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4/18六本木で講演

 3/27のセミナーには申し込みが殺到したようで、知り合いから「主催者に直接お願いしたんだけど、キャンセル待ちさえさせてもらえなかった」という話を聞きました。参加できなかったみなさん、申し訳ありません。また4/9のセミナーにも間に合わなかったみなさんにもお詫び申し上げます。
 本日から4/18のセミナーの参加受付が始まりました。今回は募集が150人とそれなりの規模ですのでだいじょうぶかとは思いますが、このテーマでの東京での公開セミナーは恐らくこれが最後になりますので念のためお急ぎください。
 申し込みはこちらから。

福井でも講演します

 福井でも講演させていただくことになりました。参加料2000円(飲食費込み)って!やすっ!!
 福井の方は、ぜひどうぞ。申し込みはこちらから。

第1回アップグレードふくい

テーマ:テクノロジーになる広告と、経済のリワイヤリング -360度マーケティングの最先端で見えてきた次のビジネスチャンス-

【日時】2008年4月25日(金)18:00-21:30
【講師】湯川鶴章 氏
時事通信社 編集委員
講師プロフィール
【会場】福井県産業情報センター(坂井市丸岡町熊堂)
【参加料】2,000円
セミナー参加料、交流会飲食費を含みます。
当日、受付にてお支払いください。
【定員】50名
当日スケジュール

    * [受  付]17:30-18:00
    * [セミナー]18:00-19:40(1F マルチホール)
    * [交 流 会]19:50-21:30(2F レストラン グレイズ)

自分の勉強会で自分が一番勉強させてもらった件

 昨日は、広告系ブロガーとAMNの共催の勉強会で講演してきました。
 会場の高層ビルの1階エレベーターのところには「湯川鶴章氏の勉強会」という立て看板があり、ちょっと引いてしまった。
 わたしが講演する勉強会なんですが、恐らく一番勉強させていただいたのもわたしではなかったかと思います。
 講演告知からあっと言う間に満席御礼になっただけあって、参加者は情報感度の高い方たちばかり。
 織田浩一さんなどの広告系の有力ブロガーのみなさんを始め、デジタルサイネージの専門家、モバイルの専門家、ウェブ解析の専門家、ウェブ製作の専門家、システム開発の専門家、ベンチャーキャピタリスト、リサーチャーなど、最新の情報と知見をお持ちの方ばかりが参加。それぞれの分野で、わたし以上に詳しい方ばかりでした。
 いつものごとく「そんなわけないだろうよ」というようなぶっ飛んだ話をしてきたわけですが、数多くの有益な情報をいただきました。
 反響がブログなどに出始めていますが、鋭いツッコミをいただき、うれしい限りです。今のところ、ここなどが特におすすめ。

ウェブを変える10の破壊的トレンドの著者の渡辺弘美さんにお会いできたのも、うれしかったです。
 主催者、参加者のみなさん、ありがとうございました。

4/9のセミナーも受付終了。次は4/18

 満員御礼。3/27のセミナーに続いて4/9のセミナーも定員に達したため、参加受付を終了したそうです。次の公開セミナーは4/18@六本木です。こちらはまだ受付を開始していませんが、週刊広報で告知されています。受付が始まりましたら、またお知らせします。

「小売店舗はテレビを超える広告媒体に」-デジタルサイネージ②

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 デジタルサイネージの中でも、最も消費行動に近く高い効果が期待されているのが、小売店舗に設置されたデジタルサイネージである。
 小売業専門のコンサルティング会社Platt Retail Instituteのスティーブン・プラットさんは、業界誌cleverdisの2008年1月号の中のインタビューで、次のように語っている。  「ストアは、消費者とマネーと商品が出会う場所。そこでメッセージを発信するのだから非常に効果的です。広告の効果があるのかないのか、あるとすればどの程度の効果なのかを分析することができるようになれば、ストア内のデジタルサイネージの広告市場の規模は2年以内に非常に大きなものになります。5年以内に市場規模でテレビを抜くでしょう。間違いありません」。

