分の考えを説明している。それがここ2、3週間やっているプロセスだ。このプロセスを通じて、わたし自身新しい気づきを得ることも多い。
 つまり本を書こうと決めた時点からの、ブログ、講演、本の出版、そしてまたまたブログを通じての著者と多くの人との双方向のやりとりの中で、1つの知見を完成させ、共有していくという営み。これがネット時代の本の書き方、読み方の1つの形になるのではないか、と考えている。
 これが「みたいもん!」のエントリー「『次世代マーケティングプラットフォーム』は湯川さんによる"ロギングされる僕ら"」が言及していることなんだと思う。

Onedari Boys企画「ぐぅホルモンナイト」に行ってきました

 クチコミがどのように小売店舗のマーケティング、売り上げに影響するかということを情報社会学的見地から検証するためにOnedari Boysプレゼンツ「ぐぅホルモンナイト」に行ってきた。うそだよ、ただおいしい焼肉食べ放題、飲み放題で2000円ポッキリというのに魅かれて行ったんだよ!
 応募者の倍率2倍以上という難関だったらしいが、運よくsay☆goとhattoとともに当選!大満足の4時間でした。

 「焼肉はタレにつけて食べないとね」と思っていたんだけど、「ぐぅ」はその部位によって塩だとか、タレつきでGrp_0010来るのを焼いてネギを乗せていただく。これが本当においしかった。極上ハラミ最高!とろけた。

意外においしかったのが「カリカリ」(どこの部位か分からないけど、むちゃくちゃおいしかった)。

韓国のどぶろく「まっこり」もおいしかった。「もっこり」と言って、JDに笑われてしまったけど。

 以前にもOnedari Boysのイベントをやったらしく、そのおかげか来客が急増し、商売繁盛で、もう一店舗「ぐぅ はなれ」ができたらしい。そのお礼をこめての2回目イベントとか。small businessにとって広告よりOnegari Boysのほうがコストパフォーマンスがいいのかもしれない。

僕の前に座ったブロガーが、学生時代に焼肉屋でバイトしていたということでいろいろ解説してもらったのだけど、墨も肉もいいのを使っているらしい。

この店の常連である別のブロガー(20代だと思う)によると、一人5000円から6000円ぐらいの予算で結構飲めて、腹いっぱいになるそうだ。

当選した30人のブロガーの中には知っている人もいて、楽しかった。ブロガーの集いって過去に何度か行ったことあるんだけど、どうしてこんなに楽しいんだろ。というか変なやつ多すぎ。

和田さんは「牛になる!実行委員会」の実行委員長になったのだそうで、「牛になる!」バッチを配っていた。牛の着ぐるみも何着か持ってきていて、みんなで順番に牛になった。

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「どうして牛になる!なんですか」と和田さんに聞くと、「来年の干支だから」。???

ONEDARI BOYS ホルモンナイト

「意味がよく分からないんですけど・・・」と聞き直すと「いや、いい大人が牛の着ぐるみを着る機会ってないじゃないですか」「まあそれはそうなんですけど、でもどうして?」「年賀状の写真にも使えるし」「そうなんでしょうけど、でもどうして??」「去年はねずみになる!だったんですよ。干支がへびになったら着ぐるみどうしようかと今から悩んでいるんです」・・・。話せば話すほど、分からなくなったきた。まあいいか。楽しけりゃ。

モダシンさんもいて、以前からモダシンさんのポッドキャストに出演したいなあと思っていたんだけど、その念願がかなって、その場でポッドキャストを収録していただきました。ありがと!!はちゃめちゃな内容だけど、そのうち公開されると思います。乞うご期待!

何人かは「次世代マーケティングプラットフォーム」を読んでくれたらしく、「いや、むちゃくちゃよかったすよ」「やっぱ取材して得た情報っていいっすよね」と居酒屋談義が始まった。おいおい、こんなとこで居酒屋談義するくらいならブログに書いてくれよ、と本気で思った。

「会社で評判になっていて、みんなで湯川の本を回し読みしてるんですよ」というブロガーもいた。おいおい、回し読みしてないで買ってくれよ、と本気で思った。しかも酔っ払って本人を前に呼び捨てかよ・・・。

まあ、楽しかったので、すべて許す。ブロガーバンザイ!

