« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

アメーバブログが急成長、だってさ

netratingsからリリースが送られてきた。

芸能人・有名人ブログが貢献、「アメーバブログ」の利用者数

人気の上地雄輔ブログは家庭のパソコンだけで128万人が訪問

~ニールセン・オンライン、2008年5月の月間インターネット利用動向調査結果を発表~

ネットレイティングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:萩原雅之)は、ニールセン・オンライン(Nielsen Online) が提供するインターネット利用動向調査「NetView」の2008年5月データをまとめました。
それによると、サイバーエージェントの運営する「アメーバブログ」の利用者数、ページビュー数が今年に入って急成長しており、5月も利用者数が1328万人、ページビューが4.7億PVと最高値を大きく更新したことがわかりました。アメーバブログは芸能人・有名人ブログの運営で知られており、人気タレントのブログへの訪問が貢献したと思われます。

ほんの数年前に「ブログホスティングでどうやって儲けるんだ」というような議論をしていたのがウソのよう。

 「ポータルの時代」から「検索の時代」へ、そして「ソーシャルメディアの時代」に移行しているのだなとつくづく思う。
 非常に多くの人が集う場所でのマネタイズに成功した企業が、それぞれの時代の覇権を握ってきた。ポータルで人を集めバナー広告でマネタイズしたヤフー!、検索で人を集め検索連動型広告でマネタイズしたグーグル。
 そして今、ソーシャルメディアに非常に多くの人が集まり始めた。ソーシャルメディア時代のマネタイズ手法はなんになるのだろうか。ソーシャル広告か、広告マーケットプレースか、行動ターゲティングか・・・。そしてマネタイズに成功する企業はどこになるのだろうか。

twitterからtimelogに乗り換えました

 twitterがあまりに重く、不具合が続くので、イカッテ、timelogに乗り換えました。ブログにもtimelogのブログパーツを貼り付けました。
 twitterのほうがfollowerも多くて情報発信にはいいんだけど、使い勝手はtimelogのほうが細かい部分にまで日本人的なきめ細やかさがあって便利。
 これからはtwitterでは告知のみ、日ごろのコミュニケーションはtimelogですることにします。メモフレ募集中。

Minimap_sidebar それと別件だけど、firefoxのアドオン「minimap sidebar」が非常に便利。
住所部分をマウスでdragして反転表示させたあと右クリックで「サイドバーで地図を表示」を選択すれば、その住所のgoogle mapがサイドバーに表示されるという優れものだ!
 今さら、と思う人もいるかも知らないけど、あまりに便利だったので、つい書いてしまいました。

歌和サクラがすご過ぎる件

「仕事中にニコニコ動画を見てるんじゃないのか!」とか「おっさんのくせにニコニコ動画か」とか思われたくなくて、ニコ動の話題は避けていたんですが、やはりこれはすご過ぎて。

YouTubeに2ちゃんねるがくっついたような感じのニコニコ動画が登場したときも「すごい」と思ったし、音声合成ソフト「初音ミク」を使ってユーザーが楽曲を作って投稿し始めたときも「すごい」と思ったけど、今回はホントに腰抜かした。これは本当にすご過ぎる!

初音ミクで人気の「メルト」って曲を本当の人間が歌い、本当の人間が楽器を奏で、アップしたものをだれかがミックスした。会ったこともない人たちがニコニコ動画を通じて作品を完成させたんだ。

ちなみにボーカルの歌和サクラさんは、両親と姉がアーチストの音楽一家に育ち、現在未成年で学生らしい。ネット上の活動とリアルな自分を別にしておきたいということで匿名だが、オリコンのメール取材に応じている。

表現は人間の根源的欲求であり、ソーシャルメディアはその欲求を満たす形で作られているので「今後、爆発するのだ」と拙著「爆発するソーシャルメディア」に書いたけど、本当にすごいね。人間のクリエイティビティって。

戦略は「顧客の声」、例外はアップル

 米国で元気のいいネット企業に「今後の戦略は?」と質問すると、「戦略などない。顧客の声を聞くだけだ」と返ってくることが増えてきた。
 3月に取材したウェブ解析大手Omnitureの米国ソルトレークでのOmniture Summitでも、最終セッションは、3000人が入る大きな会場でユーザーの声を聞くというものだった。今後開発を希望する新機能のアイデアがあるユーザーには挙手の上、発表してもらう。その案に賛同する人が何人いるか、これも挙手で調べる、というものだ。ユーザー3000人を巻き込んだ大「企画会議」である。
 また単独インタビューでOmnitureの CEOのJosh James氏に今後の戦略をたずねたところ「戦略はない。ただ顧客の要望に応えていくだけだ」と返されてしまった。
 6月初旬に札幌で開催されたInfinity Ventures Summitで、Amazon.comのTechnology EvangelistのJinesh Varia氏に同社の今後のクラウド・コンピューティングの戦略をたずねた。同氏は「戦略はない。ただ顧客の要望に応えていくことだけだ」と繰り返した。
 「顧客第一主義」・・・。
 どの企業でも一応はそう言うのだが、本当に顧客第一主義を実践している企業にこれまであまり出会ったことがなかった。ある企業の顧客窓口担当者と本音トークをしたことがある。彼は「電話してくるようなヤツは人は、クレーマーとかエキセントリックなヤツらが中心。特に気にすることないんですよ」と、語ってくれた。顧客第一主義を掲げながらも、実際には顧客の本当の声を聞くということはそう簡単なことではなかったわけだ。
 ところがインターネットというコミュニケーションツールの普及で、顧客の声が拾いやすくなってきた。まだまだ工夫は必要だが企業と顧客のコミュニケーションの敷居はかなり低くなったと言っていいだろう。そこで顧客の本当の声を拾うことに成功し始めたネット企業から順番に、「顧客の声を聞くこと」を戦略の中核に置くところが増え始めているわけだ。
 「改善力」が20世紀の企業の競争力の源泉だったが、「コミュニケーション力」が21世紀の企業の競争力の源泉になる、といわれる。本当にその方向に進みつつあるのだと思う。

