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EeePCより工人舎SAの方が断然いい!

【注】3週間使った感想を追記として、一番最後に書きました。

とうことで買っちゃいました!工人舎のミニノート。Officeがプリインストールされていないほう。5万9800円なり。
使ってみた感想はというと、これは本当にいい!
買う前に1万円安いEeePCとの間でちょっと迷っていたんだけど、ちょっと前にコンパクトフラッシュ型のイーモバイルの通信カードを買ったばかりだったから、コンパクトフラッシュが使える工人舎しかないかなって感じだった。でも買ってみて思ったのは、工人舎にして本当によかった、てこと。だってやはり現状ではまだまだローカルストレージは要りますよ。
EeePCにはほとんどデータ記憶容量はない。アプリにしろデータにしろ、インターネット上のものを使おうという考え方なんだろう。確かにその方向に世の中は動いているのだろうけど、だからといってパソコン上にほとんど記憶スペースのないパソコンはまだ時期尚早。現状では使えない。だってiTunesだってインストールしたいし、Firefoxだって、そのプラグインだってどんどんインストールしたい。せっかくWindowsXPが搭載されているんだから普通のパソコンのように普通に使いたい。

やっぱり使ってみて、windowsXPが普通に使えるってことはすごいことだと思う。今までモバイル機器をいろいろ使ってきたけど、モバイル機器はいろいろ制限されるのが普通だと思っていた。

windows mobileだって、買ってしばらくはいいですよ。最新機能がついているから。でもその後は当然のことながら機能の拡充はない。新しい機能が欲しければ、新しい機種に買い換えるしかない。ブラウザはnetfrontブラウザを購入すればいいんだろうけど、それでもその進化の速度って普通のインストール型アプリの進化と同じ。オープンソースで世界中のプログラマが寄ってたかって改良を続けているfirefoxに勝てるはずもない。
そこでしばらくするとPC上のアプリの使い勝手はどんどんよくなる。googleは次々新しい機能を提供してくるし。モバイル環境とPC環境との差がどんどん拡大していくわけだ。僕はただ「モバイルだから仕方がないか」と諦めるしかなかった。
でも工人舎もサイトで「どんなに携行性に優れていても、どんなに小型軽量でも、普段使っているデータ、ソフトが使えないOS、制限を受けるOSでは意味がありません。WindowsXPが普通に使えるモバイルギア、工人舎のこだわりです」って言ってるけど、「モバイル環境はいろいろ制限があって当たり前、多くを望んではだめ」と諦めていた人間にとって、普通にwindows、firefoxが使えるってことがこんなにすばらしいことだったとは思わなかった。

初めは、完璧クラウドコンピューティングを目指そうと思ってeePCも検討したけれど、工人舎にしてよかった。

で、どうしてoffice非搭載のほうにしたのか、というとofficeはそれほど使わないから。ネット接続があればgoogle docs使えるし、google docsはオフラインでも使えるようになってきている。今は言語を英語に設定すれば、new featureとして文書だけはオフラインでも使えるようになっている。表計算、プレゼンテーションもどんどん使えるようになるだろう。オフラインでgoogle docsが使えるようになるには、データをパソコン側に記憶させる必要があるわけだけど、そう考えてもローカルに記憶スペースがある程度あったほうが絶対にいい。EeePCだとgoogleが次々出してくるオフラインサービスを利用できないだろう。

つまり、どこでも完璧なネット接続が可能で、しかもバッテリーのもちがかなり向上しない限り、ローカルにデータスペースは不可欠だということだと思う。EeePCはテレビ電話や、YouTubeなどの利用には有効なんだろうけど、仕事には使えないんじゃないか。

それにしても最近のディスプレーはきれいになったと思う。一方問題点として、工人舎SAの画面の小さい点があるけど、まあいい。許す。なんでこんなにエラそうやねん

画面が回転してタブレット式になるのは、電車の中などで便利。やはり工人舎のほうが日本の利用シーンのことはよく理解しているということか。

やっぱりどんどんよくなっていく各種アプリケーションを利用したいのなら、そうしたアプリが開発されるOS環境で、しかもデータ容量がある程度ある機器を持っていないとだめということなんだと思う。firefoxやグーグル周辺のサービスはすごい速度でどんどんよくなっている。windows mobile端末はすぐに陳腐化してしまうし、EeePCは時期尚早なんだ。

firefoxにはauto pagerというアドオン機能を追加できるんだけど、この機能は画面を下にスクロールしていけば次のページのデータを自動的に取得して、いかにもまるでそのページが永遠に続くみたいにスクロールダウンできる機能がある。この機能って、画面の小さなモバイル機器にはもってこいの機能だ。このほかにもfirefoxには、小型画面に最適のアドオン機能がたくさんある。こうした機能を利用できるのも本格OSでデータ容量がある程度あるからなんだ。

買う前に考えていた以上によかったという製品は久しぶり!10万円以上するノートパソコンなら、いろいろできて当たり前で、ここまで感激することもないだろうけど、なんてったって6万円以下のパソコンなんだもん!

追記:使い始めて3週間。ここまで使ってみた感想は、やはり解像度が低いのはキツイ。サイトによっては横スクロールしないと見れないものもある。あるというより、そういうサイトがかなり多い。

工人舎SAではショートカットキーの操作で擬似的に解像度の高い画面風に表示させることが可能。でも画面がぼやけてしまうのが、ちょっとアレ。なので、シコシコ横スクロールに励む。

でもそういったこともまあいい。許す。

最大の問題はgoogleのサービスの一部が表示されないことだ!例えば、picasaのコラージュの作成ボタンが表示されなかったり、google readerの表示がおかしくなる。横スクロールバーも表示されない。

そういう場合は擬似的に解像度を高くした画面風のぼやけた表示に切り替えるしかない。これが結構面倒である。

でもそういった問題も先週、解決されました。firefox3をインストールしたから。firefox3のズーム機能を使えば、解像度の高い画面風にできるし、文字もぼやけない!

ということでfirefox3最高!やっぱり6万円の工人舎SA最高!ということであります。(6月23日)

プレーヤーになるよりゲームを作れ

 名前はダン、職業はコガイという人が、反対だったっけ?「名前はコガイ、職業はダン」?月刊アスキー7月号」でおもしろいことを言っている。
 「プレーヤーになるんじゃなくて、ゲームを作れ」・・・。梅田望夫さんの高速道路や、ケモノの道といったような話と合い通じるものがあると思うんだけど、「既にルールが決められた中でものすごい競争するより、これだけ大きな変化の時代なんだから、いっそ新しいゲームを自ら作っちゃえばその分野で先頭を走れるよ」というようなことなんだろう。
 考えてみれば僕はずっとケモノ道というか、あたらしいゲームの中で戦ってきたんだと思う。でもそれは自らの選択ということじゃなく、能力の問題や根気の問題でその方向に追いやられたという感じだ。
 日本の大学には入らず、というか入れなかった。3流私学の3科目の試験のうち2科目が終わったら頭が疲れてきたので、3科目の試験をさぼってパチンコに行った。そうしたらどういうわけか受からなかった。受かるか、そんなもん!あったり前だろ
 それでほとんどまぐれみたいな感じで会社に入ったんでその経緯はこちら 、記者としての王道は進めず。「ハイテク」というほんの片隅の小さい取材領域の専門記者になる。
 うちの会社ではずっと、日銀クラブのキャップになるというのが花形記者的王道のように思われているところがあって、ハイテク記者などにはだれもなりたがらない時代の話だ。いまだに後輩記者に「オレみたいなハイテク専門記者になったらどうだ」と聞くと「イヤです。湯川さんみたいにはなりたくないです!」キッパリ、みたいな感じ。

 別にハイテク分野が今後産業の中心になると将来を見通して、ハイテクを選んだわけではない。ほんと、たまたまサンフランシスコにいたので、たまたまそっちに進んだだけだ。
 帰国後しばらくしてブログを立ち上げた。ブログのことを何度も記事として取り上げてきたのに、自分自身ブログを持っていないのもどうかな、と思って立ち上げた程度のこと。
 立ち上げ時期が早かったし、記者のブログということでちょっとだけ注目され、最初のアルファブロガーのセカンドチームに選ばれた。早い時期に始めたのがよかったのだと思う。僕と違って、最近選ばれるアルファブロガーの人たちは、本当に優秀で文章力、情報力が卓越していると思う。とてもかなわない競争しているつもりもないけど。
 人気ブロガーを集めたAMNのブロガーの中でも、僕のこのブログのページビューが多分最低だと思う。確か参加の最低基準PVにも達していなかったじゃなかったっけ。徳力さんが「湯川さんはまあ知られているし、ポッドキャストも有名だから」みたいな感じで特別参加させてもらったように記憶している。違ったっけ?
 従来からある「ゲーム」の中でプレーヤーを目指したんだけど、全然トップクラスになれなかったので、「新しいゲーム」に追いやられた。そしたら、なんとか自分らしさを出せた、ってことなんだろうと思う。意図して「新しいゲーム」狙いではなかったんだ。
 でも最近は意図して「新しいゲーム」(新しい仕事や、活躍の場、もしくは形)を作りたいと思っている。やはり変化の時代には、自分に合った「新しいゲーム」を作るほうが絶対に有利だと思うから。
 そういう思いで今、会社を替えても、あなたは変わらない (光文社新書)という本を読んでいる。オプトの海老根智仁さんの事業計画策定の方法を中心とした啓蒙書なんだけど、会社の事業計画の作り方の考えを自分自身の活躍の場の作り方にも応用できるようになっている。

 日本の未来を担う若者たちに対して「あなたのいまやっていることは、本当にいまやるべきことですか?」というメッセージを贈りたい、と海老根さんは書いている。若者じゃないんだけどおっさんだけど、 トホホ 非常に参考になります。

 話は変わるけど、月刊アスキーってホントおもしろい!僕の情報ニーズにぴったんこ!お金を取れる情報って、やっぱりここまで質が高いんだなと思う。インターネット時代の雑誌や本などの役割って、かなりはっきり見えてきたように思うね。

あのーそのーもう一度お願いします

AMNというところでアンケート調査やってるんですけど、以前お願いしたと思うんですけど、もう一度お願いします。すみません、アンケートにお答えいただけませんでしょうか。僕としてもどのような方が読んでくださっているのか興味があるし。ブログをやっているはげみにもなりますので。
ここからですので、よろしくお願いします。