下に張ってあるバナーなんですが、お店のスタッフに「ONEDARIバナーを見たんですけど」というと、秘密のメニューが一品サービスされるそうです。期間は11/1から12/23まで。

ぐぅ
電話:03-5255-3729(ミナニク)
住所:東京都中央区八重洲1-7-3

ぐぅ はなれ
電話:03-3516-3729(ミナニク)
住所:東京都中央区八重洲1-7-5 太田紙興八重洲ビル6F

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mixi年賀状でメディアビジネスの次のステージに

 「次世代マーケティングプラットフォーム 」の中で「メディアはコミュニティーになり、メディアの競争力の源泉はマーケティングに必要なユーザー情報の集積になる」というようなことを書いたんだけど、ミクシィはその競争力の源泉をつかむ方向に一歩コマを進めた。昨日発表のあったmixi年賀状のプロジェクトの発表会に出て、そう確信した。
 もちろんユーザー情報を集めて絶対的な影響力を持つ、とかそういうことを狙ってミクシィはこのプロジェクトを始めたんではないだろう。単にユーザーサービスを1つ増やしたいという思いだろうし、次の展開としては「mixi暑中見舞い」程度のことぐらいしかまだ具体的に考えていない、というのも本当なんだろう。
 しかし匿名ユーザーが圧倒的に多いmixiというコミュニティーの中で、株式会社ミクシィはユーザーの住所、氏名という情報を入手するのである。今日、ユーザーの住所、氏名などの個人情報を入手するのは簡単なことではない。もしミクシィが「住所、氏名をお知らせください。いろいろなサービスに利用できますから」とユーザーに頼んでも、それだけではだれも応じないだろう。しかし「あなたのマイミクがあなたに年賀状を送ることを希望しています。受け取る場合は住所、氏名をお知らせください」というメッセージが送られてきて、それに「ノー」と答えるユーザーはほとんどいないのではないだろうか。

 今後ネット上の物販サイトの数は大手2、3社に収れんされるのではないかと思っている。なぜならもしどのサイトでも同じような品物を売っているのであれば、信頼できるサイト、既に自分の個人情報を持っているサイトから買う人が多くなるのではないだろうか。だってほとんどのユーザーは、できれば自分の個人情報をあまり拡散したくないと思っているから。
 アマゾン、楽天、Yahoo!などの大手以外のECサイトは、やがて独立系としては運営できなくなるだろう。といって競合であるECサイトの傘下に入るわけにもいかない。そういった中小のECサイト、通販業者は、日本郵便に続いてどんどんミクシィとの提携を模索し始めるのではなかろうか。

 

ミクシィは、広告を超える新たな巨大収入源を得る可能性があるわけである。


 ビジネスモデルの変化に気付かない既存メディアを尻目に、新興メディアであるmixiは新しいステージに進んだのである。「コンテンツとともに表示する広告を収入源にする」というビジネスモデルから「コンテンツを核にコミュニティを形成し、その上でのマーケティング、流通を収入源にする」というビジネスモデルに、メディアビジネスが変化し始めたのだ。
既存メディアの中のほとんどの人は、mixiがメディアであることにもまだ気付いていないんだろうなあ。

 さてこのスキームを企画した博報堂DYメディアパートナーズの担当者って、目のつけどころがなかなかシャープだなと感心。ミクシィは日本郵便という既存大手と組むことでステータスを向上できるし、日本郵便のほうは若者の年賀状離れを食い止めることが期待できるとあって、話を持っていけば簡単にまとまることが分かっていたんだろうな。Good Job!

Amazonで売り切れた!?

Amazonの「次世代マーケティングプラットフォーム」のページの在庫状況のところをみると、「在庫あり」から「通常3-5週間で発送します」に替わっている!!「3-5週間」って・・・。洋書じゃないんだから。ついにAmazonで少なくとも一時的に売り切れたってことだろうか。楽天ブックスでも「お取り寄せ。メーカーに在庫確認」になっている。出版社にもほとんど在庫は残っていないというし・・。
この本は広くあまねく売れているというわけではなく、現在ゲリラ豪雨的に局地的に売れているもよう。渋谷の書店でもほとんど売り切れのようだし、潮留も売り切れのままだった。赤坂文教堂は入り口入ったところに大量に平積みしてあるという話だったけど、これはまだ残っているのだろうか。お買い求めになる場合は、広告会社、ネット企業の集積地以外の場所の書店でお買い上げになることをお勧めします。
出版社によると、週明けには重刷分が印刷されてくるとのこと。週半ば以降には今の状況が緩和されるのだと思いますが・・・。
ジュンク堂の池袋本店のサイトによると25日の朝の時点で16冊の在庫あり、になっています。オンライン書店BK1は24時間以内の発送。紀伊国屋のサイト上でも在庫ありになっています。