 一方でアップルは、スティーブ・ジョブスという天才が戦略を一人で決めている会社だ。「顧客の声」で戦略を決めているわけではない。しかし成功を収めている。
 スティーブ・ジョブスは、時代がどのような製品を求めているのかが、インスピレーションとして浮かんでくるのだろう。「天の声」が聞こえるわけだ。
 「顧客の声」戦略と「天の声」戦略のどちらが優れているのだろうか。

 ほとんどの企業には、スティーブ・ジョブズのような「天の声」を聞くことのできる天才経営者がいるわけではない。そこで秀才経営陣が合議制で戦略を決めてきた。「自分たちの声」をまとめてきたわけだ。
 しかしコミュニケーションツールの発達で、「顧客の声」を集めることが可能になった。「天の声」が聞こえない企業にとって、「顧客の声」戦略のほうが「自分たちの声」戦略よりも効果があることが証明され始めた。それが情報化社会へ向けた移行期の中で、今われわれが立っている場所なのだと思う。
 Googleページランクや行動ターゲーティング、ウェブ解析、ブログ解析など、「顧客の声」を解析するテクノロジーは今後も次々開発されるだろうが、「顧客の声」の解析結果をどこまで「天の声」に近づけることができるのか。これがこれからのテクノロジー企業の命題だといえるだろう。

月アス8月号を読んで日本の未来に思いをめぐらせる

 愛読している月刊アスキーの今月号の中で一番興味を持ったのが「誰が日本のネットを殺すのか」という特集。まるでだれかの本みたいなタイトル(笑)。このままでは情報化社会に入ったアメリカと、工業化社会から抜け出せない日本の差が広まるばかりだと心配しているんだけれど、この問題を真剣に考えているメディアにほとんど出会ったことがない。そういう意味でこの企画を考えた編集者はエライ!と思う。
 その企画の中でも秀逸だったのが池田信夫氏の特別寄稿「ITゼネコン構造がイノベーションを阻む」だ。制度改正で正社員と非正社員の差別をなくし、正社員が過剰に保護されている「格差社会」を変えなければ日本でイノベーションは起こらない、という主張にイタク共感した。
 でもコガイ氏、遠藤氏、仲俣氏という3人のオピニオンリーダーによる鼎談は、あまりまとまりがなかったように思う。問題意識を持った編集者が、3人に個別にインタビューし、それぞれの考えを徹底的に引き出したほうがよかったのかもしれない。
 「国内から革新的なサービスが出ていない」という司会者の指摘に対し「そもそも日本から出せというのが議論としておかしい」というダンさんの切り替えしが一番面白かった。
 確かに日本がインターネット産業の最先端を走る必要性はないのかもしれない。優秀な日本人は、既に多くの人がそうであるように、シリコンバレーに行けばいいだけ。そこで、日本にこだわらずに、世界に貢献することを考えればいいだけなのかもしれない。
 シリコンバレーの中の熾烈な競争を勝ち抜いてきた標準技術に乗ることで、ローリスク・ローリターンなビジネスを国内で展開することが日本人には向いているのかもしれないな、とも思う。もちろん大きな成長は期待できないけど、少子化で人口減の傾向にあるので、それなりにやっていけるのかもしれない。好むと好まざるに関わらず、それが日本の将来のような気がしてきた。そんなことで満足していれば、「モーレツ」に仕事してきた団塊より上の世代の先輩たちに怒られるかもしれないけど・・・。うーん、よく分からない。この問題は、しばらく考えてみることにしよう>自分。

6/28(土)上智大で講演します

 最近学生さんたちと話す機会があるたびに思うのは、びっくりするくらい世の中のことを知らないということ。就職活動には非常に熱心なのはいいのだが、その前提となるべき情報をあまりにも持っていない。
 これから工業化社会から情報化社会へ移行するのだということも、はっきりと理解していないのではないだろうか。せっかくこれまで一生懸命勉強してきた真面目な学生でも、何も考えずに斜陽産業の有名企業に就職を希望したりしている。
 50年前に学生に最も人気のあった企業が鉱山会社だったといわれるが、今は過去50年以上に大きな変革の時代である。多くの学生が希望するような有名企業に就職した人は、50年前に鉱山会社に就職した人以上に激動の人生を送ることになるだろう。
 そこで学生や新社会人たちにもっと情報化社会の大きな潮流を知ってもらいたいと思い、学生団体LabIT(ラビット)を支援することにした。
 そのLabITの格安(!)セミナーが6/28(土) 17:00~18:30に上智大学で開催される。今回のテーマは「SaaS」。わたし以外にもsalesforce.comから講演者を迎えるそうだ。参加費は学生がなんと500円!ヤスッ!!
 セミナー後の懇親会も楽しみです。社会人のみなさんも、大歓迎。学生たちに懇親会で刺激をいっぱい与えてあげてください!
 セミナーのページはこちら。

やっぱりジャーナズムはおもしろい-「働く、編集者」(加藤晴之著)

 30代のころだろうか。「新聞記者ほどおもしろい仕事はない」と思っていた時期があった。社内の記者とはもちろん他社の記者と議論するのも大好きだったし、「記者以外の職種の人とは目指すものが違うので友達にはなれないのではないか」と思ったこともある。
 今は反対に、社内や業界内の飲み会にはほとんど出席しないし、「ジャーナリズム」という言葉を口にする人からはできるだけ距離を置きたいと思っている。今でも「新聞記者はおもしろい職業の1つである」とは思っているけど・・・。
 何が自分を変えたのだろう。
 恐らく数多くの自称「大物ジャーナリスト」に幻滅し続けてきたからだろう。「あなたにはジャーナリズムを論じてほしくない」という人たちが数多く存在するからだろう。
 加藤晴之氏は「ジャーナリズム」という言葉を口にするジャーナリストである。それはそうなのだが、加藤氏は「ジャーナリズムは不滅である」などといった理想論を吐くわけでもなく、霞を食べて生きている「“天上人”ジャーナリスト」でもない。「週刊現代」の名物編集長として、訴訟覚悟のキャンペーンも展開してきたし、販売部数にも気配りしてきた。覚悟もできているし、現実を見ることもできるわけだ。