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▼ネット店舗がリアル展開

 米オンライン旅行会社最大手トラベロシティは、オフラインのブランド戦略の一環としてラスベガスのミラクル・マイル・ショッピングセンター内でデジタルサイネージを展開している。
 トラベロシティはこれまで、同ショッピングセンター内にブースを設け、ラスベガス観光客向けにコンサートやミュージカル、ボクシングの試合などのイベントのチケットを販売していた。観光客の嗜好を聞き、カタログを見せながら、イベントを薦めるという業務が中心だったが、カタログを何冊も見せる代わりにデジタルサイネージを設置。タッチスクリーンで簡単な質問に答えていくと、幾つかのイベントを推薦してくれる仕組みになっている。イベントのプレビュービデオを見ることもできる。推薦イベントは小さな紙に印刷されディスプレーの下からブリントアウトされる。それを持ってトラベロシティの店員に相談した上で、その場でチケットを購入できるようになっている。
 どのイベントにするかの相談の大部分をタッチスクリーンで対応できるため、一つのブースで一度により多くの観光客の相手をできるようなったという。
 トラベロシティの委託でこのブースのデジタルサイネージの運営を行っているワイヤレス・ロニン社のリンダ・ホフランダーさんは「広告やコンテンツを表示するだけのデジタルサイネージから、タッチスクリーンのデジタルサイネージへと進化し、さらには実際にEコマースが可能なデジタルサイネージへの進化が今まさに始まろうとしている」と言う。ワイヤレス・ロニン社では、ショッピングセンターのブースに設置されたデジタルサイネージと、インターネット上のトラベロシティのサイトを連動させ、ブースの画面からも自分のオンラインのアカウントでチケットが購入できるような仕組みの開発を進めているという。

▼店舗は最後のマスメディア

 ウォルマート、ベストバイ、サーキットシティ、サムズ・クラブ、コストコ、アルバートソンズ・・・。米国を代表するような大手小売店チェーンだ。これら大手小売店チェーンの店頭でデジタルサイネージのネットワークを展開しているのが、仏マルチメディア・家電大手トムソン傘下の米プレミア・リテール・ネットワークス(PRN)だ。売り場にデジタルサイネージを設置している店舗の総数は約6000店。4週間で2億5000万人が来店し、デジタルサイネージを目にする計算になるという。米国人の約8割にリーチできている計算だ。
 米国では若者のマスメディア離れが進み、テレビでさえマスにリーチできるメディアではなくなってきたと言われる。米調査会社ニールセン・インストアのメレディス・スペクターさんは「小売店舗は、マスにニーチできる最後のチャンスなんです」と言う。最後のマス向け広告メディアだというわけだ。
 PRNでは4種類のデジタルサイネージを店舗に提供している。1つは、売り場の天井から大型ディスプレーを吊り下げるタイプ。売り場ごとに、異なるコンテンツを流している。売り場には、購入意欲を持つ買い物客がいる。購入寸前の消費者にリーチするため、高い効果が期待できるという。
 紳士服売り場には男性が、婦人服売り場には女性がくることが多く、ターゲット層を特定できる。そこに設置されたデジタルサイネージは、ターゲットメディアになる。紳士服売リ場では、紳士服の広告だけではなく、男性向け広告を掲載することができるわけだ。
 2つ目はレジカウンター前の小さなディスプレー。レジの前に並ぶ買い物客に見せるコンテンツだ。この場所にいる消費者は、既に欲しい商品を買い物カゴに入れている。ここで商品の宣伝メッセージを流しても効果はない。
 とはいうものの、その場を離れることができない消費者が退屈な状態で立っているわけだ。消費者にリーチするには最高の状況だ。この場所では、映画の宣伝などの短いビデオを流すのが効果的という。
 3つ目はテレビ売り場。展示されているテレビで、放送中の番組を流すだけではあまりにもったいない。PRNでは、特定の商品のコマーシャルビデオを含むコンテンツを製作し、展示されているテレビ全部で一斉に表示する仕組みを運営している。
 こうしたタイプのディスプレーを通じて、6000店舗で一斉にメッセージを発信し、米国人の8割にリーチすることが可能。PRNによると、消費財大手のプロクター&ギャンブルなどの大手広告主がこの仕組みを通じて広告を配信し始めているという。広告料収入は、PRNと店舗でシェアする契約になっているようだ。
 4つ目は通路の端の部分に設置された特売コーナーに置くタッチパネルのディスプレー。よく販売員などが実演をするような場所だ。そこにタッチパネルディスプレーを置くことで、買い物客の疑問に答えるようなサービスを提供することができる。販売員を通じた販売促進のほうが効果は高いのかもしれないが、全米各地の店頭で一斉に展開できる利点やそのコストを考えれば、商品によっては効果のある販売促進策になっている。