amazonで中古品にプレミア価格がついている。こんなことってあるんだ。そんなの買う人いるのだろうか。

ツボにはまる人、はまらない人

読んだ
湯川さん アンタすげぇよ。僕自身がなんとなく漠然と通信とインターネット広告について感じていたことが めちゃくちゃわかりやすく 理路整然と書かれてる。 そうそう俺はこういうこと感じてたのよ。(中略)しかし、湯川さん 広告でなく、ましてやインターネットの中の人でもない 新聞の人がここまで見抜いてるってどうよ?既存総合大手のネット以外の部署の人はどう考えてんのかな? 広告人必読ですね。

なんか会社に内緒でこっそり書いているっぽいブログなんで、あえてリンクを張らないが、「次世代マーケティングプラットフォーム」にこんな書評をいただいた。このフランクな書き方が非常にうれしい。思いがストレートに表現されている、こういうところがブログのいいところなんだなよなあ。
 さて、でもどうしてここまで絶賛してくださる読者と、そうでもない読者がいるのか。ツボにはまる人と、はまらない人の違いってなんなんだろう、ってことをしばらく考えている。
 それは本を読む前にどんなことに思い悩んでいたのか、ということに尽きるのかもしれない。広告業界であれ、メディア業界であれ、「自分の業界はどうなるのか」「どうキャリアプランニングしていけばいいのだろうか」と悩んでいて、しかもクロスメディア的な手法や「クリエイティブとテクノロジーの両方をやっていくという手法」に対しても「10年後、20年後も、それで本当にだいじょうぶなのだろうか」という漠然とした不安を持っている。そんな人にとっては、この本がツボにはまるのだと思う。
 一方で「クロスメディア的な手法ぐらいまでなら楽しいが、テクノロジー一辺倒のマーケティングはどうも自分には合わない。検索連動型広告のビジネスなんてやってても面白くない」というような人にとっては「まあそういう広告の形もあるかもしれない」という感想になるのだろう。
 また広告業界やメディア業界がどうなろうと、直接大きな利害がない立ち位置の人にとっては「未来を見通す視座を得た」という感じの感想になることが多いのだと思う。
 そして周辺のグレーの領域、マーケティングプラットフォームの領域で既に活動しているネット企業の人にとっては、「自分のやっていることが正しかった。未来は明るいと再確認した」というような感想になり、未来がその方向であることは承知の上で既にウェブ解析などの分野で全速力で最先端を走っている人には「当たり前の話。新しい事例がない本」ということになるのだろうか。
 編集者の織茂さんは、「あらゆる層の読者に評価される本って絶対にあるはず、謙虚にそういう本を作っていきましょう」っていうけど、そんな本ってあるのかなあ。

既存総合最大手の〇通さんですが、役員全員に配布され幹部クラスはほとんどが読んでいる、と中の人が言ってました。

企業の「ベルリンの壁」を叩き壊すのが広報の仕事になる

思考の足跡」さんに「いままでの思考の点が線に繋がった」と評していただいた。こういう書評をいただくのが一番うれしい。テクノロジーの1つ1つの事例を羅列しているのではなく、それらのテクノロジーがつながり始めたということが「次世代マーケティングプラットフォーム」のテーマであり、それを理解していただいたことが何よりうれしい。
「思考の足跡」さんは、マーケティングプラットフォームとしてのウェブは主に以下の3つの領域から構成される、として「ターゲットされた広告」「解析」「CRM」を挙げている。本の内容を正確につかまれていると思う。
 ただもう1つ、僕自身その存在に気づきながらも、この本の中であえて詳しく取り上げなかった領域がある。それは消費者と従業員の直接対話である。なぜ取り上げなかったのかというと、まだマーケティングプラットフォームとのつながりが明確に形成されていないからだ。

