« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

AIDMAって日本で知られているほど米国では知られていない?

 AIDMAについて調べている。日本のウェブには情報いっぱいあるんだけど、米国のウェブでは信頼性の高い情報になかなか出会わない。AIDMAって本当にアメリカからきた考え方なんだろうか。
 日本のwikipediaにはもちろんAIDMAという項目は存在する。

AIDMAの法則(アイドマのほうそく)とは、1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスモデルとされる。

AIDMAの法則では、消費者がある商品を知って購入に至るまでに次のような段階があるとされる。

   1. Attention (注意)
   2. Interest (関心)
   3. Desire (欲求)
   4. Memory (記憶)
   5. Action (行動)


でも米国のwikipediaで調べると、There is no page titled "AIDMA

米国のgoogleで調べても日本語のページや、日本語のページを英訳したようなものばかりが出てくる。
米国のamazon.comで検索してみると、Marketing Communications Classicsという本の中のテーブルに小さく次のような文言が。

1956 AIDMA
Attention, Interest, Desire, Memory, Action.
Merrill Devoe
Referred to the importance of different psychological sequences in constructing advertisements

あれ?Merrill Devoeという人が1956年に言ったことになっている・・・。しかもこのテーブルにはAIDAとかAICAとかいろんな頭文字が10個ほど並んでいて、どう考えてもAIDMAだけが広く普及していそうでもない。

でも、だからダメというわけではないし、それなりに価値のある言葉なんでいいんですけど。まあ「米国で広く使われているAIDMAは・・・」というような使い方はやめようと思いました。

appleに対抗か、au BOX

会社のサイトに記事書きました。

「次世代マーケティングプラットフォーム」本日発売!

 久しぶりのゆっくりとした週末の朝を迎えている。コーヒー片手にお気に入りの音楽を聴きながら手元に届いたばかりの「次世代マーケティングプラットフォーム」をしげしげと眺める幸福感。
 ここまで自分の本に愛着を持つのは、最初に出した「ネットは新聞を殺すのか」以来かもしれない。
 これまでの数年間のメディアの未来の探求がこの本で終わったのだと思えば、すがすがしい達成感すら感じる。
 その「次世代マーケティングプラットフォーム」は本日発売。都内の一部書店の店頭には今日から並び始めるはずだ。
 この本の価値は、「広告」から「売る仕組み」に変るという予測通りの変化の兆しを実際の取材を通じて明らかにしたこと。そしてその「売る仕組み」上には覇者が存在できないほど急速な技術革新が続いている、ということを複数のキーパーソンの証言を通じて指摘したことだと思っている。
 この本を書くに当たり非常に多くの方にお世話になった。お世話になった方が多すぎて献本は出版社が驚くほどの数になった。献本には1冊1冊お礼の言葉を書いていこうと思う。このため献本の発送は1週間ほど遅れそう。申し訳ありません。
 特に経営者や一般企業の戦略部門の方に読んでいただきたいと思っています。

symantecのウイルス定義ファイルの自動ダウンロードで仕事が中断されイライラする件

文章を執筆中にダウンロードが始まれば、2、3分はパソコンが使えなくなる。これは本当にイライラする。執筆中は自動ダウンロードが始まらないように設定できないのだろうか。だれか教えて。

3Dインターネット復活の足音が聞こえてきた

ブログAd Innovatorで有名な織田浩一さんの会社Digital Media Strategiesが「欧米バーチャルワールド調査報告書~多様化するバーチャルワールド」をリリースしたというので、わたしのほうからもお知らせします。

サンプルPDFはこちらからダウンロード可能です。

「セカンドライフってダメになるって言ってたでしょ。ね、その通りになったでしょ」とうれしそうに書いているブログを時々見かけるけど、革新的テクノロジー、サービスに対する期待がバブルのように膨れ上がればいずれ弾ける、というのは当たり前のこと。インターネットやIT革命にもバブルが弾けた時期はあったけど、「IT革命なんて嘘っぱちだ」と今だに主張する人はさすがにいなくなった。

このレポートの中でも次のようなグラフが掲載されているが、3Dインターネットの本当の普及が始まるのはこれからなんだ。

Techhype

今は「落胆の谷」から這い上がろうとしている時期なんだろうけど、どのような「利用価値」が実現され普及していくのか、という先を読むためには、世界の動きを知る必要がある。