▼デジタルサイネージ+ウェブの発想

 PRNはスーパーマーケット内に設置するテレビの運営会社としてスタートしている。そのほかのデジタルサイネージで先行する企業も、街頭テレビの運営会社や広告会社としてデジタルサイネージ事業に乗り出しているところが多い。インターネットやウェブの世界とは、別の発想で進化してきたわけだ。
 ところがデジタルサイネージに対する期待が高まる中で、ウェブ関連企業も関心を寄せ始めており、デジタルサイネージの世界にウェブの発想が入り始めようとしている。
 日本の有力レシピ投稿サイト「クックパッド」は、レシピ総数30万件以上を誇る最大級のレシピサイトだ。同サイトを運営する株式会社クックパッドの佐野陽光社長は、「できること、やりたいことがいっぱいある」と目を輝かせる。
 同社長がやりたいことの1つに挙げるのが、スーパーマーケットにディスプレーを設置してそこでネット上のクックパッドのサイトにアクセスして人気レシピを検索できるようにすること。  「店内を無線LANで結び、安くなってきたディスプレーを各売り場に設置する。すべて技術的にはもう可能なんです」と佐野社長は言う。
 確かに特売品の食材の横にディスプレーがあり、その食材を使ったレシピを検索できれば便利だろう。
 便利なだけではない。買い物客の消費行動に大きな影響を与えることができる。レシピ検索の結果ページに、検索キーワードに関連する広告を掲載すればどうだろう。検索結果のページから、実際に選択したレシピのページに移動したときに、そのレシピの横に、そのレシピに使われている食材の広告を掲載すれば、効果があるのではないだろうか。ヨーグルトを使うレシピだったら、特定のブランドのヨーグルトの広告を掲載するという具合に、だ。
 これはインターネットの検索サービスの検索結果のページに表示される「検索連動型広告」や、検索結果のページの1つの項目をクリックして飛んだ先のページの内容に合った広告を表示する「コンテンツ連動型広告」と同じ発想である。そして検索連動型広告も、コンテンツ連動型広告も、非常に効果が高いことはネット上で既に実証済みだ。
 インターネットで商品を買ったことのない消費者はまだまだ多いが、実際の店舗で物を買ったことがない人はほとんどいない。店頭でのデジタルサイネージは、ネットを超える広告メディアになる可能性を確かに持っている。(了)



春以降に刊行予定の「経済リワイヤリング=メディア、広告の未来」(仮題)用の原稿素材です。未完成原稿ですので、引用にはご注意ください。誤字、脱字の指摘を初め、反論、コメントは大歓迎です。

またこのテーマに関する講演も、期間限定で行います。詳しくはこちら

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4/9にセミナー開催

 広告系ブロガー有志とAMN共催の勉強会のお知らせをしたばかりですが、あっと言う間に定員に達したようです。参加をご希望された方で、申し込めなかった方、ごめんなさい。

 その代わりということでもないのですが、4月9日にエイクエントさんでセミナーを開催していただくことになりました。こちらのほうは店員が25人と、それほど大規模ではないので、参加をご希望されるかたはお急ぎください。

 告知ページはこちらです。

 エイクエントさんのセミナーは3月18日午前中に告知が始まったばかりですが、もしこのセミナーも定員締め切りになった場合は、六本木のアカデミーヒルズでのオンラインビジネスセミナーで4月18日(金)19時~21時にも講演しますので、こちらのほうにお願いします。アカデミーヒルズのほうはまだ告知されていませんので、告知が始まればまたお知らせします。