 マーケティングの大部分が自動化されるようになるのは間違いない。それが未来の方向であることは間違いないのだが、それではあまりに寂しい。消費者は企業と、人間らしい対話を望んでいるのではないだろうか。
 つまり大部分のやりとりを自動化されたシステムが担うのだとしても、いや自動化システムの役割が大きくなればなるほど、人間同士の対話が重要になるのではないだろうか。そんな風に考えている。
 消費者と企業の人間らしい対話はどのように促進されるのだろう。消費者同士はインターネット上で対話し始めた。企業の従業員同士はイントラネット上で対話し始めた。こうした対話は今後盛んになる一方だろう。
 ところがインターネット上の消費者とイントラネット上の従業員との間には、ほとんど対話が存在しない。企業が両者の真ん中に立ちはだかり、許可した情報しか行き来させないからだ。ほとんどの企業は今日、ブログなどのソーシャルメディアを通じた企業の従業員としての情報発信を禁止しているか、はっきりと禁止していなくても、すべきことではないという暗黙の了解がある場合がほとんどのようだ。従業員がばらばらに情報発信すれば企業として情報の整合性が取れないからだろう。
 しかしそうした情報統制はいずれ不可能になるだろう。そして消費者は従業員との直接対話をより強く望むようになる。企業との人間らしいつきあいを望むようになる。企業は自動化されたロボットではない。人間の集合体だからだ。
 そうした思いが強くなり、いずれインターネットとイントラネットの間に立つ「ベルリンの壁」が崩壊する時期がくるのだと思う。広報パーソンの今の仕事は「ベルリンの壁」の守衛だが、そのときがくれば守衛自らが壁を壊そうとするだろう。それが広報の仕事になる時期がくるのだと思う。
 つまり下の図のグレーな領域、テクノロジーを使って多くの人の力を引き出す部分の領域の構成要素は、ターゲット広告、解析、CRMという「テクノロジー」に加え、「人間同士の対話」になるのだと考えている。
 一方でコアの領域、個人のスキルによって成立する領域の構成要素は、多くの広告パーソンや広告本が指摘するように、「テクノロジー」と「クリエイティブ」になるのだと思う。

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ほかの広告本との違い

 アマゾンなどでも「この本を買った人はこんな本も買っています」というところで「次世代マーケティングプラットフォーム 」が「明日の広告 」や「コミュニケーションをデザインするための本 」などといったバリバリの広告マンが執筆した本と並べられたり、ブログなどでも比較されたりしている。
 でも僕の本は他の広告本とは根本的に違うと思っている。
 どんな本かということは前のエントリーに書いた通り。「技術革新は周辺で起こる」ということだ。
 僕の本ではコアな部分と周辺のグレーの部分の全体の今後の推移を見通している。コアな部分はマス広告、グレーの部分はマーケティングプラットフォーム、つまり売るための仕組み、と便宜上分けたほうが理解しやすい。でも本当は、コアな部分は、個人のスキルや能力に立脚した個人戦であり、グレーの部分はテクノロジーをベースにした団体戦、というふうに分けて考えている。そう書いてもちょっと分かりにくいので、この部分は本の中で比較的丁寧に説明したつもり。
 「クリエイティブかテクノロジーか」「テクノロジーでモノは売れない」「クリエイティブとテクノロジーの両方をうまく使うことこそ大事」などという議論は、コアの領域の議論である。クリエイティブとテクノロジーの双方をうまく使うことが大事だというのはその通りで、そこのところを詳しく知りたいのであれば、「明日の広告」や「コミュニケーションをデザインするための本」「クロスイッチ」などの本のほうが僕の本などより絶対に優れている。当たり前だけど。
 これらの本は、現場の広告パーソンが読めば今日からでも役に立つ本である。

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 そのコアの領域では僕が逆立ちしたって広告のプロを超えるような提言などできるわけがない。そこで僕の本の中ではグレーの領域の事例を中心に掲載した。今日、広告会社の仕事とさえも認識されてもいないようなテクノロジーの領域の話である。現場の広告パーソンが読んでも、いま抱えているプロジェクトにはまったく役に立たないだろう。
 ではだれに向けたメッセージかと言えば、経営者層である。それに経営マインドを持つべき中間管理職。そしてこれからの長いキャリアの中で大きな変革を避けられないであろう若者である。目の前のコアの領域だけを見ていれば、知らない間に大きな津波が押し寄せることになりますよ、というのが僕のメッセージである。