ウェブ解析を核にした自動マーケティング-米オムニチュアサミット・レポートvol.2

▼130社のツールと一発連携

 オムニチュアといえばウェブ解析ツール「サイトカタリスト」が有名だが、わたし自身はオムニチュアの製品の中でも他社ツールと簡単連携を実現した「ジェネシス」というツールに興味を持っている。他社と連携することで、かなりのマーケティング施策の自動化が可能だからだ。
 「ジェネシス」は米国で先行発売されており、既にSalesforce.com、ダブルクリックを始め、検索マーケティングパートナーとして、グーグル、ヤフーのほか、電 子メールマーケティングの企業や、サイト検索、行動ターゲティングの企業など、130社以上がパートナーになっている。「ジェネシス」は日本でも、近々リリースされることになると思う。

 ツール同士の連携はいたって簡単だ。「ジェネシス」を立ち上げると、これらのパートナー企業130社のロゴが表示される。真ん中にはオムニチュアの解析ツール「サイ トカタリスト」のロゴがあり、その周辺のパズルの部品のような型のところに、連携したいパートナー企業のロゴをドラッグ・アンド・ドロップするだけ。そう すればウィザードが立ち上がり、どのようなデータをどのように連携させるかを選択画面の中から選んで設定していく。技術者でなくても、2つ以上の連携を シームレスに行えるようになっている。


 では具体的には、連携させることで、どのようなことが可能なのかをみてみよう。

  図はあるリード・ジェネレーションのツールを販売するベンダーがweb上に掲載した広告である。リード・ジェネレーションとは、見込み客を開拓するツール のこと。このベンダーは2種類の広告クリエイティブを用意した。どちらも図柄、文言はほとんど同じ。ただ1つは「ガイド」による商品説明、もう1つは 「ウェビナー」による商品説明になっている。「ガイド」とは、紙芝居風に説明ページが次々と変わっていくもの。「ウェビナー」はwebセミナーのことだ。 「ガイド」ならデータをその場でダウンロードして、すぐに見られるが、「ウェビナー」はその場では登録するだけで、後日、指定の日時にパソコンの前に座っ て、セミナーに参加しなければならない。
 果たしてどちらのほうが、効果があるのだろうか。
 web解析ツールを使えば、どちらの広告パターンのほうがクリック率が高いか分かる。
 web解析ツールだけで見た結果、クリック率が高いのは「ガイド」のほうだった。

 クリック率という判断基準だと、「ガイド」のほうが上だった。web解析ツールだけを使っているのであれば、今後は「ガイド」の広告パターンに一本化することに決めることだろう。
  しかしweb解析ツールと、CRMを連携させれば、それぞれの広告パターンを通じた見込み客の何%が実際に営業マンと話をしたのか、何%が実際に商品を購 入したのか、どちらの広告パターンのほうが最終的な売上増につながったのか、といった数字まで入手できる。web上のデータを扱うweb解析ツールと、営 業マンによる実際のセールス活動のデータを扱うCRMの両方をつなぎあわせ、まるで1つのシステムのようにつなげることで、広告の究極の効果指標である売 上高への影響まで測定することができるわけだ。

 その結果、実際に購買直前までいった見込み客は、「ウェビナー」のほうが155%も多かった。実際に、販売につながったのは見込み客は「ウェビナー」が80%多く、売上高は「ウェビナー」が「ガイド」の2倍だった。
 つまりweb解析のクリック率だけみると、「ガイド」広告のほうが効果があるように見えるが、実際の売上に貢献するのは「ウェビナー」広告のほうが上であることが分かる。web解析とCRMを連携させたからこそ分かった広告の本当の効果である。

▼購入あきらめた顧客にメールでアプローチ

 別の例を挙げよう。
  3日後に「父の日」を控え、田舎の年老いた父親にステレオをプレゼントすることを思いついたとしよう。帰宅後に自宅のパソコンからいつものECサイトにア クセスし、あれこれ調べた結果、父親が好みそうな機種を選んだ。「ショッピングカートに進む」というボタンをクリックし、購入手続きを済ませようとしたと ころで、電話が鳴った。会社からの電話だ。今すぐに戻らないといけない急用だ。仕方がない。電源を切って、でかけた。親父には申し訳ないけど、当日電話で もしてお茶を濁すことにしよう。会社に到着し、一仕事終えたあと、メールの受信箱をチェックした。いつものECサイトからメールが来ている。見出しは、 「今日、支払いを完了すると、20%オフ」。中身はHTMLメールで、最後にアクセスしたショッピングカートのページの状態になっている。そこで支払いの ボタンをクリックするだけで、支払いが完了する。当然、クリックする。20%オフの値段で、親父にステレオをプレゼントできた。親父も喜んでくれるだろ う。
 ショッピングカートにまで進んでいたのに購入を中止したユーザーが存在することは、web解析ツールを使えば分かる。ただweb解析ツールだけだと、そのユーザーに対して「20%オフ」の定型文のメールを送るのは手動になる。
  それをweb解析ツールとメールマーケティング・ツールを連携させておけば、上記のようなメール送付を自動で行えるのだ。人がやるべきことは「ショッピン グカートに進んでも購入しなかった」というイベントAが発生すれば、「20%オフのメールを送る」というイベントBを発生させるように設定すること。あと は、イベントAが発生するたびに、イベントBが自動的に発生する。テクノロジーを使った三河屋さん的顧客対応が自動で行われるわけだ。


▼対応は30分以内に

 メールを使った自動マーケティングのツールは日本でもいいものが出てきているが、米insidesales.comは、電話セールスを含む自動マーケティングのツールを提供している。
 insidesales.com はもともとナンバーディスプレー機能を提供しているベンダー。電話がパソコンにつながっていて、電話がかかってくるとCRMシステムの中から同じ電話番号 を探し出し、電話の主の顧客データをパソコン画面に瞬時に表示するというシステムを手掛けている。CRMなどの手持ちの顧客データベースの中に該当する電 話番号がないと、ウェブ上で検索し、該当番号がないと局番などで少なくとも、地域、会社名など推測できる限りの情報を表示する。
 insidesales.com はまた、電話があった時点からスタートして時系列で営業担当者がすべき顧客対応をリストアップしており、メールを送るべきところではパーソナライズされた メールを自動生成し自動配信する一方で、営業担当者による電話攻勢が必要なときには、電話をかける前に知っておくべき情報をパソコン画面上に表示しておい てから営業担当者に電話セールスを促す仕組みになっている。
 insidesales.comの関係者によると、時系列で 業務をリストアップしているのは理由があるという。このグラフは、insidesales.comがマサチューセッツ工科大学などと共同で実施した調査の 結果をまとめたもの。顧客から問い合わせの電話を受けてから何分以内に電話をかけたりメールで返答するのが効果的かを示したものだ。この調査によると、最 も効果があったのは5分以内。その後、効果は急速に減少し、30分後には効果はほとんどなくなることが分かった。

  しかしこれは考えてみれば当たり前のことかもしれない。電話で問い合わせた直後は、まだ問い合わせの内容のことを頭の中で考えているからだ。それに30分 後だと、もう電話の近くにいないかもしれない。わたし自身を省みても、多忙な生活の中で、一日たてば、問い合わせたことさえ失念していたり、もうどうでも よくなっていることだってある。
 そこでinsidesales.comは、5分以内にすべきこと、24時間以内にすべきこと、2週間以内にすべきこと、その後毎月1年間にすべきことを、すべてリストアップしている。それがこの図だ。

  内容をみると、代表電話に電話がかかってから5分以内に、insidesales.comのシステムはCRMシステムと連携して電話の主がだれであるのか を判断し、オムチチュアのWeb解析ツールと連携して電話の主のWeb上での動向を解析し、社内のどの営業担当者が担当すべきかを自動的に判断する。それ と同時にメールやファックスなどで、自動生成メッセージを自動送信する。
 その後24時間以内に、朝、昼食後、午後、夕方、夜、とそれぞれ5回、オートダイヤラーを使って電話をかけるように営業担当者に促す。
 その後1週間は、毎日、自動生成のメールやファックスを送信する。2週間後にもう1度、自動生成メールかファックスを送信。その後、1月に1度、メールを送る。
 insidesales.com の関係者によると、こうした顧客対応に大事なのは、オプトアウトのオプションを必ず含むことだ。「もし興味がなければ、ここをクリックしてください」と いったようなメッセージを含んだり、電話を受ける時間を見込み客が選択できるような仕組みを提供したり、見込み客が嫌がるようなセールス攻勢をかけないこ とが重要という。またメールの内容もセールスの文言ではなく、ほかでは手に入らないような業界レポートなど見込み客にとって価値のある情報を中心にするの が望ましいという。

▼自動マーケテインング、web解析、CRMのコンボ

  さてこうした自動マーケティングツールと、CRMシステムとはどう違うのだろうか。一言で言えば、自動マーケティングはより能動的である、ということだろ うか。最初に設定したマーケティング活動のスケジュールに基づいてテクノロジー主導でマーケティング活動が行われ、人間はその折々で機械ができないことを する、という感じだ。
 一方でCRMは、営業担当者の支援ツール。営業活動の個々のステージは営業担当者が自らの判断で動き、CRMはそのスケジュールなどの記録を管理したりすることで営業担当者を支援するというイメージだ。
  自動マーケティングツールの機能的パーツにどのようなものがあるのかを見てみよう。まずはやはり「データベース」がある。そしてどのようなイベントが発生 すれば、どのように対応するか、といったルールを管理するための「自動ルールエンジン」。見込み客にどの程度の見込みがあるのかを判断し、適切な営業担当 者に振り分ける「リード・スコアリングとリード・ルーティング」機能。そして各種キャンペーンを統合する「統合キャンペーンツール」。そのキャンペーンの 成果を解析する「キャンペーン解析」機能。代表的な自動マーケティングツールは、だいたいがこうした機能パーツを持ち備えているようだ。
 ウェブ解析ツールやCRMシステムと重複する機能があるのは、規模の小さな会社では、自動マーケティングツールだけで対応することろがあるからだろう。しかし、多くの企業は、自動マーケティングツール、web解析ツール、CRMを連携させているようだ。
 ネットワーク機器メーカーの米cienaは、2000年ごろから悪化した業績を立て直すため、オムニチュアのweb解析ツール「サイトカタリスト」、salesforce.comのCRM、自動マーケティングツールのvtrenz社の3つのシステムを連携させた新しい顧客対応システムを構築した。

http://www.ciena.com

 見込み客への製品のオファーから、リマインダー、フォローアップと順に進めていき、最後は「これが最後のチャンスです」というメールで、とどめを刺す、という自動マーケティングのスケジュールを実施したところ、大きな成果が得られた、という。
  この図は、実際の販売につながるか見込み客がweb上のどのルートを経由してきたかを示している。バナー広告を通じて購入に至った顧客は6%、リスティン グ広告などのペイ・パー・クリック広告を通じた顧客が58%、自動マーケティングが36%だった。3つのシステムを連携させた顧客対応システムを導入した ことで、この36%の顧客を獲得できたことになる。