「欧米バーチャルワールド調査報告書」は、これらの多様化するバーチャルワールド市場の現状をまとめたもので、付加価値をつける方向性や初心者を取り込むための取り組み、効果測定の取り組みなどを第一章で解説した上で、16の新規バーチャルワールドプラットフォームを6つの類型に分け、各社の概要、経緯、サービス・事業内容、マネジメント、収益モデル、ユーザートレンド、テクノロジー、そのプラットフォームを利用したキャンペーンケーススタディ、今後の展望などを、最高経営者などそれらのプラットフォーム企業幹部へのヒアリングを交えて解説している。さらに3社のバーチャルワールド専門エージェンシーの最新動向と業務についての解説、最高経営者へのヒアリングを加え、A4サイズ、202ページというボリュームとなっている。

詳細および購入申し込みはこちらのページからできるそうです。

「次世代マーケティングプラットフォーム」の読みどころ

 「テレビCMが効かなくなる」であるとか、「宣伝メッセージを一方的に流すだけでは効果がないようになる」という予測はずいぶん前からあった。「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」の中で取り上げた「Total Access」という本の中で著者のレジス・マッケンナ氏は次のように語っている。

「商品やサービスが必ずしも消費者の記憶に鮮明に残るものである必要はない。製品やサービスは単に、満足を得るのに十分であり、購入可能な価格帯であり、アクセス可能であり、便利であればいいだけである」

 また「情報を流す仕組みや売るための仕組みはプラットフォームのようなものになる」という予測も早くからある。
 電通総研の元社長の藤原治氏は著書「広告会社は変われるか」の中でそのようなプラットフォームを「eプラットフォーム」と呼んでいる。

 ネットとメディアが融合すると、媒体は1つになる。いままでのマス媒体もネットも融合するので1つの媒体の出現と相成るのである。その融合の結果生じる新しい媒体を何と呼ぶか。著者はそれを「eプラットフォーム」と呼ぶ。

 

 レジス・マッケンナ氏は、マーケティング側の視点でこのプラットフォームを次のように描写する。

 POSだけではない。情報ネットワークの一部とは思われていないものまでつながってくる。例えば店頭に設置されたカメラで顧客の流れのパターンを認識できるようになる。車や携帯電話の位置情報もつながってくる
 次の10年で、CRMはよりインテリジェントなネットワークに進化するだろう。より使い勝手がよくなり、リアルタイムのリポートを作成でき、分析、シミュレーションのモデル作成、顧客ニーズを事前に予測し対応する機能なども備えていくだろう。コンピューターの高性能化と通信の大容量化で、こうした顧客中心のアプリケーションが経営陣の高度な代理の役割まで果たせるようになる。CRMは、いろいろなデータベースや、機能、アクティビティと接続されるようになり、そのことによって新しい製品やサービスを顧客に提供する流れを効率よく管理できるようになる

 このように本のタイトルにあるような「広告、マスメディアの地位が奪われる」という指摘や、「マーケティングプラットフォーム」という概念でさえ新しいものではない。多くのビジョナリーは、マスメディア、広告に代わってこうしたプラットフォームがいずれ台頭するであろうことを早くから見通していたのだ。
 では「次世代マーケティングプラットフォーム」という本の価値はどこにあるのか。読みどころは、どこなのか。それは、そうしたビジョンがどの程度実現しているのかを取材、調査し、1つの流れにまとめたところにあると思っている。
 取材してみると、米国ではビジョナリーたちが指摘したようなプラットフォームが実際に形成され始めていた。ただビジョナリーでさえ見通していなかったような事実も幾つかあった。
 1つは、CRMだけではなくウェブ解析がプラットフォームの中核になっているということ。
 もう1つは、各プレーヤーとも共存共栄、相互連携をルールに急速な技術革新を推進しており、グーグルでさえ1社でプラットフォームを牛耳ることが不可能な状況になっているということだ。
 このようなプラットフォームが現実のものとなりつつある中で、われわれは新しい時代にどう対応すればいいのか。
 コンピューターがかなりの部分のマーケティング施策を自動で実行するようになる中で、その仕組みの設計部分は、今後も人間が行わなければならない。その設計を行うための仮説作りが広告、マーケティング担当者の仕事になるだろう。
 また現在存在するプラットフォームにどのような形で連携していくのかを模索するのがテクノロジー企業の仕事になるだろう。
 とはいうものの、対応を決める前にまず世界の最前線で起こっていることを把握する必要があるのだと思う。



次世代マーケティングプラットフォームは9月27日発売予定。現在予約受付中!