 本の中で加藤氏が指摘しているように紙ベースのメディアは今、非常に苦しい変革期を迎えている。わたしは記者や編集者、カメラマンの今後の選択肢は2つしかないと思っている。1つは自分のスキルを徹底的にみがき、マーケットの急激な縮小の中においても生き残るプロ中のプロになるという道。もう1つは、カメラマンならカメラ教室の講師になるというように、自分のスキルを生かして周辺の産業に移動する、という道だ。
 前者の道を選択した人にとって、この本は非常に役立つノウハウが満載されている。覚悟もあり現実を見ることのできる加藤氏が、記者や編集者向けに自分の持つノウハウを洗いざらいぶちまけた本なのだから、ベテラン記者や編集者にとっても役に立たないわけがない。自分の行動の指針を「公共性」におくべきだ、という加藤氏の主張を忘れずに、ジャーナリストの道をまい進していただきたい。
 さて腰抜けのわたしは、後者の道を選択したわけだが、そんなわたしにとっても久しぶりにジャーナリズムのおもしろさを感じさせてくれた本だ。見た感じ硬派で恐そうなんだけど、大阪人の茶目っ気もあり、人間に対する愛情も豊富。そんな加藤氏の魅力をそのまま詰め込んだような本になっている。

ブログが壊れる恐怖のブログパーツだ、これは

AMNを通じて広告のブログパーツの貼り付けの打診が来たので、2つ返事で、右下にあるような映画「ハプニング」の広告ブログパーツを貼り付けた。張ってからブログパーツ配布用のウェブページを読みに行ったんだけど、そこは次のような一文が・・・。

地球に一体何が起こっているのか?地球規模の“異変”の第一の兆候は「言葉の錯乱」、第二の兆候は「方向感覚の喪失」、そして第三の兆候は「死」――。 ハプニング・ブログパーツでは、この“ハプニング”を疑似体験できます。

なんか恐そうなんですけど・・・。
貼り付けたあとブログパーツの部分を恐る恐るクリックしてみた。ブログパーツの中が変化するのかなと思っていたら、何も変化が起こりそうもない。
なんだこりゃ、と思っているうちに、しばらくするとブログ本体に文字化けが・・・。うわっブログが壊れ始めた!
なんなんだよ、このブログパーツ。恐すぎなんですけど。

そして7月26日(土)の公開日、あなたのブログにさらなる“ハプニング”が起きる……! 衝撃のブログパーツを今すぐ貼りつけよう!

なんなんだよぅ、何が起こるんだよぉ、恐いよう。

これだけは押さえておきたいweb近未来予想図

 メディアの近未来はどうなるのか。広告の近未来はどうなるのか。こうしたテーマで取材を続けてきたのだが、今年春の米国取材を経て、広告の近未来がはっきりと見えた。

 そしてその近未来は、予測していたものとあまりに大きく異なったため、米国取材前の原稿をすべてボツにしたのだ。(ボツにした未完成原稿

 さてその近未来像なのだが、広告という定義では到底語れないものに変貌するというのが結論である。その近未来はマーケティングプラットホームという形で姿を現し始めており、そのプラットホームはグーグルでさえ1社で牛耳れない世界になりつつある。

 このことは書籍としてまとめるつもりなのだが、その前にそのエッセンスを「Web STRATEGY」という雑誌の特集記事「これだけは押さえておきたいweb近未来予想図」として寄稿することにした。

 予測のベースになっているのは1つには、ハーバード大学クラーク・ギルバート教授の「急速な技術革新に見舞われた業界は1つの法則性を持って推移する」という主張である。新しい技術は、古い技術に一挙に取って代わるわけではなく、古い技術がリーチしていないような周辺部分のニーズから徐々にシェアを伸ばしていき、古い技術の売上高が減少し始めるころには既に勝負はついている、という説である。
 予測のもう1つのベースは、歴史的大変革期には競争のルールが変わるという経験則である。競争のルールは、個人的技量をベースにした個人戦から、テクノロジーを使った組織戦に変わる、という説である。
 この2つをベースにして考えれば、広告とは呼べないようなグレーな部分の領域で起こっているテクノロジーをベースにしたような組織戦が、最終的には従来からある広告の市場を侵食することになる、という予測が成立する。
 その近未来の姿の先行例を1つ挙げれば、キーワード広告の自動入札ツールがある。アーキテクチャーを最初に考えておけば、あとは自動的に最適化された広告が配信される、というものだ。
 こうしたテクノロジーが次々と登場し、漫画サザエさんに登場する三河屋さんのようなきめ細かなコミュニケーション、サービス、セールスが自動的に展開できるようになるのだと思う。
 そうしたテクノロジーは1社で提供されるのではなく、複数の社が連携することで実現し始めている。それがマーケティングプラットホームである。
 今のところ、そのプラットホームの核になっているのは、salesforce.com、omniture、doubleclickである。
 その辺の最新の動きを、特集記事にさせてもらっている。

 ウェブの近未来予想図のネタばらしをすれば、「出版プラットホームとしてのウェブの時代は終わり、マーケティングプラットホームとしての時代に突入しようとしている」ということになる。詳しくは今週発売のweb starategy誌か、今秋ソフトバンク・クリエイティブから刊行予定の書籍を読んでいただきたい。





2008年6月のオレ的仕事術

 「なんとかの仕事術」というライフハック的な本が結構でているけど、これだけネット周りの技術革新が早いと具体的な仕事術もころころ変わる。某氏も仕事 術の本の中で「スマートフォンを活用すべき」とか書いていたのだが、本の出版から2ヵ月後にあったら普通のケータイを持っていた。「あれ、スマートフォン は?」って聞くと「gmailがケータイで利用できるようになったんで買い換えました」って言っていた。そうなんです、仕事術って今はすぐ陳腐化してしま うんです。
 仕事術ってそういう意味じゃ、書籍向けのテーマじゃないんじゃないの?って思う。でも他の人がどういう風に各種ツールを使っているのって結構気にな るし、互いに教えあうのはいいんじゃないのかなと思うので、これから新しい仕事術に切り替えるたびにエントリーにしてしまおうかと思っています。
 ではまずは最近変更した仕事の仕方について書いてみたい。