News2uを通じて発表文がヤフーに載る

 社長の神原さんを始め、ブログ神の平田さん、神出鬼没ブロガーのいしたにさんほか、すごいキャラとメンツを集めているニュースリリース配信業のニューズ・ツー・ユーから発表文が送られてきた。リリースポータルNews2U.netを通じてリリースした発表文がヤフー・ジャパンに掲載されることになったそうな。

 取材先から「この取材の結果って、ヤフーに掲載されますか?」と聞かれるようになって久しい。企業にとってヤフーに掲載されるということは本当に重要なことのようなので、今回のヤフーとの提携は、ニューズ・ツー・ユーにとって大きな前進であろう。担当者のみなさん、ごくろうさまでした。そしておめでとうございます。

このブログのエントリーもヤフーニュースの「読み物」の中で取り上げられたら、結構なアクセスが流れてくるもんなあ。

 でも考えてみれば、ヤフーってネット上のマスメディアとして不動の地位を獲得したんだなあと、従来型マスメディア関係者のわたくしめといたしましては、ちょっぴり複雑な気持ちではあります。ヤフーに追いつけ、追い越せということで必死に取り組んでいる一部従来型メディアの気持ちが分らないでもない。そのやり方は分らんけど
 それにニューズ・ツー・ユーがやっていることって、本来、通信社がすべき領域なんじゃないだろうか。通信社に勤める人間としては、少し複雑。
 でも同じ領域に進出していたとしても、神や神出鬼没チャーリーなどを抱える社に勝てるだろうか。同業他社で、パッとしないところもあるしなあ。

あー複雑、複雑。複雑すぎる毎日だぁ。

 で、メディアサイトの方向性はというと、ウェブ解析とCMSを連動させ、トップページや左右コラムの自動生成になるんだろうなあ、と。「その記事はボツにしました」っていう編集者がいるけど、ネット上でボツにする必要なんてなくなる。「日経産業の一面で取り上げられました!」ではなく「ページビュー数と、被リンク数、はてブ数、ニューシングではこうなりました」というのが判断基準になりそうな気が・・・。なりませんか、そうですか。

イカン、こういう話題はどうも気持ちがすさむ・・・。

広告マーケットプレース-ボツにした未完成原稿vol.13

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。


▼広告に全国、ローカルの違いがなくなる

 こうした「測定」周辺の技術革新が進むことで、全国 向け広告、ローカル広告という区別が薄れてくる、とIBMレポートは指摘する。全国紙、地方紙という媒体に広告を出す、というのではなく、その新聞を読ん でいる読者一人一人に広告を出す、という考え方に変わっていくからだろう。

 同様に、アバブ・ザ・ライン、ビロー・ザ・ライ ンという区分も薄れていくのだろう。日本の広告業界では、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌というマス4媒体向け広告と、ダイレクトメール、店頭キャンペーンな どの宣伝、販売促進の間に1線を引き、マス4媒体をアバブ・ザ・ライン、それ以外をビロー・ザ・ラインと呼んできた。「測定」周りの技術革新が進み、ター ゲティング精度が上がると、マス向け情報発信、ターゲット層向け情報発信の区別が薄れ、ほとんどすべての広告、情報発信が、個別にカスタマイズされたもの になる方向なのだろう。
 ではすべての広告がカスタマイズされたものになるのか。どの程度カスタマイズが進むのか。それはカ スタマイズすることでどの程度広告効果が上がるのか、そういったカスタマイズするのにどの程度コストがかかるのか、にかかっている。ただ言えることは、カ スタマイズすることで広告の効果はまだまだ上がるだろうし、カスタマイズするためのコストは今後も大幅低下が見込まれる、ということだ。

第3章 広告マーケットプレース

▼広告マーケットプレース

 さてIBMが「広告業界の未来を劇的に変化させることになる」とする「アテンション」、「クリエイティビティ」、「測定」、「広告枠」の4つの領域の最後の領域である「広告枠」に関する最近の技術動向を見てみよう。
 広告枠売買の最新動向といえばやはり広告マーケットプレースだろう。
  広告マーケットプレースとは、広告枠を販売したいメディア企業と、広告枠を購入して広告を出講したい広告主が、一堂に会する市場、取引所のことである。そ れをオンラインで、自動的にマッチングする仕組みである。ちょうどJASDAQのような電子株式市場の広告版と考えれば分かりやすいかもしれない。
 幾つか先行する米国の広告マーケットプレースを見てみよう。

広告マーケットプレースに関しては「ウェブ担当者フォーラムに「広告マーケットプレース利用ガイド」(前半)(後半)という記事を書きましたので、そちらをご覧ください。

序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10
受動的消費者が能動的になるとき-ボツにした未完成原稿vol.11
セカンドライフ内の広告に期待-ボツにした未完成原稿vol.12

セカンドライフ内の広告に期待-ボツにした未完成原稿vol.12

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼ネット世代が責任ある立場になったとき

 IBMのレポートはまた、インターネットとともに育った世代が宣伝やマーケティング部署で責任ある立場になっていくことで、効果測定が可能な新しい広告手法を積極的に試していくことになるだろう、としている。
  これは恐らく日本でも同様のことがいえるだろう。「日本の企業は米国企業ほど広告効果の測定に興味がない」「企業がテレビ広告を中心に考える時代はまだま だ続く」などという意見をよく耳にするが、それは日本企業の宣伝部長の多くが従来型メディアに慣れ親しんだ世代だから。そうした世代的分断が理由で、従来型メディアに対する広告予算が いまだに高いのだろうと思う。今後デジタルネイティブと呼ばれるようなネット世代が責任ある立場になれば、状況は変化する可能性が高い。

 日本人の多くは自分が平均的な日本人だと考えているといわれる。自分のメディア消費の形が、平均的日本人のメディア消費の形だと 思っている人が非常に多い。しかし先に述べたように、今はメディアの変革期であり、過渡期である。1つの社会に大別して3つの層が共存している。一番若い 世代、気がついたときからネットとケータイが当たり前のように存在していた世代が、企業の広告、マーケティング部門の責任ある立場になるころには、当然の ように効果が証明できるものであれば、ありとあらゆる広告、マーケティング手法を試すようになるだろう。
 ただ日本社会には、崩壊しつつあるといっても年功 序列の風土がいまだに残っている。デジタルネイティブと呼ばれるような若い世代が、大企業内で責任ある立場につくまでにはまだしばらくかかるだろう。

▼双方向、経験ベースの広告

  この「測定」に言及している部分でIBMのレポートは非常に興味深い指摘をしている。「最後に業界内の議論は、1対他の広告の測定のことがほとんどだが、本当の意味 で双方向で経験ベースの広告の時代が来ようとしている。(中略)そしてこの新しい広告の分野では、いまだに既存メディアや広告会社、広告主のリーダーシッ プが存在していない」というのだ。
 「本当の意味での双方向、経験ベースの広告」とは何なのだろう。
 IBMはレポートの中で、セカンドライフのような3次元の仮想空間の中で商品を使ったりやブランドと関われるようなものを、その例として挙げている。
  こうした広告は、わたしが先に述べた「テクノロジーとしての広告・マーケティング手法」の1つの例だろう。
 わたしは、大手広告会社が取り扱う従来型広告 や、オンライン広告会社が取り扱うようなネット広告といったクリエイティビティがベースになっている広告・マーケティングではなく、純粋にテクノロジーを ベースにした新しい広告・マーケティングが今後主流になっていくと考えている。IBMも、こうしたテクロノジーベースの広告の時代がくると考えているようだ。
 ただIBMは、米国でもこの分野における目立ったプレー ヤーはまだ登場していないと考えているようだ。
 ということは、この分野に大きなビジネスチャンスが存在するということだ。日本の技術系のベ ンチャー企業にもチャンスはある。
 ただこうした新しい「双方向、経験ベースの広告」は効果測定が可能で、効果が高いことが不可欠。そうであるのなら広告効果 を厳しく問う広告主の多い国や地域から、新しい技術ベンチャーがまず登場するのだろう。
 従来型メディア中心の層が、宣伝、マーケティングの責任ある立場に いることがまだまだ多い日本からは、この分野で新しい技術ベンチャーが登場するとは考えにくい。




序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10
受動的消費者が能動的になるとき-ボツにした未完成原稿vol.11

受動的消費者が能動的になるとき-ボツにした未完成原稿vol.11

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼情報の受け手から情報の発信者へ

 究極の未来には、消費者が完璧な主導権を握っているかもし れない。しかし現状では、大半の消費者はやはりまだ受身である。ユーザー自らの情報発信をベースにしている「関心ドットコム」というサイトがある。ユー ザーが自分の気に入った製品やサービス、場所のことを簡単に説明し、同じ製品やサービスや同様のものに関心のあるユーザー同士がつながっていくサイトだ。 このサイトを運営する株式会社関心空間の前田邦宏さんは、「ユーザーの積極的な情報発信に頼るサイトを運営しているにも関わらず、こんなことを言うのはおか しいかもしれませんが、自ら情報発信するユーザーは一握りです」と言う。

 こうした受身のユーザーが今後どの程度能動的なユーザーに変わっていくのだろうか。情報発信ツールの改良も必要だろうし、ユーザー自身が表現することに慣れて行く必要もある。世代的なライフスタイルもあるだろう。
  ブログが登場したことで表現者の裾野が広がった。はてなブックマークやはてなスター、ニューシングなどのサービスは、ネット上に気に入った情報があれば 「ブックマークに追加」「○」などのボタンを押すだけ。非常に簡単に自分の考えを表現できる。最初は表現にとまどっていた人たちも、次第に表現し始めてい る。参加型百科辞典のウィキペディアや知識共有サイトの「教えてgoo」「Yahoo!智恵袋」は、スタート当初は閑古鳥が鳴いていたが、今は多くの書き 込みでにぎわっている。
 高校生はケータイを使って友人との間でしきりにメールをやり取りしているし、プロフと呼ばれる自己 紹介のページを作成し交換し合っている。自分自身を表現し、他人とつながることに多大な時間を消費している。「他人のメールやプロフを読むだけ。自分自身 は情報発信しない」という若者はほとんどいない。だれもが積極的な表現者である。