「おもてなしの経営学」を読んで考察するグーグルの未来

 中島聡さんの書かれた「おもてなしの経営学 (アスキー新書 55)」を読了した。ここで言う「おもてなし」とはUser Experienceということで、User Experienceにピタッとくる訳語がないので、中島さんは「おもてなし」という言葉をあてた。この本は「ITビジネスにとって最も重要なのは『おもてなし』を形にすることである」というような話がテーマなのだが、わたしにとっては中島さんのこれまでの経験談や、そうした経験からくる独特の現状認識のほうが面白かった。出張帰りで仕事が山積みになっている中、「今は読まないで仕事をしよう」と自分に言い聞かせたのだが、根っからの優柔不断な性格のため、自分に勝てなかった。

 それで一気に読んだのだが、ブログに書きたいことは山ほどあったにもかかわらず、すぐにはブログに向かえなかった。自分の中で整理する必要がある話ばかりだったからだ。「おもてなしの経営学」を読んで、自分なりに考えたことをこれから何回か書きたい。「書評はあとで書きます」と宣言したものの、書評という形になっていないことを最初にお詫びします。
 中島さんはマイクロソフトの米国本社でウィンドウズのインターフェース作りに関与していた人である。この本の中には面白い話が幾らでも盛り込まれている。特に90年代にマイクロソフトを追い続けていたわたしのようなIT記者にとっては、感動で体が震えるくらいに面白い話が満載だ。だって、取材の過程でいつも「マイクロソフトの内部ではどんな議論が交わされているんだろう。マイクロソフトはどこに向かおうとしているのだろう」と思案していたんだが、その答えがすべて書かれているのだから。

 面白かったところを幾つか挙げると、90年代後半に米マイクロソフト社内で2つの派があったという話。ウィンドウズというドル箱を活かすためにインターネットを利用するという考えの保守派と、インターネット・エクスプローラを武器にmsnを事業の中核に据えようという革新派に分かれたという。結局、ビル・ゲイツは保守派の戦略を選択した。

(その結果)「インターネット急進派」の主要なエンジニアたちがマイクロソフトを去り、同社のインターネット戦略に大きな穴を開けた。そこでできた「空白の5年間」(2000年~2005年)をついて大躍進したのがグーグルである。

 いわゆるイノベーションのジレンマと呼ばれる現象だ。時代の急速な変革期には、手持ちのリソースを有効活用して確実に収益を挙げようという戦略と、大リストラを実施しても新しい時代にあった体制に移行すべきだとする戦略のどちらかの選択を迫られる。前者の戦略は、来年度もさ来年度もある程度安定した収益を期待できるが、その一方で、長期的には徐々に収益が低下していく可能性が大きい。
 反対に後者の戦略では、新しい時代に移行できるかもしれないが、尋常でない痛みをともなう。しかもその成功が約束されているわけではない。
 経営が秀才の合議制の形を取っている企業は、ほぼ例外なく前者の戦略を取り、ジリ貧の状態に陥る。数年後に停年を向かえる人が経営者の場合も、前者の戦略を取ることが圧倒的に多い。
 一方で、天才経営者は、後者の戦略を取り、舵を大きく切って成功する。しかし舵を切って成功する経営者はほんの一握り。舵を大きく切った企業の多くは失敗し、あっという間に姿を消してしまう。すごいギャンブルである。
 マイクロソフトは、ギャンブルに打って出なかったわけだ。
 どちらの戦略がいいのか。「おもてなしの経営学」の中には、中島さんと西村博之さんの対談が収録されているが、マイクロソフトではそれほどがむしゃらに働かなくても利益が上がっていることを、ひろゆきさんは評価している。中島さんも、マイクロソフト・オフィスが累計で膨大な利益を上げていることを考えれば、ビル・ゲイツの選択は間違ってなかった、と語っている。
 しかしその一方で、マイクロソフトの将来に期待する人は少なくなった。どちらが正しい選択とは一概には言えない。だからこそ「ジレンマ」と呼ばれるわけだ。