広告とマスメディアの地位を奪うもの

ここ数年、メディアの未来について思いをめぐらせている。インターネットの普及でマスメディアはどうなるのか、ジャーナリズムはどうなるのか。『ネットは 新聞を殺すのか』(共著、NTT出版、2003年)、『ブログがジャーナリズムを変える』(NTT出版、2006年)などの本も書いてきたし、数多くの人 たちとこの問題に関して議論を繰り返してきた。

その中で気づいたのは、マスメディアを資金的に支える広告ビジネスの今後を理解せずにマスメディアの未来を理解するのは不可能だということだ。それからは テーマを広告に切り替えて取材を続けた。今日の広告の最先端の動きを『次世代広告テクノロジー』(共著、ソフトバンククリエイティブ、2007年)という 本にもまとめたりした。その後も、「今日の広告の最先端」の次にどのような動きが起こるのか、その新しい動きに乗り業界を牛耳ることになるのはだれなの か、ということを考え続けてきた。

広告に関する本をずいぶん読んだし、多くの広告業界関係者と議論もした。

しかし、わたしが目新しいと思うようなことは、ほとんどすべて既刊の本に書かれていた。また広告業界関係者は、メディア業界関係者と比べると、自分の置かれている状況に関する情報収集に熱心で、時代の変化を読み取っている人が多かった。

彼らはマス広告の影響力が低下しつつあること、Google(グーグル)を始めとするテクノロジー企業の台頭で、広告主とメディア、消費者の関係が変わりつつあることもしっかりと意識している。少なくとも、私の属する新聞業界よりも変化に対する危機意識は強いと思う。広告業界関係者に対して、わたしのような部外者が広告の未来に関して偉そうに語れることは何もないような気がした。

それなら部外者しか書けないことを書こう、と思い立った。例えば、業界勢力図の先行きを読む本にすればどうだろうかと。取材を進める中で、寡占化が進む大手広告会社に対する不満の声をあちらこちらで耳にした。しかし、当の大手広告会社は泰然自若かといえば、実はけっしてそうではないことがわかってきた。

 電通や博報堂の中にもGoogleに対する脅威を口にする人は多かった。 そして、「Google に対抗するために電通はソフトバンクと組むことも視野に入れ始めた」「米国のYahoo!は日本のヤフーの株を30%持っている。Microsoftに狙われたYahoo!幹部は、日本のヤフーの株式を売ることで、株主に気にいられようとしている。その日本のヤフーの株式を電通が狙っている」などといった、いろいろなうわさや情報が耳に入ってきた。そこで、「電通vsGoogle」もしくは「電通&Yahoo!・ソフトバンク連合へ」というシナリオで本を書けるのではないか、と考えた。関係者の貴重な証言もいくつか入手できていたので、これらの情報を基にとりあえず原稿を書き始めることにした。

原稿を8割程度、書き終わったころだったと思う。広告業界の未来を展望する上で、Googleの脅威が顕在化しつつある米国の現状も一応見ておく必要があるだろうと思って、米国で開催された「Omniture Summit」と「Digital Signage Expo」の2つの見本市に出席することに決めた。両方の見本市ともセミナーやパネル討論会などプログラムがぎっしりと予定されていた。どれも面白そうな内容だったが、こうしたセミナーはすべて録音されネット上で公開されることになっていたので、主なセミナーだけ出席しただけで、あとは見本市フロアーを歩き、できるだけ多くの業界関係者と話をすることにした。米国の現状を肌で感じたいと思ったからだ。

何人の米国人と話しただろうか。2週間の米国滞在中にいろいろな人と意見交換する中で、少しずつ自分の考えに変化が出始めた。日本に帰国する直前になると、考え方が大幅に  変わっていた。今、起ころうとしていることは、オンライン広告の進化というだけの話ではない。オンライン広告がマス広告を凌駕するどころの話ではない。もはや「Googlevs電通」の図式などどうでもよい。これは、広告業界だけでは完結しない、もっともっと大きな話なのだ。