▼試行錯誤が続く過渡期の広告

 受動的な消費者は、いつ能動的な消費者に変貌していくのだろうか。
 IBMのレポートでも、消費者の変化が今後どのようなペースで進行するのかが、広告業界の未来を占う上での不確実要素の1つとして挙げている。
  とは言っても、広告視聴の主導権が消費者側に移行していることだけは紛れもない事実。番組が面白くなければリモコンをガチャガチャと操作しチャンネルを変 えていた消費者が、今ではコマーシャルを簡単に飛ばしてしまうようになっている。どれだけクリエイティビティに富んだ広告を製作しても、スイキップされて いては何の価値も生みださない。デジタルレコーダー大手の米TiVo社の調査によると、クリエイティビティの高い広告よりも関連性の高さのほうがスキップ される確率が低いことが数字としても明らかになっているという。
 広告会社としても、よりスキップされない広告作りに励み始 めた。日本のあるバラエティ番組でも番組内の定番コントの登場人物に扮したままでコメディアンが乗用車のコマーシャルに出ているのを見かけたことがある。 番組視聴の流れのままでコマーシャルまで見てもらおうという試みだ。
 広告主である家電メーカーの家電製品がドラマの部屋の 中にさりげなく置かれていたりするプロダクトプレースメントと呼ばれる広告手法があるが、IBMのレポートは、こうした番組と同じ流れのコマーシャルやプ ロダクトプレースメントなどの新しい広告手法はますます盛んになるであろう、と予測している。ネット上でも新しいタイプの広告手法の試行錯誤が今後も続く であろう、としている。
 またテレビ番組と関連性の強い広告や、視聴者一人ひとりの興味の対象に関連性の高い広告を表示する技術の開発が今後も進むだろう。
 クリエイティビティに関する部分のまとめとしてIBMのレポートは「より幅広いコンテンツのクリエーターの登場で、コンテンツはコモディティー化、低価格化が進む。広告会社は、より積極的、創造的にクリエイターを取り込んで行く必要があるだろう」と結んでいる。
  わたしがこれにさらに付け加えるとすれば、広告会社の目指すべきことは2つある。1つは、共有を前提にした広告、消費者間の新しい形のコミュニケーション のベースになるような広告に力を入れるべきだということ。もう1つは共有を前提にした広告メッセージを、そのメッセージを求めている消費者、そのメッセー ジが効果を生むような消費者に向けて効率よく届ける仕組みをテクノロジーを使って作り上げることである。テクノロジーを使ったメッセージの適所への配信の 仕組みの1つの例は、検索連動型広告である。このほかにも、テクノロジーを使った配信の仕組みは今後次々と出てくるであろう。


序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8
セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9
消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10


「メディアはプラットホームに進化する」-米オムニチュアサミット・レポートvol.1

 3月に開催された米オムニチュアサミットで講演した調査会社ジュピター・リサーチのメディアアナリストのバリー・パー氏は、メディアサイトが今後3つの点において進化すると予測する。
 その3つとは、「記事の双方向アグリゲート」「ソーシャルメディア化」「プラットホーム化」である。

▼記事のアグリゲートは双方向に

 「記事のアグリゲート」は、他社のサイトの記事を集めてくることだけでなく、自社の記事を他社サイトに提供することも含まれる。アグリゲートし、アグリゲートされるということだ。
 記事のアグリゲートては、日本でも既に始まっている。
 オンラインマーケティングの専門サイト「MarkeZine」は、他社サイトやブログなどの記事、ブログ解析サービスのコンテンツなどをアグリゲートする一方で、自社の記事をヤフーやライブドアといったポータルに配信している。アグリゲートし、アグリゲートされているわけだ。
 一方で、ポータル各社は、他社コンテンツのアグリゲートには熱心だが、自社コンテンツを他社にアグリゲートしてもらうことに関してはまだそれほど積極的ではない。新聞社サイトなど従来型メディアサイトは、他社コンテンツのアグリゲートにさえ消極的であるのが現状だ。
 パー氏は、今後メディアサイトがMarkeZineのように双方向アグリゲートの方向へ進化していくと予測する。

 数年前には、トラックバックを受けつければ他社サイトへアクセスが逃げるという理由でトラックバックを嫌がるサイトがあったが、今ではユーザーがサイト間を自由に行き来できる利便性を提供することのほうが結局はアクセス数が高まる、という認識をほとんどのサイト運営者が共有するようになっている。「ユーザーを抱え込もうとすることより、ユーザーに利便性を提供するほうがアクセス増につながる」ということをだれもが認識するようになったわけだ。
 恐らく、これと同じ認識の変化がアグリゲートの領域でも進行中なのだろう。やがてどのサイトもコンテンツをアグリゲートし、アグリゲートされることになるのだろう。その際に大事なのは、メディアサイトのターゲット層がだれであるのかをきっちりと認識し、その層に向けた利便性を追求していくことだと思われる。

▼インターネットがメディアであるという誤解

 さて2つ目の進化のポイントである「ソーシャルメディア化」とは、メディアサイトであってもコメント欄やトラックバック欄を設けたり、記事の最後にソーシャルブックマークのアイコンをつけるなどし、記事を核にしたコミュニケーションを促進することだ。サイトをコミュニティ化するわけだ。これは日本のヤフーなどのポータルサイトでも最近、力を入れている分野だ。
 一方、従来型メディアサイトの中でも、産経新聞のiza!が早くからソーシャルメディアサイトとして事業を展開。一方的な情報発信が多いニュースサイトの中で、独自の立ち位置、ブランドを確保している。
 パー氏は、メディアサイト運営者の多くは、インターネットを従来型メディアのようなものだと誤解していると言う。同氏によると、ネットの本質はコミュニケーションであり、コミュニケーションを促進することで、情報に「コンテキスト」を与えることができる、と述べている。この情報をだれがどのように受け止めているのか、という「コンテキスト」を把握することで、情報の価値が高まるというわけだ。
 従来型メディア関係者の多くは、ソーシャルメディア化することでノイズが増え、記事自体の信頼性を低下させることにつながる、と考えている。確かにそういった問題は存在するだろうが、その問題をどう克服し価値あるコミュニケーションを活性化させるかが、今後の目指すべき方向である。コミュニケーションから逃げているメディアは勝ち残れないだろう。

▼勝手に好きなように利用してもらうプラットホーム

 進化のポイントの3つ目は、プラットホーム化である。
 パー氏は、「価値を創造するためのプラットホームに進化していくことが重要だ」と語る。とはいうものの概念的で分かりづらい話だ。同氏も、このコンセプトに関しては、グーグルマップがAPIを公開することでサードパーティに利用され、価値創造のプラットホームになっている、と説明するだけにとどまっている。米国でさえ、この「プラットホーム化」を実現しているメディアサイトの前例が少ないため、説明しづらいのだろう。
 従来型メディアの概念に例えれば、従来型メディアは、情報流通という価値を創造するためのプラットホームだった、ということができる。情報を発信したい企業が発表文という形で発表したものをメディア企業が記事にしたり、宣伝文として寄せてきたものを有料で広告として掲載したりする。そこにそうした情報を入手したい読者が集まってくる。読者が集まるので、余計に情報が集まるという好循環が起こり、メディアは情報流通のプラットホームになる。情報を発信したい人、受け取りたい人が利用する「場」なのである。
 パー氏の主張は、今後こうしたプラットホームは情報だけではなく、ソフトウエア的サービスをも流通させるプラットホームになっていく、ということなのであろう。
 メディアサイトがソーシャルメディア化し、ユーザーのコミュニティーへと進化していけば、米Facebookで進展しているようなプラットホーム化の動きも出てくるだろう。Facebook上には、サードパーティが開発した「ウィジット」と呼ばれる小さなプログラムが数多く生まれてきているし、ユーザーの属性の一部を広告会社に公開することで、効果の高い広告配信も始まっている。サードパーティが勝手に好きなように利用できるようなプラットホームになることで、メディアサイトは栄えていくし、そういう形に進化していかないと、メディアサイトに将来はない、ということなのだろう。
 日本のメディアサイトでも「双方向アグリゲート」「ソーシャル化」は進んでいるが、「プラットホーム化」をどのように進めていくかが、今後の成功のカギになると見られる。特に「ウィジット」の動向には注目すべきだろう。
 「双方向アグリゲート」「ソーシャル化」「プラットホーム化」という方向でメディアサイトが進化していくということになると、今後メディアサイトの多くは特定のユーザー層に向けた情報、サービス、物販を提供するニッチサイト、ニッチなプラットホームに変化していくことが予想されるわけだ。

弥富金魚の歌のブログパーツ貼り付けました

よく分かりませんけど、ジェット☆ダイスケさんが貼り付けろ、と言うので。右コラムの下をご覧ください。

さすがに時事通信のロゴより上にはだせなかったぜ!許せ、兄弟。ジェット☆ユカワより

「言われた仕事はやるな!」(石黒不二代著)の読み方

言われた仕事はやるな! (朝日新書)

 なっ何なんだ、このむちゃくちゃなタイトルは!