どんな本かと言えば、こんな本なんです

 多分この人は学生時代ずっと国語の成績が抜群によかったのではないかなあ。「次世代マーケティングプラットフォーム」にいろいろと書いている中から、僕が一番主張したい部分をスパッと抜き出して簡潔にまとめてくれている。

この本では、ハーバード・ビジネススクールのクラーク・ギルバード氏の主張をもとに、

「技術革新は周辺のグレーな領域で起こる。コアな領域とグレーな領域を合わせると、技術革新の結果、市場は大きく拡大する。ただ、コアな領域の製品、サービスは、グレーな領域のサービスと比べて相対的に地位を低下させるだろう。そして最終的には、売上高という絶対的な数字の低下につながっていく」

というフレームワークを用いて、広告業界のコア=マス広告、周縁=出現しつつある様々な広告テクノロジー(マーケティング・テクノロジー)と捉え、出現しつつあるマーケティング・テクノロジーは、マスマーケティングによって失われてしまったOne to Oneな関係を新たな形で取り戻す、「サザエさんの三河屋さん的な、情報発信、サービス、アフターケア、販売、配達など、全ての一体化した企業活動」を可能にするものと考え、その最新の三河屋さん的な様々なマーケティング・テクノロジーが具体的に紹介されている。

そうなんです、この本はそういう本なんです。理解してくださってありがとうございます。
もちろんこの主旨を正確に把握してくださっている書評が圧倒的に多いんだけど、中にはこの本を最新の広告技術のことを羅列してあるだけの本としてだけとらえている人も少なからずいて、「特に目新しい情報はなかった」などと評されたりすると、ホントがっかりしてしまいます。

たちまち重刷

ありがとうございます!おかげさまで「次世代マーケティングプラットフォーム」の重刷が決まりました。
今回は売れ行きを最初から見ていたのですが、最初はアマゾンで売れ始め、その後、某大手広告会社がある赤坂の書店で大きく売れ始めました。もう一方の大手広告会社のある潮留ではしばらく動きませんでしたが、2、3日まえに潮留の某書店にいったら売り切れてました!

潮留


そのもう一方の社に勤める知人から「役員全員に配布されています」という情報をいただきました。ふーん、初動は遅くても動き出すと一気に動く会社なんだと感心。これから広告業界以外にも広がるのかどうか・・・。一番読んでいただきたいのは、ネットベンチャーの経営者層なんです。

やっぱり専門家の書評はすごい、と思った件

 いろいろな読み方や感じ方があっていいと思っているのだが、やはりその道のプロの書評はすごいなと思った。実際にそのテクノロジーを日々使っている現場の感想を織り交ぜた書評は、評論家やマスメディアの人間には絶対に真似できない説得力がある。ブログってすごいメディアだなと再認識。
 なんの話かというと、「リアルアクセス解析」さんに書評を書いてもらったって話。
 そうなんです!広告や解析という分野は、明るい未来があって非常にエキサイティングな領域なんですよ!僕自身そちらの世界に入って行きたいと半分くらい本気で考えています。

ソーシャルメディアにどう対応するべきか-ZDnet Conferece

次世代マーケティングプラットフォーム 」ではテクノロジーに焦点を当てたけど、実は今後企業のマーケティング施策に必要なのは、テクノロジーとソーシャルメディア施策の両方だと思っている。この2つが車の両輪のように、これからの経済活動のあり方を進化させていくのだと思う。
 なぜソーシャルメディアのことを書かなかったのかというと、重要性は認識していても、十分な事例、情報を集めることができなかったから。
 これまでに入手した数少ない情報の中で最も参考になったのは、米調査会社フォレスター・リサーチのリサーチャーが書いた「Groundswell 」(英文だよ)という本だった。そのフォレスターリサーチからZDNet Japan Social Technology Conference 2008にスピーカーが参加するというので、お知らせします。(詳細、申し込みはこちら)。別に関係者ではないけど、この領域に関心のある人には非常に役立つ情報だと思うので。
 僕はもう登録しました。