▼ミニノート買ってからRSSリーダーをGoogle Readerに

 まずRSSリーダーをGoogle Readerに代えてみた。僕はデスクに座ってRSSリーダーを読むというのがあまり好きじゃない。できれば寝転がってRSSフィードを一気読みしたい。 そこで今までは、NewsGlueという有料のRSSリーダーで集めたフィードをOutlookに転送し、それをDellのPDAに転送してPDAで読ん でいた。
 なんでそんなことしていたのかというと、通勤経路の一部に地下鉄があり、電波が届かない場所でオフラインで読むのでケータイは使えない。PDAなら記憶 データ容量がケータイより大きいので、データをダウンロードしておける。それでPDAに転送するにはOutlookの受信箱を使うしかないし、 Outlookの受信箱にRSSフィードを飛ばすのにはNewsGlueしかなかった。
 でも工人舎のミニノートを PDAの代わりに使い始めたので、別のRSSリーダーを探していた。そこでいろいろ試したんだけど、やっぱりGoogle Readerがよかった。Google ReaderはGoogle Gearsというツールでウェブ上Google Readerとミニノートを同期してくれる。つまりデータがミニノート側にダウンロードされ、オフラインでもRSSリーダーが利用できるわけだ。これなら 地下鉄の中でもRSSフィードを読むことができる。
 それにGoogle ReaderにはAutoPager機能というんだろうか、スクロールしていけば次々とデータが付け加えられ、「次へ」をクリックする必要がないという機 能がついている。「サグール」なんかについている機能だし、FirefoxのアドオンにもAutopagerというのがあって、自分で好きなページを autopageに改良できる。これは検索結果のページについていてももちろん便利なんだけど、検索結果のページを次々とめくっていくことってあまりない。最初のほうのリストにアクセスするから。
 一方で、RSSリーダーやtwitterなんかは、次々とデータに目を通したいもの。ページの残り3分の1くらいになると、クリックしなくても次のページ が自動的にロードされるって、本当に便利。情報収集時間をかなり短縮してくれている。
 特にミニノートの小さな画面で読むときに、autopageは本当に重宝する。

▼友人・知人のブログはエルカミノリアルの「ECreal reader」で

 仕事の情報収集にはGoogle Readerがいいんだけれど、友人・知人のブログを読むのにはケータイ向けRSSリーダーの「ECreal reader」(エルカミノリアル) を使っている。仕事用の情報をクリップしたり、コピペしたりすることが多いのでミニノートやパソコンを使いたいんだけど、友人・知人のブログは気分転換や電車待ちなどのちょっとした時間に行うので、ケータイのほうが便利。
もちろんほとんどのRSSリーダーはケータイでも利用できるようになっているんだけれど、「ECreal reader」はケータイ用に考えて作られているので何かと便利。フィードそのものを読むには、別のRSSリーダーでもいいんだけど、フィードは本文の一 部という場合は、元のブログにアクセスしなければならない。ブログをケータイ用に変換したりしてくれるんだけれど、左コラムから順に表示され、肝心のエン トリー本文にたどりつくまでに何回もクリックしなければならない。
 その点、「ECreal reader」ルは、本文をすぐに表示してくれる。これがすばらしい!
 やっぱりケータイ向けにつくってあるので、細かなところまで気配りができているんだ。
 ついでにケータイの検索はエフルート を利用している。やはりケータイ向けなんで、細かな部分がよくできている。

▼工人舎はやはりいいが、画面の解像度が残念

 工人舎の6万円弱のミニノートを買って2週間。やはり買ったのは正解だったが、解像度が「800x480」(通常モード)と低いのが少々難点。横スク ロールが出てくるぐらいはいいのだが、ページによっては画面の下のほうのボタンなどが表示されなかったりする。Picassaでコラージュを作ろうとした ら、「作成」ボタンが表示されない。ヘルプを見れば「作成」ボタンをクリックするように書いているのに・・・。で、F1ボタンを押してプレビューモード (1024x600)に画面を切り替えると「作成」ボタンが出てきた。プレビューモードでは画質が荒くて使いものにならないので、いつもは通常モードで表 示し、ボタンが表示されなければプレビューモードに切り替えるということをしている。少々不便。
 工人舎も上位機種なら1024x600もあるみたいだけれど。
 でもそれ以外では満足しています。やはりEeePCよりも断然いいと思います

▼エンタメはiLuvとiPod

 ということで仕事関係は、メーンPCとケータイ、ミニノートが3種の神器。メーラーはgmail、スケジュールはgoogleカレンダー。両方ともケー タイでも利用している。ミニノートにはe-mobileのコンパクトフラッシュのデータ通信カードを挿し、自宅の光回線は解約してe-mobileの10 メガADSLに乗り換えた。
 一方で、娯楽系は、相変わらずiPod第五世代でお笑い番組を見ている。iLuvを使って「すご録」に録画したお笑い番組をiPodに転送するのは本当に簡単で便利です。





iPhoneに関するCnetのオンライン討論がおもしろい件

CNETでやっているオンライン・パネルディスカッション「iPhone 3G、日本のモバイル業界を変えるか」がおもしろい。小川浩さんや、後藤康成さんなどの有名人がコメントを寄せている。いい企画だなあ。こういうやりとりがskypeを使ってpodcastで、できればおもしろいのになあ。
さて個人的には、ユビキタスエンターテイメントの清水亮さんのコメントが一番共感できた。

モバイル業界とほとんど関係ない方のコメントばかり目立つので、そのあたりに違和感を感じますが、iPhoneはモバイル業界から遠ければ遠いほど魅力的に映るでしょうね」

「iPhoneに熱狂している人って、PC領域の人でしょ。しかも割りと年齢の高い・・・。モバイルのコアのユーザー層とはちょっと違う人たちじゃないのかな」ってことを言ってるんだと思う。違うかな?