 今始まった動きは、いずれ産業全体を変革するような規模に成長する。その具体的な姿の骨組みや基本ルールが見え始めたのだ。このことに気づいたときに、わたしの中を衝撃が走った。

 時代の変化を感じている広告業界関係者は少なくないと述べた。しかし、彼らの問題意識は基本的に「広告分野を侵食するGoogleの脅威に、既存プレーヤーとしていかに立ち向かうか」というところにとどまっていて、今起こっている変化が広告というビジネスそのものをのみ込んでしまうとまでは考えていないのではないだろうか。

 台風の目の中にいる人は台風に気づかない。大きな物体の近くに立つときに、立ち位置が近すぎると、その物体の全体像が見えないものである。もしかすると、今起こっている変化が大き過ぎて、変化の中にいる広告業界関係者には全体像が見づらくなっているのではなかろうか。わたしは部外者だからこそ、この大きな変化を見ることができたのではなかろうか。

広告業界関係者は「広告がどうなるのか」という視点で見ようとするから、少し先のことしか見えないのだと思う。

わたしも取材を始めたときは「広告がどうなるのか」という視点でモノを見ようとしていた。しかし取材を終えて確信に至ったのは、「広く告知する」を意味する20世紀型の広告はいずれ消滅するということだった。

企業から消費者に発するメッセージは、細かなターゲット層向けにいくつも用意され、受け手にとってよりパーソナライズされたものに変化していく。それは広告というより販売促進に近いコミュニケーションになり、クリエイティブよりテクノロジーが重要になるということだ。

そして企業の業績は、消費者とのコミュニケーションをうまくできるかどうかで左右されるようになる。企業は、広告、広報、マーケティング、カスタマーサポートといった部署間の垣根を払い、企業全体としてコミュニケーション戦略に取り組んでいかなければならなくなる。そしてその戦略の中核になるのは、自社サイトである、ということだった。

この本を書き終えて、わたしは1つの達成感を感じている。過去数年間にわたり続けてきたわたし自身のメディアの未来探求はこれで終わりにしたい。この本を総括としたい。メディアと広告とウェブの未来をはっきりと見ることができた、という強い確信を持てたからだ。

もう一度言おう。いま起こっている変革は、もはや広告という一つの企業活動の枠組みだけで語れるものではない。経済全体のあり方まで変えるような大きな津波なのである。

そういう意味でこの本は、広告業界関係者だけではなく、メディア業界関係者、はたまた一般企業の広報業務関係者やウェブサイト製作部門に従事する方々など、あらゆる企業人に関係する内容になっている。とりわけ、経営者や戦略部署の担当者には、ぜひ読んでいただきたい内容になっている。   湯川鶴章

以上「次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの」の「はじめに」から。9月末発売予定です。わたしにとって久々の書籍です。1年の取材、執筆をへて、ようやく刊行されます。予約の受付が始まりました!

早くも「当面Google Chromeを使いません」宣言!

 友人のkoedaさんが「Chrome」のことを「クローム」ではなく「ちょろめ」と読むことに、微妙にウケてしまっている自分。
 それはさておき、Chromeが非常に優れたUIを持っていて、革新性に優れ、将来有望であることを認めたうえで、僕自身は当面Chromeを使う気になれない。
 理由は2つ。
 1つは日本語入力システムが変になるから。
 これはChromeのバグなのか、たまたまなのかは分からない。でも昨日からChromeを使用中に2回も日本語入力システムの英語から日本語への切り替えができなくなった。Chromeを終了するだけでは直らず、OSを再起動しないといけないので、かなり時間のロス。今朝、2度目のトラブルの際に、しばらくChromeを使うのは控えようと思った。