 この本の読み方は主に3つ。
1)石黒不二代という摩訶不思議な生き物の生態を知るために読む。
2)シリコンバレーやスタンフォード大の特徴を知るために読む。
3)組織論として読む。
ほとんどの人は、この3つの読み方のうちのどれかで読むことになると思う。
僕は少し違っていて、この本を読みながら、「情報化社会はこうした考え方が主流になるのだろうな」と漠然と考えていた。
今現在われわれは工業社会から情報社会への移行期を生きている。この認識は多くの人が共有しているところだろう。しかし国や地域によって、移行期のどの段階を経過中なのかは異なる。アメリカの経済紙と日本の経済紙を読み比べれば、はっきり分かる。アメリカは情報産業のニュースが中心であり、日本は製造業のニュースが中心である。
ニュースだけではない。日本には、まだまだ工業社会の仕組みが数多く残っている。
その代表例が大学などの教育制度だ。決まった時間に始まり、教師の言われるがままに勉強する。これは、工場労働者を教育するために最適化された方法だ。それが情報社会になろうとしているのに、今だに継続されている。クリエイティビティを高めるために、机を並べて一斉に作業を始める必要があるのか、と言いたい。
こんな感じの教育でこれからの情報化社会に役立つ人材を輩出できるのだろうか。心配になるときがある。
情報化社会の教育は、もっとピア・ツー・ピア的なものになるべきだ、となんとなく思っていた。でも具体的にどんな形がいいのかは、なかなか思いつかなかったのだけれど、この本によるとスタンフォード大がまさしく情報化社会に合ったP2P的な教育方法を実践しているようだ。
例えば学生の採用の基準が、ほかの生徒にどれだけプラスになるのか、であったり、地元の起業家を講師として頻繁に招くことであったり、教員の兼業を推奨していることであったり・・・。フラットな関係の中で互いに教え合うという学習方法こそが、情報化社会の教育のあり方なんだろうなと思う。
そう考えるとこの本の真価は、情報化社会の1つの生き方を説く本として読むところにあるのだろうと思う。新しい社会に向けての人生論なのだと思う。
とは言っても、周りはまだまだ工業社会の慣習が色濃く残る日本社会である。言われた仕事をしないで生きていくのは、相当に大変である。僕自身も今まで自分が好きな仕事以外いっさいやってこなかったけど、最近だんだん自分に自信がなくなってきて、このままじゃまずいんじゃないかと、さすがに思い始めているところだった。
でも、この本のお陰で元気が出て来ました。ありがとう!これからも、自分の「好き」を貫けるような生き方を続けていきたいと思う。会社の同僚のみなさん、ご迷惑をおかけしますが、これからもヨロシク!

でも親友と言いながら、結構彼女のことを知らないことが多かった。まあいつ会っても話の99%はバカ話して笑っているだけだから仕方がないんだけど。

あと少し気になったんだけど、この本の帯でテリー伊藤様に「お言葉」をもらう必要はなかったんじゃないか。テリー伊藤という「権威」に助けてもらう必要などまったくない。そんなことして売るような安っぽい本じゃないと思う。

消費者が主導権握る広告-ボツにした未完成原稿vol.10

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼共有を前提にした広告

 表現物の世界に、団体戦という新しい競技種目と、「共有」という評価の物差しが登場したと先に書いたが、広告の領域でも共有されることを前提にしたビデオで作られ始めている。
 ソニーは、「共有」を前提にしたテレビ「ブラビア」の宣伝ビデオをYouTubeで公開している。

  参加型百科事典ウィキペディア(英語版)によると、最初の共有目的のビデオは、25万個のカラフルなスーパーボールがサンフランシスコの坂を跳ねながら落 ちていくというもの。これだけ多くのスーパーボールが坂の町を跳ねながら落ちていく様子はまさに圧巻。これまでに数十万回も再生されているだけでなく、こ のビデオを見たユーザーが次々とパロディビデオを作製し、YouTubeなどの動画共有サイトにアップしている。
 例えば、スーパーボールの代わりに、りんごやオレンジといったフルーツが坂道を落ちていくさまを撮ったビデオや、戦場の坂道を兵士が跳ねながら降りていくようなビデオもアップされている。
 あまりに大きな話題を呼んだため、ソニーは同様に共有を目的としたビデオを次々と制作している。
  2作目は、高層ビルからカラフルなペンキが噴き出すというビデオ。ウィキペディアによると、スコットランドの高層ビルの外壁から全部で7万リットルのペン キが計1400回噴出し、ビルをカラフルに染め上げていった。撮影には10日かかり、ペンキは環境にやさしい種類のものが使われたという。
3 作目は、粘土で作ったフィギュアを動かしてつくるアニメーション。ニューヨークの街の中に置かれた粘土のフィギュアが、コミカルな動作を見せるキュートな 作品だ。4作目は、カラフルな糸をピラミッドの上から垂れる、というもの。糸巻きが下まで達すると、ピラミッドが色鮮やかな繊維でカバーされるというもの だ。
 これらのビデオに共通するのは「鮮やかな色」。ブラビアというテレビと、鮮やかな色というイメージを結びつける効果を狙っているようだ。

 

▼推薦という形での表現

  インターネットという表現のツールが登場したことで、だれもが表現者になる総表現者時代になりつつあることは分かった。小説や映像だけではなく、広告製作 の領域にまでアマチュアやセミプロが入り込んできたことも分かった。しかし、そういったクリエイティブな人はそう多くのではないか。ネットの普及で、クリ エイティブな活動するセミプロが少し増えただけ。それほど大きな変化を引き起こすとは思えない。そう考える人も多いだろう。
  しかしコンテンツや広告を製作するというレベルのクリエイティビティはなくとも、いい作品を評価し、他人に推薦するという行為も、1つの表現の形なのでは なかろうか。まったく新しいものを作り出したように見える人でも、99%は他人のアイデアで、それに1%の独自の考えを加えただけだ、と言う人がいる。わ たし自身もそうだ。この本のベースになっている考え方は、IBMのレポートやレジス・マッケンナの「トータル・アクセス」などの本である。そうした他人の アイデアを取捨選択し最新の資料を加え、日本の現状を考慮してまとめあげたのが、この本である。わたし自身が独自に思いついた部分などほんのわずかであ る。極限すれば、他人のアイデアを自分の言葉で評価し直し、まとめあげただけだ。
 そう考えると、ブログなどでお気に入りの製品を自分の言葉で紹介するという行為と、この本を書き上げるという行為の間にそれほどの違いはないと思う。推薦という行為も表現の1形態であり、クリエイティブな活動なのだ。
  あるケータイのショッピングサイト関係者によると、ある時期、特定の化粧品がものすごく売れた時期があった。関係者が原因を調べたところ、テレビの広告は まったく関係なかった。どうやらその原因は、歌手の浜崎あゆみがブログでその化粧品を使っていることを言及したことにあるようだった。
  浜崎あゆみのような有名人でなくてもいい。身の回りの人の中で、好きな人や尊敬する人が使っていたり、薦める商品を購入したことのある人は多いだろう。そ れがインターネットの普及により、好きな人や尊敬する人が増え、好きな人、尊敬する人の購買行動が簡単に分かるようになっている。
 例えばわたし自身、ブログを読むようになってから尊敬できる人が増えた。わたしは子供のころから生意気な性格で、「尊敬する人は」と聞かれると「日本にはいない」と答えるような、どうしようもなく思い上がった人間だった。
 ところがブログを読むようになって、非常に多くの尊敬できる人たちに出会えた。そのほとんどは無名のブロガーで、年齢はわたしより低い人が圧倒的に多い。それでもその知識量や分析力、誠実さなどの面で素直に頭が下がる。非常に学ぶところの多い人たちである。
 そうした尊敬する人たちのブログやmixiの日記を定期的に読んでいる。彼らがどのような本を読み、どのような商品を買ったかなどという情報は、ほとんどリアルタイムに入る。
  思い返してみれば、ここ何年も本屋で本を見つけて買うことはほとんどないし、広告を見て本を買うことなど皆無だ。ここ数年間のわたしの書籍の購入パターン はたった1つ。尊敬する人たちのブログやmixi日記の書評を読んで、仮想書店のアマゾン・ドットコムで購入するというパターンだ。わたしにとってどんな 広告メッセージよりも、尊敬できる人の書評のほうが影響力が高いのだ。
 コンテンツを自ら作ることはないものの、推薦という表現活動にネット上で携わるユーザーは増える一方だ。これがメディアと広告の未来に大きな影響を与えることになるだろう。

▼消費者の好きな広告しか流れない究極の未来

 米大手コミュニティーサイト「フェイスブック」は2007年秋に、ソーシャル広告という新しい広告のコンセプトを発表した。
 サイトの中の自分のページに掲載する広告主をユーザー自身が選べるのだ。(【編注】調べる必要あり)



序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
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オムニチュアのCEOのJosh James氏-Omniture Summitレポートvol.1

 少し前になりますが3月に米ソルトレークシティで開催されたオムニチュア・サミットを取材してきました。何回かに分けて、その際のレポートをアップします。
 まずはオムニチュアのCEOのJosh James氏のインタビューです。

-マーケティングの究極の未来とは、どのようなものになるでしょうか?

 すべてはカスタマイズされた経験になると思う。
 例えれば、次のような感じ。スーパーマーケットには幾つも売り場があるけれど、今日のように売り場を歩いて回る必要がない。お店に入れば、売り場自体が あなたに合わせて形を変えてくれる。あなたが過去に買った商品が自動的に1つの売り場に集まってくる。そんな感じだ。また過去に買った商品に混じって、あ なたが気にいるかも知れない商品も並べられる。
 こうしたことが実現すれば消費者も喜ぶし、スーパーマーケットにもいいビジネスになる。
 何もスーパーマーケットだけの話ではない。オンラインのコンテンツであれ、オフラインの商品であれ、あらゆるものが自分にとってカスタマイズされたもの になる、というのが究極の姿だろう。オンラインとはウェブのことだけではない。オンラインとは、ネットワークにつながっているすべてのものだ。

 またインターネットはウェブサイトが中心の現状の形から、ウィジットが中心の状況に変化していくだろう。ウィジットはウェブサイトの延長として、ユーザー一人一人にターゲットされた情報を出すようになるだろう。
 広告も同じで、ターゲティングされパーソライズされたコンテンツになると思う。
 オフラインの世界でも、街頭の広告のQRコードをケータイで読み取ることで、オンライン同様にカスタマイズされた情報を受け取ることができるようになるだろう。
 企業にとってすばらしいことには、何がうまくいって、何がうまくいかないのかというフィードバックを受け取ることができるということだ。このフィードバックを受け、企業は消費者に的確な情報を送れる。ノイズは減少するわけだ。

-テレビのようなメディアはどのような形になるのでしょうか?

 究極の未来にはわれわれが知っている形での「テレビ」というものは存在しなくなる。未来のテレビは、一方通行の放送ではなくなる。放送と通信が融合したときには、テレビ局側は視聴者の情報をたくさん持つようになる。視聴者側もテレビ局に自分の情報を手渡すことになるだろう。
 わたしがテレビを見ているときに、女性向け商品のコマーシャルには興味がない。
わたしの趣味嗜好や、過去の購買履歴を基に、わたしが興味を持つようなコマーシャルを流して欲しい。未来のテレビはこうした要望にも応えてくれるものになっているだろう。

-広告の未来は、どうなるのでしょうか?