 でGroundswell: Winning in a World Transformed by Social Technologies という本の何がすごかったのかというと、ソーシャルメディアに対して非常に多くの取り組みをコンサルティングしてきた人たちが、その経験を具体的なノウハウにまとめあげたこと。そのノウハウが「POST」というキーワードにまとめられている。
 要は、だれ(People)に向かって施策を打つのか、目的(Objective)は何なのか、どういう戦略(Strategy)で、どういうツール(Tool)を使うのか、を決めて取り掛からないと失敗しますよ、という話だ。その企業の業種によって対象となるターゲット顧客層は異なるし、目的も異なる。ターゲットと目的が異なれば、どのような戦略でどのようなツール(ブログなのか掲示板なのかYouTubeなのか)を使うのかも異なる。それぞれのパターンの事例も豊富に取り揃えている。
 ここまでノウハウがまとまっているのは、ソーシャルメディア施策について「場数を踏んでいる」からなんだと思う。ソーシャルメディアで先行する米国ならではのこと。日本はまだ、こうした結論を導き出せるだけ数の事例がない。
 このノウハウがすべて日本に当てはまるわけではないだろうけど、その考え方は十分に参考になると思う。広告、広報、マーケティング、コンサルティング業界のみなさん、当日お会いしましょう。

追記:あっやっぱり行けないかも。別件が2つ前後にある。んんん、どちらかをキャンセルすべきか・・・。

マスコミの衰退を補って余りあるブログの力

 というようなことを、ここ数年言ってきた。そういうわたしの主張に対し「日本のブログはくだらない日記ばかり」「貴重な情報をただで公開するような人間などいない」「社会をよくしたい?そんな青臭い思いでブログを書くやつなんていないよ」などなど、多くの反論をいただいた。
 しかし今でもそう思う人は、このリンクの先にあるブログのリストのうち、幾つかを読んでみて下さい。

 今年も日本財団のCanPanブログ大賞の審査のお手伝いをさせていただいている。今年で3回目。年を追うごとにノミネートされたブログの質が向上していることが分かる。心温まるブログ、応援したくなるブログ、感動で涙をさそうブログ・・・。読む人をやさしい気持ちにさせるブログがたくさん集まっている。
 審査員は全員ボランティアだが、こうしたブログを読むことができブロガーと直接お会いできることが、何よりもすばらしい「報酬」だと思っている。

どうして反応は両極端なんだろう

「次世代マーケティングプラットフォーム」の書評がブログなどに上がり始めた。幾つか読んでみると今回も同じような反応が・・・。
数年前に「ネットは新聞を殺すのか」という本を出したとき、その反応は両極端だった。「新聞は不滅だ。新聞の未来は、こんな突拍子もないふうにはならない」という反応と、「もう既に起こっていることばかりを書いている。未来予測でもなんでもない」という反応の両極端。「新聞は不滅だ」と怒ったのは、言うまでもなく新聞業界関係者。「未来予測でもなんでもない」という人たちは、ネットのヘビーユーザーだと思う。この人たちからも怒られた。怒られてばっかり。中間はほとんどなかった。
今回の本は「広告の未来はどうなるのか」という観点で取材した。今回の本を読んだ広告業界関係者からは「テクノロジーですべてが解決するわけがない」という反応をいただき、広告業界以外の人からは「インターネットに詳しい人には分かっている話ばかり」という反応が中心。やはり両極端の反応が多い。
数年前と違うのは、今回は両極端の中間の層が少数ながらいる。中間の読者からの評判はおおむね良好。中には絶賛してくださる人もいる。
でもどうして両極端の反応になるのだろう。同じ時代を生きているのに。

追記:はてぶのkikai-taroさんのコメント「なぜかというと、前の端と後ろの端の人たちがぶつかっている時代の先端のことを湯川さんが書くからです」。うまい表現だなあ、と感心。

新刊本のCM作ってもらいました

 出版元のソフトバンク クリエイティブの担当編集者、織茂さんが「次世代マーケティングプラットフォーム」のCMを「コマーシャライザー」というサービスで作ってくれた。これくらいのCMなら簡単に作れるんだって。それにしても「渾身の自腹取材」って・・・。そんなこと書かなくてもいいのに・・・。

でもブログに貼り付けるとどういうわけか音がでない・・・。音が出ない場合はコマーシャライザーのページのほうで

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湯川鶴章 著『次世代マーケティングプラットフォーム』 by yorimoさん