 

ケータイのフルブラウザで我慢していた人たちは飛びつくと思いますが、ケータイのフルブラウザを使う人というのがそもそも多くありません。

モバゲータウンが出来ないというただそれだけの理由でiPhoneを選択しない人もいると思います。

個人的にはiPhoneは大変面白いし期待もしていますが、日本のモバイル業界を根底から覆してしまうほどのパワーを持っているとは思えません。

僕も、googleのサービスが次々とケータイで利用できるようになっているし、工人舎のミニノートを買ってからは、windows mobileは持ち歩るかなくなった。もちろんwindows mobileとiPhoneは違うんだけどさ。
言いたいことは、カバンのないときはケータイでネットアクセスするし、カバンを持つときはミニノートがあるので、その中間に位置する機器は機能が中途半端なんで不要になったということなんだ。
ということで多分iPhoneを買ってもそれほど利用価値はないと思っている
それにモバイルのコアのユーザーは、iPodのユーザーとは大きくかけ離れている。このブログでポッドキャストをやっているから分かったんだけど、ポッドキャストのユーザーの大半は30代と40代。詳しい人に聞いたら、iPodのメインユーザー層がやはり30代と40代なんだそうだ。ということで清水さんに一票!

僕もミニノートを買ったばかりだし、iPhoneは買わないだろうなと思っていたんだけど、iPhone発売のニュースを聞いたら、やっぱり欲しくなってきた。

あーこの物欲が、この物欲がわたしをダメにするー!。

そうです、ワタクシはPC領域の人間ですし、割りと年齢も高いですが、それが何か。


107分もスピーチを聞く必要はありません。60秒で分かるSteve Jobsのスピーチ

IVSに参加して大阪商人の血が騒いだ件

 実は父親を含む周りの大人のほとんどが大阪商人という環境の中で育ったものだから、小さいころから自分はショーバイ人になるものだと信じきっていたワタ シ。実際にショーバイを試したこともあるのだが、仕入先からはできるだけ高く買ってあげたいし、客にはできるだけ安く売ってあげたくなるので、商売に向い ていないことが判明したのでした。それでもネットビジネスの経営者が集まるInfinity Ventures Summitに出席し、数多くの起業家に囲まれたものだから、久々に大阪商人の血が騒いだ。
 以前からこのアイデアさえ浮かんだら、起業したいと思うアイデアがある。それは、ソーシャル広告。ソーシャル広告は市場規模でキーワード広告を超える、つまりソーシャル広告で成功すればグーグルを超える可能性があると以前から考えていて、MarkeZineの記事「3-5年先はソーシャル広告の時代」 に書いたようにIVSの海外スピーカーが同様の考えを持っていたものだからIVSから戻ってからもソーシャル広告のことばかり考えている。
 記事の中にあるようにソーシャル広告には2種類考えられて、友人間の推薦行為の横に関連する広告を表示する、というものと、ネタになる形で商品プロモを行う、というもの。ワタクシが興味あるのは前者。
 で、それってよくよく考えたらアフィリエイトみたいなもの。それで以前からアフィリエイト広告には関心があるのだけれど、自分がブログを持ってアフィリ エイトの真似事をやってみると、ちょっと違う感じがする。今のアフィリエイトって、お小遣い稼ぎというか、その動機のベースには「金儲け」というのがある 場合が多いように思う。もちろんそうでない人も多いけど、金儲けでやっている人も多く、どちらかというと「金儲け的イメージ」でとらえる人が結構多いんじゃないか。
 金儲けではなくて、本当に友人にいい商品を紹介してあげたいという動機がベースになって、その紹介に伴うトランスアクションの結果として、自分の好きなボ ランティア団体、非営利団体に気軽に寄付できるような仕組みってできないだろうか。バリューコマースと、東京財団あたりが一緒になって、そういう仕組みを 作ってくれないかなあ。
 というか、バリューコマースも東京財団にも知り合いがいるんだから、自分でそういう仕組みを作ってしまってはどうか。とかいろいろ考えているわけです。 IVSに参加したベンチャーキャピタルのみなさん、ワタシに出資しませんか?まだ具体的アイデアは何も浮かんでませんけど・・・。

でも起業家という人たちは本当にポジティブ、ポジティブ。
僕がメディア業界の現状に思い悩んでいることは公然の秘密なんだけど、今の業界関係者からは「フリーになんてなるもんじゃないよ。大変だよ。会社は絶対に辞めちゃだめ」とか言われることが多い。でも反対にISVでは複数の友人から「自分の熱意のままに動くべきだよ」「だいじょうぶ、あなたには応援団がたくさんいるから」「なんだったら支援しますよ」などと言われた。ある人からは開口一番「あれ、まだ辞めてないの?」なんて言われてしまった。なんなんだ、この人たちの「人生ひたむきに前向き!」という生き方は!

日本のネットベンチャーはなぜ世界を目指さないのか

    Infinity Ventures Summitの二日目、というか正式プログラムの初日が終わった。やはり海外の参加者と話していると、いろいろおもしろい。MarkeZine向けのプレイベントの記事にも登場してもらったフランス人実業家でブロガーでもあるLoic Le Meur氏のプレゼンテーションがあった。非常にフランクでひょうきんな人柄は舞台の上で変わらず、本当におもしろいおじさんだ。多分、僕より年下。ショック!