 広告はなくならないだろうが、重要性は著しく減少するだろう。広告と360度マーケティングのバランスは、360度マーケティングのほうに急速に傾くだろう。
 それはなぜかというと、消費者の声のほうが重要になるからだ。
 今までは消費者がメーカーに意見を言いたければ、カスタマーセンターに電話するか、手紙やメールを送るしかなかった。でもそんなことをしてまで意見を言う人はそんなに多くなかった。
 しかし今では技術革新のおかげで、簡単にフィードバックできるようになった。また多くの人のフィードバックを集めることで傾向を把握できるようになった。製品のレビューを読む人も増えた。優れた製品と消費者が評価した製品がさらによく売れるようになった。消費者の声が非常に重要になりつつあるというこだ。

-オムニチュアはウェブ解析でも優れているが、他社製品と比べて他のシステムと連携できるところがすばらしいという声を聞いた。他のシステムとの連携で代表的な例を教えてもらえませんか?

 2つの例をお教えしましょう。1つは、あなたが電子機器を販売しているサイトを運営していたとしましょう。あるお客さんがサイトにアクセスしてきた。サイトの過去の記録から、彼は過去にデジタルカメラを買っていることが分かる。彼のメールアドレスなどの情報も記録されている。今回はノートパソコンのページにアクセスしてきた。特定の機種に興味があるらしく、同じ機種の色違いの写真を見比べている。
 それでもこのお客さんは購入にいたらなかった。そこで2、3日後に「特別セール!今買えば5%off」とか「今買えば、オプションのメンテナンス保証が半額です」というようなメールを送る。われわれ消費者は、多かれ少なかれ衝動買いするものです。こういうメールを送ることで、購入してもらえる可能性があるわけだ。これは非常にパーソナルなマーケティングになる。
 今までのシステムでこういったことをしようと思えば、非常に大変だった。データマイニングを行って、多くのユーザーIDを探し出し、CRM(顧客関係管理)システムも検索し、メールアドレスを探し出さなければならない。
 オムニチュアの連携ツール「ジェネシス」を使えば、オムニチュアのウェブ解析ツール「サイトカタリスト」と、他社のメールマーケティングシステムを連動させ、こうしたワン・ツー・ワン・マーケティングがすべて自動でできるようになるわけだ。
 もう1つの例は、エンゲージメント分析、エンゲージメント・マネジメントと呼ばれる領域の話。複数の広告がどのように最終的に購買に結びついたかを分析するんです。
 われわれ消費者は、過去に購入したことのある物以外は、最初の情報だけで購入を決めない。その商品に関する情報に何度か接触する中で、購入の意識を固めていくものだ。
 例えば、わたしがiPhoneを購入したときに、最初にiPhoneのことを知ったときに買ったわけではない。広告も目にしたし、店頭へ行って触ってもみた。ニュースやブログも読んだ。友達とも話をした。その後も、3回も4回も広告を見た。そうすることによってようやく買いたいと思うようになって、googleでiPhoneを検索し、iPhoneを売っているサイトに行って購入た。
 つまり少なくとも4、5回はiPhoneの広告に接しているわけだ。
 今は、購入の直前のキーワード広告だけが評価されているけれど、実際にはバナー広告なども購買意欲を高めることに十分貢献している。そのことを考慮して、バナー広告などにも予算をうまく分散すべきだろう。そうしたニーズに応えることが、複数のシステムを連携させることで可能になっている。
 ダブルクリックの広告配信サーバーの「ビュースルー」と呼ばれる機能がある。特定のユーザーを追跡して同じ広告を何度見たかを把握できる機能だ。これをオムニチュアのウェブ解析ツール「サイトカタリスト」と連携させることで、購入に至るまで同じ製品の広告に何度触れたかが分かる。
 ユーザーがアップルストアのiPhoneの購入ページで「購入」ボタンをクリックするまでに、ウェブ上でダブルクリックが配信するiPhoneの広告を何度目にしたかが分かるわけだ。
 これら途中の広告は、直接の購入にはつながらなかった。でもブランディングに効果はあったわけだ。
 過去にブランディング広告の効果を測定できるツールはなかった。自社以外のサイトでの広告の効果を測るダブルクリックのツールと、自社サイト内での販売の記録を解析するオムニチュアのツールが連携することで、初めて可能になったわけだ。これは非常に画期的なことだ。
 広告を何度見れば購買につながる確率が高いのかが分かれば、広告の打ち方も変えることができる。例えば、広告を2回見た人の50%は購入していることが分かったとしよう。3回だと75%まで上がるのに、4回見た人で購入した人は70%に下がっている。こういう結果がでれば、4回以上の広告配信の予算は無駄ということが分かる。
 そこでダブルクリックの広告配信サーバーで、1ユーザーに配信する広告は3回が上限、というように設定すれば、効率よく広告予算を運用できるわけだ。こうしたことが、2社以上のツールの連携で可能になっているわけだ。

-でもダブルクリック1社がネット上のすべてのサイトに広告を配信しているわけではない。ほかの広告配信会社とも連携する必要があるのでは?

 もちろんその通りだ。まずは大手の広告会社から連携を始め、いずれすべての広告会社と連携できるようにしていきたいと考えている。

-IT大手によるオンライン広告会社の買収が続いています。そしてウェブ解析を提供するところも多い。こうした大手とどう戦っていくのですか?

 グーグルはアドワーズという広告の仕組みを提供している広告媒体でもある。こうした広告媒体がウェブ解析サービスを提供して、「われわれの広告媒体で掲載された御社の広告は効果が高かったのですが、他社の媒体での効果は低かった。もっとわれわれの媒体に広告を出したほうがいいでしょう」という提案を行ってきたとしたら、あなたはどう思う?信じますか?
 だから、ウェブ解析はわれわれのような独立系が手がけるのがいいと考えている。
 広告主は広告会社の独占を希望していない。広告会社が1社しかなくなり競争がなくなれば、技術革新を怠る恐れがあるからだ。広告主は複数の広告会社が存在することを求めている。そして複数の広告会社を通じて出した広告がどの程度の売り上げにつながっているのか、ということを解析する独立系のサービスが求められているのだと思う。
 グーグルが分析ツールを無料で提供するのは、複数の広告会社を利用してあちらこちらに広告を配信することができない小規模の企業のため。中規模以上の企業や大企業は独立系のサービスを求めている。

-でもグーグルはロングテール側からゆっくりと攻め込んでくるのでは?

 大企業はグーグルにウェブ解析を求めない。例えばヤフーは絶対にグーグルに解析を求めないだろう。データを絶対に渡さないだろうと思う。われわれはヤフーからも、マイクロソフトからもデータを受け取っている。それはわれわれが独立系だからだ。
 大手ネット企業が広告会社として競合することはいいことだと思う。技術革新を促進するし、広告主にとって価値を創造する。
 過去何年間かはgoogleが躍進した。でもまた別の企業が表舞台に躍り出てくることもあるだろう。行動ターゲティングという新しい技術で伸びてきた企業もある。競争はいいことだと思う。

-大手ネット企業がオムニチュアの買収を提案してきたらどうしますか?

 われわれはまだ若い企業だし、成長する機会はまだまだある。今は顧客の要望に耳を傾け、製品の改良に力を入れたい。

-さきほど、システム連携の具体例を2ついただきましたが、今後ますます多くの連携が登場するのではないかと思います。今後の傾向をどのように見ていますか。

 1つの傾向としては、複数のシステムの連携がある。
 例えば、あるユーザーがgoogleで「デザイナージーンズ」というキーワードで検索したとしよう。それで検索結果から、そのユーザーが、あなたのジーンズ通販のサイトに来た。このユーザーはあなたのサイトでジーンズをいろいろ見て回ったのだが、結局ジーンズを買わずにベルトを買った。
 このユーザーにメールを使って再びセールスをかけたい。今までなら、このユーザーの過去の購入履歴を見てもベルトを買ったことしか分からない。でも「デザイナージーンズ」というgoogleの検索キーワードから、このユーザーが最新のファッションに興味を持っていることが分かるので、最も新しいおしゃれな製品の宣伝メールを送るのが効果的であることが分かる。
 つまりユーザーを理解できるような情報を持つところと、自社サイトのウェブ解析と、メールマーケティングサービスの3つが連携しているわけだ。われわれのシステムと連携できるシステムを持つパートナーは130社を超えた。こうした複数のシステムの連携は今後ますます増えていくだろう。また連携の形も、もっともっと複雑になっていくだろう。
 もう1つの傾向は、新しい形のレコメンデーション。みんなが今日、何にアクセスしたかというデータを基にしたコンテンツの推薦、商品の推薦が始まっている。
 記事の下に関連記事として見出しのリストが表示されるページがあるが、ほとんどの場合、関連するキーワードが含まれる記事が表示されている程度のもの。
 新しい形のレコメンデーションは、キーワードでマッチさせるのではなく、どの記事をトップページのどの部分に表示させればページビューが上がるのかということを、ウェブ解析の結果を基にシステムが判断してトップページのレイアウトを自動的に変えるというもの。こうした新しい形のレコメンデーションをCMSに取り入れて、サイトのレイアウトを自動的に変化させるサイトが増えてきている。

-それは先ほどのスーパーマーケットの売り場が買い物客に合わせて自動的に商品を変えるという話ですよね?。

 まあそうだけど、今までは過去の購入履歴をベースに商品が並べられた。最近は、解析の結果にもとづいて、並び替えられる。
 例えばポテトチップとディップを並べて売れば両方を購入する人が多いということはだれにでも分かる。ところが解析データによると、なぜか今日はポテトチップを買う人でケチャップを買う人が急増した。このデータを基に売り場が自動的にポテトチップとケチャップを並べるわけだ。あなたは過去にポテトチップにケチャップをつけて食べたことがない。でも中にはポテトチップとケチャップを試しに買う人もいるかもしれない。他の人の行動データからシステムが推薦するわけだ。アフィニティ・マーケティングと呼ばれるものだ。
 こうしたレコメンデーションの機能を提供できるのは、これまではアマゾンなどの大手に限られてた。これだけのシステムを開発するのに非常に多くのエンジニアを必要としたからだ。でもわれわれとわれわれのパートナーが同様のテクノロジーを格安なコストで提供できるようになっている。多くの企業が、先行する大手と同じ土俵で戦えるようになっているわけだ。