 同じような話になるが、1999年の終わり頃に、中島さんとビル・ゲイツが次のような会話を交わしている。

 (中島さん)「インターネットの時代になり、イノベーションのスピードが大きく変わっている。ひとつのプロジェクトに3年も5年もかけていては時代遅れになってしまう。今までとはやり方を変えて、小人数で6カ月サイクルぐらいで新しいものを作っていくべきだ」
(ビル・ゲイツ)「そんなことはどこのベンチャー企業でもできる。資金力と人的リソースを持っているマイクロソフトにしかできないことをしてこそ差別化できるんだ」

 中島さんはこのときに「会社がある程度の大きさになると、その中でスピーディなイノベーションを起こすのが非常にむつかしくなってしまう現実」を強く認識したという。

 それぞれのプロジェクトが年間数百万ドル、数千万ドルを売り上げている大企業にとってわざわざベンチャー企業と同じ土俵に立って、売り上げにつながる保証するない小さなプロジェクトを幾つも手掛けるのはあまりにも効率が悪いのだ。

 その結果、研究グループは、5年先、10年先を見た自然言語処理や人工知能の研究をのんびりとするようになる。小さなイノベーションは生まれにくくなるというわけだ。

 こうしたマイクロソフトでの経験を基に、中島さんは大企業になったグーグルの未来にも疑問を投げ掛ける。
 ひろゆきさんとの対談で、グーグルの各種サービスには「グーグルしかできないもの」はないので、グーグルの将来性が見えない、というひろゆきさんに対し、中島さんは次のように返している。

「僕もずっと悩んでいる。技術や事業がどうだという前に、瞬間最大風速かもしれないけど、「お金」というものすごい価値を生みだしているよね。あの手のビジネスは一度ブランドを築けば勝ち続けられる部分があるから、あと数年間は続けられる勢いはあるけど、その先も続くのかはわからない。今の金脈は「検索」しかないからね」
「グーグルは検索で、1本ホームランを打っただけの会社だからね」

 わたしは拙著「爆発するソーシャルメディア」の中で、グーグルの最大の強みは資金力である、と指摘し、「グーグルは全能の神である」的な見解に異論を唱えた。しかしわたしの本を取り上げたブログの書評の中には「著者はグーグルに何か嫌な思いでもさせられたのだろうか。グーグル批判がひど過ぎる」と書いていたものがあったり、なかなか日本ではわたしの主張が理解されない状況だった。中島さんの本を読んで、わたしだけではないんだ、とちょっと安心したようなところがある。

また古川享さんとの対談では中島さんはグーグルについて次のようにも語っている。

「あれは研究室です。もちろん検索ではガンガン儲けているけれど、その他の部分では非営利状態でルーズなんです。社員の多くが本当に何かを目指して仕事をしているかというと、必ずしもそうではない」
「僕がグーグルに行かない理由は簡単で、グーグルの社内で検索に匹敵するビジネスを立ち上げるのはすごく難しいと思ったからです。不思議なもので、やっぱりハングリー精神がないとダメなんです。いろいろなダイナミズムが働かない」

このグーグルの現状と将来性について、中島さんと梅田望夫さんとの対談の中で、梅田さんの指摘がやはり面白かった。

梅田さんによると、グーグルはシリコンバレーの多産多死文化を社内に取り込んだ企業だという。しかしそれでも「ハングリー精神が、外から見たときになくなりつつある。グーグルが生まれたときのようにグーグル内部から新しいビジネスが次々と生まれるかといえば、そんなに簡単な話ではない」と言う。
 それでも挑戦しなければ何も生まれない。そこで携帯電話の業界標準策定を目指したアンドロイドなどの莫大な資金のかかるプロジェクトに取り組んでいるという。
 しかしうまく行く保証はない。

 だから僕は、けっこうリスクの高い勝負と見ている。大きなところへの投資が必ずしも成功するとは思わないし、その成否がグーグルの転機になるのではないかという気がしています。(梅田さん)

 技術革新があまりにも急ピッチで行われる一方で、成功した企業は組織が大きくなり動きが鈍くなる、というIT業界最先端の現実。急速な技術革新が続く限り、1社が数年以上、王座にい続けるのは不可能ではないのか。「おもてなしの経営学」を読んで、そんなことを考えている。