 2つ目は、今メインで使っているfirefoxのアドオン機能をあきらめる気になれないから。特にお気に入りなのは、ページの下のほうまでくると次のページをあらかじめ自動的にダウンロードしてページの下に追加してくれる「autopager」機能と、住所部分をマウスで選択し右クリックすれば、地図を表示してくれる「minimap」。両方のアドオンともに非常に重宝している。
 Chromeも今後こうしたアドオンが使えるようにはなっていくのだろうけど、今の段階ではChromeはやはり「チョロ目」(失礼!)であるということになってしまう。
 僕の周りのネットのヘビーユーザーの中にもアドオンを理由にfirefoxを使い続けます宣言をしている人が何人かいるけど、ヘビーユーザーがfirefoxを使い続け、一般ユーザーがIEを使い続けるのなら、Chromeってどんな層が使うのだろうか。
 それにオープンコミュニティがChromeを支援し続けてくれるのかもちょっと微妙。
 ちょっと前なら「Google最高!Googleは悪いことなんかしない」という人が圧倒的に多かったし、オープンソースコミュニティでGoogleのうけは悪くなかった。でも最近は「Googleも巨大になるにつれ、利益を優先する普通の企業にならざるを得ない」という論調が出始めている。そうなると、オープンソースコミュニティが今まで通り無条件で支援してくれるのだろうか。
 となると戦略はただ1つ。Googleの優秀な技術者がオープンソースコミュニティが作り出す以上に画期的な技術革新を打ち出し続けることでシェアを確保するしかないのかも。まあ前回のエントリで指摘したようにシェアを確保するより、自分たちが開発した技術をオープンソースコミュニティに還元し、ウェブ全体の技術革新を加速させることができれば、GoogleにとってChromeの存在価値は十分にあるからいいんだろうけど。

Googleは「Chrome」でMicrosoftの牙城を一気に切り崩す-んなわけないだろ

 ChromeはクラウドコンピューティングのOSになる。GoogleはChromeでブラウザ戦争を再発させ、Microsoftの牙城を切り崩そうとしている。Google対Microsoftの構図がますます鮮明になった-。
 まあ妄想をかき立てるような話題ではあるので、いろいろ考えるのは勝手だけど、中の人はMicrosoftへの対抗意識で動いてるんではないと思うよ。これまで取材したGoogleの人たちは、割とひょうひょうとしていたし。
 ではなぜGoogleがChromeを作ったかと言うと、技術革新を進めたいのと、広告ビジネスで先に進みたいから。そういう当たり前の理由なんだと思う。

いわゆるクラウドコンピューティングと言うのかもしれないけど、ネット上のメールソフト、ワープロソフト、地図ソフトといったものをどんどん進化させたくても、それを使うためのクライアント(つまりブラウザ)が進化しなければ意味がない。これまではモジラに協力してfirefoxを進化させるのに協力してきたんだけど、もう待ってられない。自分たちで好きなようにやりたいので、ブラウザを自分たちで立ち上げますってことなんだろう。

もう1つの理由は広告。Googleって世界最大の広告会社になってるわけなんだけど、DoubleClickを買収してこれからますます広告事業を拡大しようとしている矢先に、MicrosoftのIE8のプライバシーモードとかでcookie利用を拒否されるなことが一般的になればそれこそ困ってしまう。cookieとかでユーザー属性を判断して一人一人にあったターゲット広告で一山当てようというところなのに・・・。
ええい、それならいっそのこと自分たちでブラウザを作って普及させてしまえ、っとことなんでしょう。
うそだと思うなら、Chromeをインストールする前の使用許諾書みたいなのをすみずみまで読んでごらん。「広告に利用することもありますよ」って書いてあるから。
まあGoogleは営利企業だから営利を追求しても問題ないし、僕は僕のブラウザ利用履歴がGoogleに記録されてもいいと思っているけど。

さて、ChromeがIEの牙城を崩すのか、と言えば、現状ではありえない。だってfirefoxはイノベーションでIEの先を走ることが多いんだけど、firefoxのシェアはまだ2割前後。優れているから普及するというわけじゃない。ほとんどのユーザーは、ウェブを見れるという程度で十分満足で、その程度の使い方ならパソコン買ったときについてくるIE使うだけでいいし、firefoxをダウンロードするのも面倒・・・。普通はそういう感じなんでしょう。

今後Googleがウェブ上のアプリを強化させ、簡単に無料ですごいものが利用できるようにして、「これらのアプリを利用するにはChomeが必要です」となれば、Chromeが普及する可能性はある。
でもChromeのシェアを伸ばしたいというより、Chromeを技術革新の先導者にさせてオープンソースで技術を他のブラウザにも提供し、1)蓄積されたユーザー情報をベースにした「おもてなし」を実現するウェブの時代、2)アプリが個々のパソコン上にインストールされていた時代からウェブ上にアプリが存在する時代へ、一気に時計の針を進めたいのだろう。