Sany0029  そのひょうきんおじさんの発言にイタク共感するところがあった。「日本の経営者は日本というマーケットだけで満足しているところはないだろうか」とひょうきんおじさんは言う。海部美知さんの言うところのパラダイス鎖国に陥っているのではないか、ということだ。
 フランスのネットビジネスの経営者たちも世界展開を考えている人は少ないという。自分の慣れ親しんだローカルマーケットは心地よいし、マーケット規模もそれなりにある。リスクを背負って違う言語のマーケットに挑戦する必要もないのではないか・・・。
 しかしフランスやヨーロッパのネット企業で世界企業として生き残っているところがあるだろうか。ほとんどすべてのヨーロッパのネット企業は、アメリカのIT大手に買収されているのが現状だ、とひょうきんおじさんは指摘する。テクノロジーは国境を越えるのだ。
 「工業化時代には、日本はニッサン、トヨタ、ホンダ、ソニーなど、世界的ブランドを幾つも生み出した。今、ネットビジネスの領域で世界ブランドになりそうな企業は日本にあるのか」とひょうきんおじさんは問う。

 これは何もネット企業の経営者の問題だけではない。教育や産業界を始め、日本社会すべての問題だ。確かに就業人口や総売上高でみても製造業とネット産業は比較にもならない。ある官僚は「ネット産業なんて日本の産業全体から見れば、ゴミ程度の規模」と語ったらしいが、産業規模を比較すれば確かにその通りなのかもしれない。しかし可能性でみればどうなのだろう。
 時代が工業化社会から情報化社会に移行している、という認識は本当の意味でまだ共有されていないのかもしれない。その認識のもと、日本社会全体として新しい時代に向け自己変革に努めているとは、到底思えないのだ。IVSの記事は不要と会社が判断したことに怒って書いているわけではありません。

IVSのプレイベント

IVSインフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)の取材で札幌にきている。以前はNILSと呼ばれていたイベントだ。

 プレイベントとして海外の参加者中心のディナーパーティがあったので、それから参加したのだが、非常にみんなパワフルだ。こちらまで元気をもらえるようでうれしい。

 取材の結果は、会社の媒体の1つに書くのと、MarkeZineにも特集を組んでもらい連載するつもり。

IVSディナーパーティでいろいろな人と話したのだが、trampolineという企業向けソーシャルグラフ解析のツールを開発したイギリスの会社のCharles Armstrongさんの話が面白かった。
 従業員がこのツールに対して、ブログなどのソーシャルメディアでの活動をどの程度公開するかを設定すると、このツールが自然言語解析なんかを実行して、従業員の中でだれがどのような情報や、スキル、人脈を持っているか表示してくれるのだそうだ。web2.0時代のナレッジマネジメントツールというような感じだろうか。

 工業化社会にはピラミッド型組織が効果的だったけど、情報化社会にはもっとP2P的な組織が向いている、ということは以前から漠然と考えていた。この時代の移り目に際して、多くの企業は、機能しなくなったけれど今すぐに廃止するわけにはいかなくなったピラミッド型の正式な組織と、もっと有機的で非公式な人的ネットワークの両方を維持している。実際に成果を上げるのは非公式な人的つながりであることが多い。
 例えば新しい事業のアイデアは、公式な会議で生まれてくることはほとんどない。たまたまだれかと雑談する中で生まれてくることが多い。
 何か新しいプロジェクトを動かすときも、組織横断的に有志を集めた非公式ワーキンググループでほとんどのことを決め、その決定事項を正式なピラミッド組織である○○委員会で承認するということが多い。
 この有機的、P2P的な組織作りがより簡単にできるようなツールとしてtrampolinが利用されるのだそうだ。
 工業化社会に向いた組織を、情報化社会に向いた組織に変えていくにはどうすればいいのか。こうしたシステムに加えて、全社的な意識変革も必要だと、Charlesさんは言う。

 んー、なかなか面白いテーマだ。これで本を書けないかしら。

 IVSは5日午後から正式スタート。いろいろ面白い話が聞けそうで楽しみ。
 以前はNILSと言えば、国内ベンチャー企業の経営者の集まるイベントというイメージが強かったけど、今回は海外参加者が多いので、海外の情報を得るのにもいい機会になっている。

 海外のイベントに参加しても、他の参加者と情報交換がなかなかうまくいかないことが多い。だって、そうした海外イベントに参加する人の中で、日本の状況に興味のある人はそう多くないから。こちらにあまり興味を持っていない人からは、あまり情報をもらえないんだ。

 でもIVSに海外から参加する人たちは、日本の状況に興味があるからこそ参加している。情報交換も活発になりがちだ。

 IVSは、なかなかいいイベントになってきていると思う。情報化時代においても、日本がアジアのハブでなってくれればいいのだが・・・。微力ながらお手伝いしたいと思っている。

日本でヤフーがこれからも強い理由-ボツにした未完成原稿vol.14

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼ウェブの覇権の歴史

 なぜ広告マーケットプレースがそれほど大きな話なのかを説明するには、 ウェブのこれまでの覇権争いの歴史を振り返る必要がある。ウェブという仕組みが登場しインターネットがビジネスに利用されるようになったのは1990年代 半ばの話だ。ウェブの歴史はまだ10年余りだが、ドッグイヤーといわれる業界だけあって、覇権争いの新しいパラダイムをこれまでに何度か経験しているの だ。
 最初に1つの時代を築いたのは、米ヤフーだった。ニュースや天気予報、ウェブサイトのディレクトリーなど、多くのユー ザーが必要とするような情報を一ヵ所に集めたヤフーのようなポータルサイトは非常に使い勝手がよかった。多くのユーザーがヤフーに集まった。ヤフーはネッ ト上のマスメディアのような存在になったのだ。そのヤフーのビジネスを支えたのが、バナー広告という広告手法だった。ポータルという集客の仕組みと、バ ナー広告というマネタイズの仕組みがカップリングされ、ヤフーはウェブ上の覇者となった。ポータルの時代という1つの時代を築いたのだった。
  その後、2000年ごろにグーグルという検索エンジンが登場した。シンプルなデザインとその卓越した使い勝手が評判を呼び、グーグルのユーザーは急増し た。しかしユーザーが多く集まっただけで1つの時代を築けるわけではない。1つの時代を築くには、その集客の仕組みの成功をマネタイズする仕組みが必要で ある。グーグルの場合、それは検索連動型広告だったわけである。検索エンジンという集客の仕組みと、検索連動型広告というマネタイズの仕組みがカップリン グされて、グーグルは検索の時代の覇者となった。そして今もまだ検索の時代、グーグルの時代は続いている。