広告の未来はこうなるという結論と、講演会のお知らせ

「広告の究極の形が見えた!」と興奮してしまったので、勢いにまかせて「期間限定!講演します」というエントリーを上げてしまった。
アップしたものの、こんなエントリーで講演依頼がくるんかいな、と自分自身よく分かりませんでした。でもエントリーアップからわずか72時間で、来た講演依頼は7件ほど。いやびっくり。中でも一番驚いたのが、韓国の大手ネット企業からの講演依頼。えー!!韓国にもこのブログの読者がいたのかぁ!!
ほとんどが社内セミナーなんですが、一般公開のものも幾つかありますので、確定次第お知らせします。
東京ですと、今のところ2件の公開セミナーの開催が確定しました。1つは、広告系ブロガーとAMNの共催の勉強会。これは既に告知され、募集が始まりました。

広告代理店や企業のマーケ担当の方向けの勉強会

日時:3月27日(木) 19時半開始(19時会場)
場所:株式会社オリコム 会議室 (地図
料金:4,000円(懇親会費込)
対象:広告営業に携わる方、企業のマーケティング担当者の方
人数:50名
申し込みはこちら

もう1つは、六本木のアカデミーヒルズでのオンラインビジネスセミナーで4月18日(金)19時~21時。こちらのほうは、まだ告知が始まっていません。告知が始まれば、お知らせします。

で、どちらに出席すべきだろうかと考えておられる方。次に僕がたどりついた広告の究極の形に対する予測を書きます。これを読んで、どちらに出席するかを決めてください。

 究極の未来には「広く告げる」という意味での「広告」は消滅する。すべてのマーケティングメッセージは、特定の層、個人にターゲットされる。一方 で消費者も、意識的、無意識的に情報を発信する。この企業と消費者の情報のやり取りを支えるためのマーケティングインフラの形が米国では確定し始めた。そ れは、ウェブ解析とCRMの連携を核に、あらゆる情報収集システム、あらゆる情報発信システムが1つにつながったものである。

 広告マンのクリエイティビティは、広告コンテンツ作成の部分で求められるのではなく、どういう情報収集システムと、どういう情報発信システムを、どのようにつなげるべきか、というプロセスの設計部分に求められるようになる。

 この情報のマーケティングインフラを1つの広告会社、1つのIT企業が独占することは不可能である。なぜなら、排他的に利益を独占しようという戦 略よりも、共存共栄を目指す戦略のほうが、自分にとっても利益が大きくなることを参加プレーヤーの多くは既に気づいているからだ。なぜ共存共栄戦略のほう が効果があるのかといえば、このインフラが社会の経済活動すべてを飲み込むほど大きなものになるから。今後数年間でパイ全体が急拡大するからだ。全体のパ イが急拡大することが分かっているので、排他的な競争をすることもないというわけである。
 広告会社、IT企業は、この情報インフラを一社で手中におさめようとするのではなく、自分の得意分野が何で、どのような形でこの情報インフラにつながることが利益の最大化につながるのかを考えるべきだろう。

 この文章を面白そうと思う方は27日の勉強会におこしください。
 何のことやらさっぱり分からん、という方は4月18日のセミナーにおこしください。もっと分かりやすく丁寧に説明させていただきます。 

 27日のオリコムでの勉強会は、有名な広告系ブロガーの方を始め、ベストセラーテレビCM崩壊を監修されたアド・イノベーターの織田浩一さんも出席されると思うので、かなり専門的な議論が繰り広げられると思います。上記の僕の未来予測についてガンガン突っ込まれるのではないか、とちょっと恐いくらいです。こういったかなり専門的で濃い議論に自分も参加してみたいと思われる方は、3月27日のオリコムでの勉強会にご参加ください。