メディア事業者の必読書「新・データベースメディア戦略」

 遅ればせながら新・データベースメディア戦略。オープンDBとユーザーの関係が最強のメディアを育てるを読了。

 「すべてのメディアはコミュニティになる。すべてのコミュニティはメディアになる」と主張してきたのだけれど、この本の内容はまあそういうことである。コミュニティをビジネスとして支えるために、データベースをどう設計し、どう利用するかが重要になるわけで、この本は、その戦略を深く解説する実務書である。
 インターネットの商業利用が始まってしばらくは、オンラインメディアはオフラインの従来型メディアをオンライン上で模倣しただけのものが多かった。まるでネットに空間的制約があるかのごとく情報を選別するエディターを置き、紙のメディアを作成する要領でウェブメディアに取り組むサイトがいかに多かったことか。一部サイトはいまだにそうだけど(苦笑)。
 こうした本が出るようになって思うのは、ようやくネットらしいメディアサイト構築のコンセンサスが固まってきたのだな、ということだ。そのコンセンサスとは、ユーザーが発信、生成するデータベースこそが、メディアなのだということだ。そしてそれが正しい認識であるのなら、すべてのメディア事業者は、データベース戦略を持つべきである。その意味で、この本はメディア事業者の必読書である。
 データベース戦略を持たないメディアサイトは、「人と人との間に立つ、情報と情報の間に立つ」という意味での「メディア(媒介者)」ではない。データベース戦略を持たないメディアサイトは、単なるコンテンツ提供者である。検索エンジンやRSSリーダー、他社サイト、ブログからアクセスが流れてくるだけの「コンテンツのストレージ」に過ぎないのだ。
 本の最後に「どのようなデータベースを扱うのか。データベースをどう見せるのか。その答えのなかに、まだまだビジネスのチャンスはたくさんある」という一文が出てくるが、まさにその通りだと思う。
 この本を読んでもビジネスのチャンスが見えてこないのであれば、これからのメディアビジネスでの勝ち目はない。この本の中でも議論されているが、1つのメディアのニッチ領域の中で勝ち残れるのは1社だけになるだろう。
 そういう事業者はコンテンツ提供者としての戦略を突き進むのがいいと思う。

 

 執筆者はデータセクションの橋本大也氏、ECナビの宇佐美進典氏、きざしカンパニーの潮栄治氏、エフルートの佐藤崇氏、ウノウの山田新太郎氏。
 個人的に面白かったのが、宇佐美氏の章。コンサルタント出身だけあって、理路整然と現状を説明している。潮氏の章も非常に論理的だった。エフルートの佐藤氏とは面識がないのだが、一度取材させてもらいたいと思う。
 佐藤氏の指摘通り、ケータイウエブとPCウェブでは特性が異なるので、米国のウェブ大手を相手に日本のベンチャーが十分に戦っていけるのだと思う。佐藤 氏の章を読んで、実際にエフルートのモバイル検索を試してみたが確かによくできている。今後ケータイでの検索はエフルートを使うことが多くなりそうだ。
 山 田氏の米国先行事例の豊富さとその正確な認識にも感心した。日常の実務をこなしながら、よく勉強されているものです。
 出版社はインプレスジャパンになっているが、この本はだれの企画なんだろうか。非常に優れた企画だと思う。最後の著者による討論は、司会者不在のためか、議論の焦点が絞れていないのが残念だった。

そのほか、参考になった部分を自分のメモ用に以下に書き出してみる。

・データベースメディアの成功の秘訣
 1)魅力的な情報のデータベースを持っている
   a 独占的な情報のデータベース
   b 分野網羅的なデータベース
   c フレッシュなデータベース
 2)データベースをオープンな状態においている
 3)ユーザー同士のコミュニケーションを活性化させている
 4)適切なインターフェースとナビゲーションをもっている
 5)データベース構造がビジネスモデルと直結している

・データベースのビジネスモデルの形
 1)掲載料、登録審査料
 2)ユーザーからのプレミアム利用課金
 3)記号からのシステム利用課金
 4)データベースの二次利用権の販売
 5)広告費

・オープンデータベースの構築が新しいビジネスのカギになる

・ケータイの特性
 1)個人認証がPCよりも深いレベルで可能である
 2)セキュアな環境が整っている
 3)パーソナルな端末である
 4)決済システムが整っている
 5)通信キャリアが率先してコンテンツ配信をうながしている
 6)文字情報以外の情報入出力が可能な機器である

・可能性のあるケータイサービス
 1)電話帳、スケジュール帳がつながるサービス
 2)パーソナライズド検索
 3)メタバースサービス
 4)モノと人がつながるサービス

・モバイルデータベースメディアは、この数年の間に急激な成長が見込めるジャンルといえる。

・構築するデータベースの選び方
 1)テーマを絞る
 2)既存のデータベースをうまく利用する
 3)組み合わせる
 4)既存のアイデアを横展開する
 5)従来のサービスでは囲い込めないニーズを取り込む

・データベースの見せ方
 1)求めるデータに合わせたデータの集め方
 2)モチベーションを喚起する
 3)コミュニティ参加以後のアクションを簡単にする

セミプロ、アマチュアが作る広告-ボツにした未完成原稿vol.9

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼セミプロ、アマチュアが作る広告

 さて広告も表現物である。クリエイティビティの産物である。アマチュアのジュリエイティビティが爆発する中で、広告製作の領域にもアマチュアやセミプロによる進出が今後活発になると考えて間違いないだろう。
   英ガーディアン紙は、広告ネットワーク事業に参入している。具体的には、自社ウェブサイト上の旅行に関するページの広告枠と、旅行に関するサイトやブロ グの広告枠を1つの広告商品として取りまとめ、旅行代理店や航空会社など関係の広告主に販売している。

広告主の出稿する同じ広告が、ガーディアンのサイト の旅行に関するページに加え、他社の旅行サイトやブログにも表示される。どのサイトやブログを広告ネットワークに参加させるかという判断と、参加の合意を 取るための交渉が、ガーディアンの仕事となる。
 ガーディアンは、旅行のほかにも環境に関する広告ネットワークも運営しており、今後も新しい分野の広告ネットワークを次々と作成していくという。
 広告ネットワーク事業は、日本でもオンライン広告会社が提供しているが、メディア企業が手掛ける例はまだない。
 一方、英デイリー・テレブラフ紙を発行するテレブラフ・メディア・グループは、広告製作部門を拡充し、サイト上の宣伝ビデオの委託製作事業に乗り出した。紙の新聞の広告主に対して、宣伝ビデオを含むオンライン、オフラインの広告をパッケージにして販売するようだ。
 新聞などの従来型メディアの広告市場が縮小する中で、メディア企業自らが広告事業に乗り出してきたわけだ。
 一方、日本では、一般ユーザーが広告を製作するという動きが世界に先立って始まっている。
 株式会社エニグモは、消費者参加型CM製作ネットワーク「filmo(フィルモ)」を運営している。その仕組みは次のようになっている。
  まず広告主から動画CM製作の依頼をエニグモが受ける。どのような製品のどのようなCMを希望しているのか、という広告主側からの要請が「クリエイティ ブ・ブリーフ」として、専用サイトfilmoで公開される。そのクリエイティブ・ブリーフに従った製作した動画CMが一般の会員から寄せられる。約2万人 が会員として登録しているという。製作した動画CMはエニグモのチェックを経て、ブログや動画共有サイトへのアップが可能になり、その後の審査で応募作の 中から優れた作品に賞金が贈られる、というものだ。
 これまでにドミノ・ピザや、東芝EMI、松竹株式会社、株式会社リクルートの住宅情報関西版、コンフェクショナリー・コトブキ、株式会社タカラ・トミー、サッポロビール、ナショナル、オリンパスなどの広告主企業がクリエイティブ・ブリーフを公開している。
  試しに、ドミノ・ピザのクリエイティブ・ブリーフを見てみると、「CMの目的」は「ドミノ・ピザの売り上げアップ」「ドミノ・ピザのブランドイメージ向 上」となっている。「CMを見て感じさせること」は「ドミノ・ピザを食べたい!」ピザといえばドミノ・ピザ!」。「商品の売り」は「品質にこだわった大人 のためのピザ」「どこよりも簡単なネット注文システム」となっている。
 また動画申請を通過した会員100人に対しては制作 費として1本当たり4000円が支払われるほか、金賞1名に10万円、銀賞1名に5万円、銅賞1名に3万円、入選作品9名に1万円ずつが賞金として手渡さ れるとなっている。ドミノ・ピザの動画CMの審査は既に終了しており、「ドミノ・ピザたべたい」などと歌いながら商店街で踊る動画などが入賞している。

 ▼広告にも「団体戦」という競技

 この本を書くために非常に多くの広告業界関係者を取材した し、意見交換も行った。その際に、こうしたセミプロやアマチュアによる広告製作の話をすると、ほとんどの広告業界関係者は、アマ製作の広告の効果に懐疑的 だった。「アマチュアにプロのような影響力のある広告は作れないでしょ」と鼻で笑う広告マンもいた。
 株式会社関心空間の前 田邦宏氏は「マスがまだ把握できていないニーズやウォンツを見つけ出せるのが、ヒットを出せる開発者、マーケッター、広告マンだろう。口コミとはまた別。 神の声が聞こえるクリエーターが存在する。口コミが広告のすべてになるとは思えない」と語る。消費者の声を集めたコミュニティーサイト「関心ドットコム」 の運営者がそう言うのだから、説得力がある。
 確かに、個々人のメッセージ力の競争になれば、前田氏の言う通りプロに軍配が上がるのかもしれない。アマチュアで、時代を動かすメッセージを作り上げるのは至難のわざなのだろう。
  日本でも、記者発表会と並んでブロガー向け製品発表会を開く企業が大企業を中心に増えてきた。それでも、マスコミの記者と比較すると、ブロガーを通じた情 報伝播の力は非常に小さいという。大企業側も、ブロガーの記事で製品が爆発的に売れるようになるとは期待していないようで、消費者がネット検索したときに マスコミ以外の記事がヒットするようにしたい、という程度の期待だけでブロガー発表会を開催しているらしい。
 アマチュアがブログという表現ツールを得たからといって、一人のマスコミ記者と一人のブロガーを比較した場合、マスコミという大きな情報パイプを持っているマスコミ記者のほうが情報を広める力を持っているのだ。
 といってもそれは、一人の記者、一人のブログの競争という個人戦の話。個人戦という種目に加えて団体戦という種目が情報の分野にも登場したことは、これまでに述べてきた通り。
 アマチュアでも周りの2、3人や影響力のあるメッセージを発信することは可能だ。このロングテールのメッセージをテクノロジーの力を集めて集結するという競争が始まっているのだ。
 その競争で最初に成功したのが、検索連動型広告だ。
  検索エンジンで検索した際に結果ページの右に「スポンサーリンク」として表示される検索連動型広告の2行ほどのメッセージはどれもシンプルなもの。広告ク リエーターが作ったような洒落た文言はない。時代を動かすようなメッセージではない。しかし無数の検索連動型広告を集合体としてみれば、確実に効果があ る。効果があることが立証されたからこそ、検索連動型広告は大きな市場になったのだろう。
 広告の世界にも、人間の力が勝負 を決める個人戦に加え、テクノロジーの力が勝負を決める団体戦という新しい種目が登場したのである。この新しい種目の中で最初に先頭に踊り出した選手が、 検索連動型広告である。しかしレースは始まったばかり。検索連動型広告に追いつき追い越そうというテクノロジーが次々と登場してきている。そして今後は個 人戦より団体戦の重要度が増していく。
 ビジネスチャンスは、個人戦という古い競技種目の中よりも、団体戦という新しい競技種目の中により多く存在するのである。