▼ソーシャルメディアの時代

  ところがまたしてもウェブに異変が起こった。ソーシャルメディアに人が集まり始めたのである。

ソーシャルメディアとは、一般ユーザーの情報発信によって成 立するサイトのこと。ネット業界内ではCGMなどと呼ばれることも多い。代表的なソーシャルメディアとしては、mixiやYouTube、動画などがあ る。米国では、フェイスブックという名前のソーシャルメディアに勢いがある。
 とはいうものの、まだマネタイズの手法が確立 していないことから、ソーシャルメディアの時代に突入した考える人はまだ少ない。それでもグーグルの次に時代に移行し始めたという言説は、ちらりほらりみ かけるようになった。英調査会社ヒットワイズのThe Impact of Social Networking in the UKの報告書によると、SNSはバイラルマーケティングの主チャンネルとなる

【編注】この部分はあとで書く。

▼従量制が日本のウェブを5年遅らせた

  ところでこうしたウェブの歴史的移行は、日本では少し異なる形で進んでいる。その最大の理由は、日本はネット接続の定額制への移行が遅れたからである。 ネットの商業利用が始まった1990年代半ばの、家庭からのネット接続はダイアルアップと呼ばれる方法が一般的だった。パソコンの電話機能を使い一般電話 回線を通じてネット接続業者のコンピューターに電話をかける、という方法だった。
 同じ市内の接続業者を利用すれば市内通話 料金で済むわけだだが、それでも電話料金体系が1分幾らという日本の場合だと、ネットに接続されている時間が長ければ長いほど料金が膨れ上がる。そこでど うしてもできるだけ早く切断しようという考えになってしまう。いろいろなサイトやサービスを試してみようという気にはなれず、この結果、日本のパソコン向 けサービスの進化を遅らせる結果になった。
 一方で米国の市内電話はネット以前から定額制だった。どれだけ使っても同じ料金なので、ユーザーはあれこれ試し、その結果、ウェヴサービスは大きく進化した。
  日本のネット利用で定額制が主流になったのは、200 年以降に定額制のADSL回線が広く普及してからである。わたしは2000年に米国から帰国したの だが、当時の日本のインターネットは企業がパンフレットのような情報だけをアップしているだけのようなお粗末な状況で、非常に驚いた記憶がある。
  ということで日本のユーザーの多くは本格的にネット利用を始めたばかり。まだポータルを利用するのがちょうどいい段階のユーザーが多いのかもしれない。し かしいずれポータルの情報に飽きたらなくなり、広いウェブの海に乗り出そうというユーザーが増えるのは間違いない。日本は米国の5年あとを進んでいるの だ。

▼日本でヤフーが覇者で居続けられる理由

  多くのユーザーがネットに慣れてくれば、日本でもユーザーがポータルから検索エンジンに流れるはず。事実、ネット視聴率調査のネットレイティングスによる と、日本でもグーグルの利用者は増えている。この傾向が続けば、検索の時代、グーグル覇権の時代が日本にもくるはずである。
 しかしそうはならない、とわたしは考えている。3つの理由でヤフージャパンはこれからも有力プレーヤーであり続けるだろう。
  1つはヤフーオークションの存在である。日本のネットオークションのナンバーワンサイトであるヤフオクこそ、参加ユーザーが増えれば増えるほど利便性の高 まるソーシャルメディアなのである。検索の次の時代となるソーシャルメディアの時代を戦うのに必要な集客の仕組みをヤフージャパンは既に持っているのであ る。
 2つ目はオープン戦略である。
 もう何年も前の話になるけど、マスメディア企業は個人情報の管理業務を基幹業務にすべきだ、というエントリーをブログに上げたことがある。そのエントリーには、新聞関係者から「そんなことは新聞がすべきことではない」という反論のコメントが寄せられていた。
 しかし従来型のマスメディア企業に代わってネット上の新興メディア企業は、個人的な情報の管理業務が基幹業務になりつつあるようだ。
 ヤフー・ジャパンは、できるだけ多くの情報を自社サイトに集めることで、ユーザーに自社サイト内を巡回してもらい自社サイトのページビューを上げる戦略を取っていたが、最近では他社の友好サイトにユーザーを流すオープン戦略に切り替えている。
  ちょっと横道にそれるが、ヤフーなどのポータルは、ポータル(玄関、入り口)という名前が示す通り、90年代半ばはユーザーがネットにアクセスする際の最 初のページになる戦略を取っていた。検索やディレクトリーがサービスの中心で、他のサイトを紹介する「案内サイト」的な存在を目指していた。
  それがある時期から、あらゆる情報を自社サイト内に抱えるようになり、できるだけユーザーを自社サイト内で巡回させるように努めた。ネット上のほかのサイ トへの案内窓口ではなく、自社サイト自体が最終目的地であることを目指したのだ。広告ビジネスで収益を上げるには、ユーザーに自社サイト上のページを繰り 返し見てもらうことが有効だからだ。米国でもそのころからポータルは「玄関」ではなく「デスティネーション(最終目的地)」に変わった、という論調が目立 つようになった。
 そのポータルが再び、他のサイトへユーザーを流し始めたわけだ。
 具体的に は、ニュースサイトなどの情報サイトからコンテンツを提供してもらう一方で、それぞれの提供コンテンツの関連情報としてリンクを掲載することを情報サイト 側に認めたのだ。例えば時事通信の配信記事がヤフー上に表示された場合、その記事の下に関連情報として数個のリンクが表示されている。そのうちの一つをク リックすれば、ユーザーはヤフーから離れて、時事ドットコム上の記事にアクセスする仕組みになっている。時事ドットコムのようなサイトにとっては、ヤフー から膨大なアクセスが流れてくるわけで、非常にありがたい話だ。しかし、ヤフーにとっては、ユーザーを他社サイトにみすみす逃がすことになる。
 なぜそのような戦略転換に出たのか。