 そんな濃いメンツとガンガン議論したいわけではない、できれば心穏やかに話を聞いていたい、という方は4月18日の六本木でのセミナーにご参加ください。

リアルの世界に飛び出したネット広告-デジタルサイネージ①

 デジタルサイネージとは簡単に言えば、街頭や店舗、公共の空間などで表示されているポスターや案内表示、看板などを、紙ではなく薄型ディスプレーに置き換えたものである。液晶パネル、プラズマパネル、有機ELパネルなど、薄型テレビに使われるような薄型ディスプレーの急速な価格低下を受けて、ポスターの代わりに薄型ディスプレーを使うケースが増えてきているわけだ。
 ハイビジョンテレビを見ても分かるように多くの薄型ディスプレーは色や細部の表現力が非常に優れており、紙のポスターと見間違うほどの表現力を持っている。中には紙よりもきれいという評価もあるほどだ。
 またディスプレーなので、動画を表示することが当然可能。しかしもともと紙のポスターなどの代わりに設置されるものなので、テレビのように動きの早い動画が必ずしも求めれられているわけではない。例えばファーストフード店の注文カウンターの背面の天井近くにデジタルサイネージのメニューを掲げるケースが米国では増えてきているが、朝食メニューとランチメニューが時間帯によって入れ替わったり、キャンペーン中のお勧めメニューの部分だけ少し動きのある画像になっている程度。デジタル化されたというだけで、あくまでもサインなのである。

 ハード的には、日本や韓国の大手電機メーカーの薄型ディスプレー製品をそのまま使うケースが多いものの、屋外での利用を前提に直射日光を受けても反射し ないように工夫されたものや、雨やほこりの多い環境の中でも壊れないように工夫されたものも登場している。またディスプレーにどのようなデータを表示する のかを制御する頭脳部分は、パソコン部品とパソコン用基本ソフトに独自開発のソフトウエアを搭載したものが多い。
 またデータ自体を離れた場所から一括コントロールできるように、複数のデジタルサイネージをネットワークで結んでいる。ネットワークは有線LANが使われるケースが多いが無線LANを利用したりインターネットテレビの回線技術の応用を検討するケースも出てきている。

▼イベント内容の急な変更にも対応

 米ラスベガス・コンベンションセンターは、年間150万人が利用する世界第2位の巨大見本市会場だ。敷地面積は約30万平方メートル。わたしが2008年2月末に訪れたときは、1日に7つの見本市を同時開催していた。まるで東京の繁華街のスクランブル交差点のように、北へ南へ東へ西へと人ごみが移動する。それぞれが目的の場所へ間違いなく移動するには、はっきりと目につく案内表示を会場内のあちらこちらに設置する必要がある。しかも記者会見やセミナー、分科会、会議の講師、場所、時間などの内容は、頻繁に変更になる。「とても紙ベースの表示では間に合わないんです」と同コンベンションセンターからデジタルサイネージの運用を委託されているワイヤレス・ロニン社のPhil Quattrocchi氏は語る。
 紙やポスターや布の横断幕に混じって同コンベンションセンターに設置されているデジタルサイネージは181個。
 比較的広いスペースの真ん中には、案内表示のためのキオスク型のデジタルサイネージが設置されている。「どちらに行きたいですか」、という表示の下に「北棟」、「南棟」と書かれた長方形のボタンが2つ。「北棟」のボタンに触れると、「北棟」の見取り図が表示された。
 また会議室横の壁には小型のデジタルサイネージが張ってあり、現在会議室の中で行われているセミナーの内容が記されてある。1時間もすればセミナーが終了し、次のセミナーの内容がまた、デジタルサイネージで表示される。
 コンベンションセンター周辺では無料の公衆無線LANの電波が利用できるので、ワイヤレス・ロニン社はこの無線LANを利用して、デジタルサイネージのコンテンツを配信している。
 コンテンツ自体は、イベントの主催者が専用ウェブサイトを通じて書き込むことが可能。ウェブサイトを更新する感覚で、デジタルサイネージに表示させる内容の書き換えが簡単にできるという。講師の欠席など急な内容変更にも対応できるわけだ。
 これだけのシステムなのに、ワイヤレス・ロニン社が同コンベンションセンターに常駐させている担当者は一人。無線LANがインターネットの公衆回線につながっているため、インディアナポリスの本社から24時間体制で保守が可能だという。
 デジタルサイネージのハード機器は、同コンベンションセンターが所有、ディスプレーはNEC製だという。韓国サムスン製のディスプレーを使用したところディスプレーに埋め込まれたRFIDと呼ばれる超小型ICチップが無線LANが混信を起こしたためNEC製に切り替えたという。