序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7
表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8

iPhone発売でも見送り?

iPhoneが発売されても見送るかも、という意見がちらりほらりと出てきていますが、僕も見送ります!
今のところ僕のハッピー・コンビネーションは以下の通り。
ケータイ + Dell PDA with emobile + シグマリオンⅢ

シグマリオンⅢは、原稿書きを仕事にしている者にとっては不可欠。長文メールは、シグⅢで書いてメモリに保存し、メモリをPDAに差し込んで赤外線でケータイに飛ばし、ケータイのgmailで送信するということをしています。短文ならケータイで処理するけれど。

最近はシグⅢを知らない人が多く、こないだも新しい物好きのジョージ君が「何それ!そんな最新機種見たことないっす」と言っていた。

最新じゃないよ。今はなき数年前の名機だよ。

UMPCが発売されたところで、バッテリーの持ちを考えればあと数年はシグⅢを手放せないと思う。ウィンCEだから、ふたを上げればすぐに起動するし。

Dell PDA + e-mobile > iPod Touch

10メガのADSLを工事費無料で月1500円で敷いたという江口さんのブログを読んで、自宅の回線を光からe-mobileのADSLに変えることにした。だってこれまでプロバイダー料金と合わせて7000円ほど払っているんだもん。しかも無線LANルーターをかませてあるので、実際には10メガしか出ていない。光回線の意味がないというバカなことをしていたわけです。
e-mobileは実際には、モバイルデータ通信とのパッケージ料金ということで、モバイルデータ通信は一番安い2000円のコースにした。それほどモバイルでがんがん使いそうにないから。これで3500円で自宅回線とモバイル7.5メガの両方が手に入った。
モバイルデータ通信には、PDAとノートPCの両方が使えるようにコンパクトフラッシュ型カードを約1万円で購入。
これをDellのPDA「x51v」に挿入。最初は不安定でちょっと苦労したが、再起動とプロセッサ速度を最大に設定することで安定した動作になったので、まずはひと安心。どういうわけだか、再起動してもActiveSyncが実行中になっていたり、プロセッサ速度が「自動」に切り替わっていたりするので「設定」の「メモリ」「電源」は常に要確認。
でも知らなかったんだけど、ウィンドウズモバイル向けのブラウザ「NetFront 3.5」(期間限定無料お試しα版)とモバイル版グーグルマップ(ダウンロードソフト、無料)というのが出来ていて、iPod touchの操作感で画面を動かせるんだ!スゲー!!
特にグーグルマップがPC上のグーグルマップの感覚で操作できる。それを出先で、街頭で自由にできるんだからすごい。iPod touchは無線LANのある場所でないと使えないのに対し、Dell PDA + e-mobileは都市圏ならどこでも使える。ということでDell PDAの圧勝!

といってもiPhoneがにほんでも発売になるまでの話だけどね。

使う頻度が激しく低下していたDell PDAでしたが、再び主要マシンとして急上昇したというお話でした。

動画は、Dell PDAとイーモバイルでGoogleマップとNetFronttがサクサク動いている様子。撮影してくれているのは、オカッパ頭のホンダくんです。

Photo

表現者にとっていい時代になるのか悪い時代になるのか-ボツにした未完成原稿vol.8

主張を180度転換したのでボツにした原稿です。何かの役に立てばと思いアップします。未完成原稿ですので、未確認情報が含まれます。ご注意ください。

▼コンテンツの未来、メディア企業の未来

 では人間の力をコアコンピタンスにするプレーヤーは、どう戦っていけばいいのだろうか。そういうわたしも、テクノロジーではなく人間の力に頼るプレーヤーである。
 小説などの創作物の分野でのアマチュアの活動が盛んになり、相対的にプロの創作物の価格が低下する中で、創作物の未来はどうなるのだろうか。
  「コンテンツ・フューチャー」という本がある。文章や映像などのコンテンツのクリエーターたちの対談集となっているが、総表現者時代のプロの報酬の低下、 ビジネスの形態の激変に対する苦悩がめんめんとつづられている。コンテンツに対する報酬が低下し続ければ、プロはどのようにして生計を立てればいいのだろ う。ひと事ではない。これはわたしにとっても重要な問題である。

 プロが食えないようになれば、いい作品が生まれなくなり、作品の多様性が損なわれる。芸術性や多様性の低下は、人類にとって大きな損失である・・・。こういった思いを抱く人は少なくない。
 ブログが増えたところで、ゴミの情報が増えただけ。芸術性や多様性のプラスになっているわけではない。こういう主張も多い。
 本当なのだろうか。
  気をつけなければならないのは、先に述べたように現在はメディア消費の変化の過渡期であるということだ。過渡期はせいぜい20年から30年くらいのもの。 いやもっと短いかもしれない。現時点でのメディア消費の現実が、本格的な情報化社会時代においても永遠に真実である可能性は低い。
  わたしは農民の兵隊が士族を打ち破ったときのように、大量生産の商品がギルドの商品より広く受け入れられたときのように、多くのプロのクリエイターはやは り今までの仕事のやり方で生計を立てるのは確かに困難になっていくのだと思う。ただイタリアの靴職人のように、ほんの一握りのプロに対する仕事は残るだろ う。
 プロの今後の進むべき道の2つしかない。1つは、生計を立てられるほどのトップレベルを目指す道。2つ目は、特技と関連のある仕事に転換する道だ。
 残念ながら1つ目の道は、非常に細く険しい。ほとんどの人は、2つ目の道を進むことを余儀なくされるだろう。転職である。カメラマンがカメラ教室の講師になるなど、自分の特技を活かす形で新しい仕事の領域を目指すしかないだろう。
 これはメディア企業などコンテンツを作る企業にも言える。道は2つに1つ。コンテンツの質を徹底的に向上させるか。それともコンテンツ製作とは別の価値を創造するか、の2つに1つなのである。
  「ウェブ2.0」というキーワードを流行させたティム・オライリー氏率いるオライリー社は、テクノロジー関連の本を出版する出版社である。コンテンツを作 る会社である。しかしコンテンツ製作の未来が明るくないことから、事業の領域をカンファレンスや見本市などのイベントに徐々にシフトさせているという。コ ンテンツ自体を製作する業務領域から、コンテンツを核に人々が集う機会を提供するというマッチングサービスの領域に軸足を移行し始めたわけである。

▼食えなくても表現したい時代

  プロがコンテンツを創作できなくなることで、芸術性や多様性が過渡期の一時期に損なわれる可能性は確かにある。大量生産の靴が出まわることで、出来栄えの 悪い靴や同じデザインの靴が一時的に氾濫したのかもしれない。しかし今は大量生産の技術が向上し、ヘタな職人が作る靴よりもいい靴が低価格で手に入るよう になっている。同様に、コンテンツ製作のツールが向上しネットを通じての共同作業がより活発になることで、多様性は間違いなく向上するだろうし、質も次第 に向上していくのだろうと思う。
 それに芸術性や質といった物差し自体が、的外れになっていくことは先に述べた通り。コンテ ンツの消費の目的として芸術性や質を楽しむということよりも、コンテンツという仲介物を通じてユーザー同士がつながることを目的とする場合が増えるのだ。 つながる、共有することが目的の人にとって、コンテンツの質や芸術性はそれほど重要ではない。
 社会全体としてみれば、コン テンツに対する正当な報酬が与えられない時代になることを悲観する必要はない。報酬が与えられなくなるという悪い時代になるのではない。報酬がなくてもコ ンテンツを製作したい人が、自由に製作することで、表現する喜び、評価される喜び、人とつながる喜びを得られる時代になるのだ。
  しかしわたしのようにプロの表現者として生活してきた人間にとっては、非常に厳しい時代になる。だれもが表現の喜びを得ることのできる社会への変革は拒み たくない。できるだけ支援したい。しかしそうすることで、自分自身の首を絞めることになる。わたしを含む多くのプロの表現者は今、このような葛藤に苦しん でいるのではないだろうか。
 IBMが世界の広告会社の幹部に行ったアンケート調査によると、広告会社の幹部は今後5年以内 に、テレビ視聴時間の15%とパソコン利用時間の25%はアマチュアが作ったコンテンツの視聴に当てられると考えているという。ということは、プロのコン テンツを扱う従来型メディア企業には厳しい時代になるが、アマのコンテンツを扱うYouTubeなどの新しい媒体には広告予算が増えることになりそうだ、 とIBMのレポートは指摘している。


序章 経済リワイヤリング-ボツにした未完成原稿vol.0
IBMが読む広告の未来-ボツにした未完成原稿からvol1
分断される消費者の関心-ボツにした未完成原稿vol.2
メディア消費の過渡期と3層並存論-ボツにした未完成原稿vol.3
テレビCM崩壊は日本でも起こるのだろうか-ボツにした未完成原稿vol.4
ニコニコ動画に見る日本のクリエイティビティの実力-ボツにした未完成原稿vol.5
アマチュア作品はプロに勝てるのか-ボツにした未完成原稿vol.6
オンデマンドで儲からないのは当たり前-ボツにした未完成原稿vol.7