▼メディア企業から広告企業になったヤフー

 それはユーザーを流した先の情報サイトにヤフーが広告を配信する契約を結んでいるからだ。そして広告配信料としてヤフーにも広告料金の一部が入る。ヤフーはメディア会社でありながら、広告配信会社でもあるわけだ。
  ヤフー・ジャパンが、こうした広告配信業務を始めたのは、2006年のこと。最初はITmedia、Impress Watchと始まったこの業務は、2007年10月には産経イザ!、毎日jpなども参加し、24サイトになっている。こうした友好サイトをヤフーは、 「Yahoo!メディアネットワーク」のパートナーと呼ぶが、パートナーはもちろん今後も増やしていく方針だ。
 パートナー サイトにとってヤフーの広告配信を受けるメリットは、関連リンクでヤフーから流れてくる膨大なアクセス件数だけではない。配信される広告自体が非常に効果 が高く、広告収入増大につながるというメリットも大きい。広告効果が高いのは、ヤフーが行動ターゲティングという技術を使っているからだ。ヤフーは同技術 を独自に開発し、2006年から本格的に広告配信に応用している。
 行動ターゲティングとは、ユーザーがどのような情報にア クセスしたかを記録することにより、そのユーザーの属性を把握することだ。そうすることによって、その属性に沿った広告を配信することができる。例えば、 あるユーザーが自動車に関する情報にアクセスすれば自動車に関心のあるユーザーということが分かる、ということだ。そのユーザーが子育ての情報や中学受験 の情報にアクセスしていれば、子供が成長し、より大きな車への買い替えを検討している可能性がある。そのユーザーに向けてワゴン車の広告を打てば、効果が 高いのは当然だろう。
 ヤフーの強みは、非常に多くのユーザーと非常に多くの情報を抱えていることである。この強みを活か し、ユーザーのヤフー内での行動履歴という個人的な情報から、ユーザーを900ものユーザーカテゴリーに分類している。しかも2007年7月からは、ヤ フーが持つ属性情報と組み合わせることによって、より細かなセグメント化が可能になっている。例えば、コスメ情報にアクセスしたユーザーのうち、ヤフー IDの登録情報から20代の女性だけを抜き出して、20代向けコスメの広告を打てる。あるいは、マンション情報にアクセスしたユーザーのうち、ID登録の 際に入力されている郵便番号や利用しているパソコンからのインターネット上の住所(IPアドレス)などの情報を組み合わせることにより、新築マンション購 入意欲のある大阪在住のユーザーを特定することも可能だ。
 属性を特定したこれらのユーザーがパートナーサイトに飛んだとしても、そのパートナーサイト上で、20代女性向けのコスメの広告や、大阪近郊の新築マンションの広告を表示することができる。当然、広告効果は高く、パートナーサイトの広告売上も向上するわけだ。
 こうしたターゲットされた広告だけではなく、ヤフーはヤフーIDや、オンライン決済サービスのヤフー・ウォレットなどのサービスも、パートナーサイトに公開していく方針だ。
  パートナーサイトは、ヤフーIDやウォレットを自社サイトで利用可能にすれば、自社でID登録機能や決済機能を設置する必要がなくなる。そしてなりより も、ユーザーの個人情報を抱える必要がなくなるわけだ。個人情報の流出がスキャンダルとして大きく報道される時代である。できれば個人的な情報を持ちたく ない、恐くて持てない、というサイトが増えている。自分たちだけではその情報を利用してターゲット広告を打てないのであれば、なおさらである。ヤフーは、 そうしたサイトに変わって個人的な情報を管理し、個人的な情報に基づいてターゲットされた広告を配信していくわけだ。

▼eプラットホームの実態

 わたしが何年か前に考えた、これからのマスメディアの基幹業務をヤフーが担い始めたわけだ。グーグルも同様に、検索キーワードなどの情報に基づいてユーザー属性を把握して、属性に合った広告を表示しているし、他社のサイトやブログにまで広告を配信している。

  つまりこれからの時代のオンラインのマスメディアとは、行動履歴のような個人的な情報を管理し、その属性にあった広告を他社に配信するメディア企業のこと を指すようになるのではなかろうか。マスメディアの基幹業務は、個人的情報管理業と広告配信業になるわけだ。その2つの業務を提供する企業だけが、これか らのオンラインのマスメディアであり、それ以外のメディア企業は、ターゲットメディア、ミドルメディア、ニッチメディアと呼ばれるようになると思う。

  なぜなら個人的情報管理業と広告配信業で、収益を上げることができるのは、非常に多くのユーザーにリーチし、非常に多くの情報を扱うメディア企業だけだか らだ。また逆に言えば、多くのユーザーと情報を持つマスメディア企業のビジネスモデルは、個人的な情報の管理業と広告配信業が最も有望だからだ。

 日本では今のところオンラインのマスメディア企業への道を歩み始めたのは、ヤフー、グーグルだけ。ただmixiもその方向に動く気配を見せている。
  日本のマイクロソフトは、MSNを優良コンテンツを集めたサイトにする考え。ミドルメディアを指向しているわけだ。ただ米国マイクロソフトは、個人的な情 報の管理業務、広告配信業務に乗り出した。米国からの指示で日本のマイクロソフトもオンラインマスメディアへの道に進む可能性は高い。
 日本でヤフージャパンが有力プレーヤーであり続けるであろう3つ目の理由は、ヤフージャパンが日本企業であるということ。ソフトバンクの連結子会社であるということだ
このことはあとで詳述したいと思う。

序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10
受動的消費者が能動的になるとき-ボツにした未完成原稿vol.11
セカンドライフ内の広告に期待-ボツにした未完成原稿vol.12
広告マーケットプレース-ボツにした未完成原稿vol.13

ビートルズ来日中

グループサウンズ

石黒さんの本が84冊売れた件

 このブログのアマゾンアフィリエイトを通じて、5月後半の2週間で石黒さんの言われた仕事はやるな! (朝日新書)というむちゃくちゃなタイトルの本が84冊も売れた。
 別に石黒さんの本をほめちぎったわけでもない。どちらかと言えば、本のテーマから離れて僕自身の単なる妄想を書いただけなのに。どうしてそんなに売れたんだろう。僕自身の本でさえ、このブログを通じてはそんなに売れなかった。ブツブツ・・・。お小遣い程度だけどアフィリエイト収入が入ったからいいんだけどさ、ブツブツ・・・・。どうして僕の本はあまり買ってもらえないんだろう、ブツブツ・・・・。