カンタンCM作成サイト コマーシャライザー

CEATECで見たオープン化とはほど遠い日本の現状

 近著「次世代マーケティングプラットフォーム」を読んだ知人から言われる感想の1つに「実際にアメリカのキーパーソンたちは共存共栄を本気で信じてやっているんですね」というのがある。
 この本の中には数人のキーマンのインタビューを掲載しているが、そのほとんど全員が異口同音に「オープン化」の重要性と「共存共栄」が今日のルールとして確立していると語っている。
 わたしが「米国ではオープン化が進み、だれもが共存共栄を信じている」と見てきたこととして語ることよりも、インタビュー形式で語るキーマンたちの生の言葉のほうが説得力があるようだ。
 「オープン化は重要である」。日本でもよく耳にするフレーズだ。しかし日本ではオープン化戦略よりも囲い込み戦略のほうが多く目につく。オープン化戦略をうたっていても、実際は一部友好企業と形成したグループによるユーザー囲い込み戦略である場合が多い

 千葉・幕張メッセで開催された見本市CEATECでも、いろいろな機器との連携サービスというものを目にした。テレビで見た観光地の情報を携帯電話を通じてダウンロードし、それをカーナビに転送すると目的地として設定される。携帯電話の着うたダウンロード履歴からユーザーの好みの音楽の傾向を把握し、携帯電話をかざすだけで、好みの音楽が流れるステレオ。テレビ番組をメモリに録画し、ケータイにメモリを移し換えるとケータイでテレビ番組を楽しめる・・・。
 しかしこうしたサービスの多くは、同じメーカーの機器を利用しなければならないか、そのメーカーと友好関係にあるメーカーの機器を利用しなければならない。
 テレビ、ステレオ、レコーダー、モバイル機器まで一社の製品を買いそろえている人など、そのメーカーの社員でない限りいないのではなかろうか。
 その思いをあるブースの説明員にぶつけてみた。
 「そうなんですよ。各社ともオープン化が大事だとか言ってますけど、実際にはオープン化より、できるだけ多くのユーザーを囲い込みたいというのが本音なんですよね」と打ち明けてくれた。「だれもがオープン化の重要性を本当に理解するようになるのを待つか、それか孫さんのような人が強引に引っ張っていってもらうしかないかもしれませんね」。

 なぜ米国ではオープン化が進むのに、日本は囲い込み戦略が主流なのだろうか。日本のビジネスマンは度量が狭いのだろうか。
 そんなことはないと思う。米国のビジネスマンが聖人君子というわけではない。米国のビジネスマンも日本のビジネスと同様に企業人として営利を追求している。ただ米国のビジネスマンはウェブ2.0を経験し、オープン化が全体にとっても個々のプレーヤーにとっても有効な戦略であることを身を持って体験したのだと思う。
 市場が固定されているのなら、その中での戦いはゼロサムになる。やるか、やられるか、だ。
 ところが今は急速な技術革新を受け市場が急拡大する可能性がある。実際にオープン化、共存共栄戦略を取ったことで急成長を続ける企業が米国のウェブの領域には何社も存在するのだ。ウィンウィンの関係を実際に経験したわけだ。
 情報技術の急速な革新は、これからもまだまだ続く。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏は「われわれがこれまでに経験した情報技術の革命はまだ全体の3%程度の行程を進んだだけ。技術革新はこれからが本番だ」と語っている。
 つまりこれからも予測可能な未来においては、オープン化が有効な戦略であり続けるわけだ。
 ただ戦い方がこれまでと大きく異なる。これまで敵対していた相手と握手しなければならない。これは簡単にはできない。握手することが大事だと頭の中では分かっていても、どこかで「こいつを信用してもいいのだろうか」という思いがよぎるに違いない。それが中途半端なオープン化の原因になっているのではないだろうか。

 いつになればだれもがオープン化の重要性を心から理解し、日本の産業界が大きく前進できるのだろうか。
 CEATECの「情報大航海プロジェクト」のブースには、あちらこちらにディスプレイが設置され、田原総一朗氏のインタビュー映像が繰り返し流れていた。「オープン化は絶対に必要なんです。このことを理解して進まないといけないですね」・・・。その言葉だけがむなしく耳に残った。

追記:そうそうCEATECの特集で僕が動画で取材しています。会社の特集ページ。コンパニオンの写真集もあったりして(笑)。