▼カジノをメディアに

 ピラミッドの形をしたホテルとして有名なルクソール・ホテル・アンド・カジノのデジタルサイネージを一手に引き受けているのが、米ラスベガスの地元企業のカジノ・チャンネル・ネットワーク(CCN)社だ。
 フロントデスクの後ろにの壁に掲げられたデジタルサイネージには、ホテルのロゴやホテル内のレストランやショーの広告に加えて、大手自動車メーカーの広告などが表示される。となりのホテルとの連絡通路の入り口部分に大きなディスプレーを設置しているほか、ポーカーテーブルの角にも小さなディスプレーを設置し、広告を表示している。
 1つのホテルのデジタルサイネージをすべて受け持っているため、全体のコーディネートも可能。入り口近くの大型ディスプレーでは、ショーの映像を大音量で流して入場客の目を引く一方で、フロントデスクのディスプレーからは音を出さないようにしている。
 「ラスベガスには全米、全世界から多くの人が訪れる。2日半でほとんどの宿泊客が入れ替わる。われわれのコンテンツは1月に200万人の観光客の目に触れます。デジタルサイネージはある意味マスメディアなんです。広告効果が非常に高いんです」とCCNのカレン・ゴールドさんは言う。
 CCNは過去に、レコード会社と共同で新人女性カントリー歌手の売り出しキャンペーンを行っている。具体的には、大型ディスプレーで歌手の映像を流したほか、ホテル内のあちらこちらのデジタルサイネージで女性歌手の写真を頻繁に表示した。また電話の保留の音や、モーニングコールの音として、彼女の歌声が電話口から流れるようにした。またホテル内の売店でCDを販売。キャンペーン期間の最後には、フィナーレとして彼女のコンサートをルクソールホテル内で開催したという。まさしくホテル、カジノを1つのメディアとしてキャンペーンを仕掛けたわけだ。
 ディスプレーの所有、維持からネットワークの管理、コンテンツの製作までをCNNが受け持ち、ホテル側はデジタルサイネージの設置を許可するだけ。それで広告の売り上げの一部を受け取ることができる契約になっている。
 世界の4大広告会社グループの1つ、Publicis Groupe傘下でデジタルサイネージ関連のテクノロジー企業MarketForwardの最高技術責任者Manolo Almagroさんは、「客を逃さないような場所、例えば、病院や歯医者の待合室、カジノやバー、スポーツ競技場などもデジタルサイネージの広告効果が高い」という。
 デジタルサイネージはこれらの場所をすべてメディア化するわけである。

▼広告ネットワーク化されるバー、レストラン

 カナダのオンタリオでデジタルサイネージのネットワークを運営するブラスト・メディア・ネットワークス社のJeff Whiteさんは、オンタリオ周辺地域でレストランとバーの小さなチェーンを展開しているビジネスマンでもある。ここ2年間ぐらいでデジタルサイネージの設置を勧めるセールスマンが数多くフライトさんを訪れるようになったものの、納得のいく提案は1つもない。そこで自らデジタルサイネージのネットワークを運営することを思いつき、2007年にブラスト・メディア・ネットワークス社を創業したという。
 自らバーとレストランを運営するフライトさんである。どうすればバーのオーナーの関心を引くのかは、言われなくとも分かっていた。
 「バーのオーナーは忙しい。業務時間中に行っても営業マンがやってきても、まともに話なんて聞いてくれないよ。そこで若くてきれいな女性4人を営業担当者として雇ったのさ」と笑って話してくれた。あとは技術の担当者を一人雇用しただけ。自分を含めて6人の会社だ。
 女性の営業担当者はカナダの主要都市を回り始めた。提案内容は「テレビも映る大型ディスプレー三台を無料でお貸しします。保守もこちらがすべて無料で行います。画面の一部には広告を表示しますが、その広告収入の大半をバーにお支払いします」というもの。カナダでは最近の法令で一部バー、レストランが全席禁煙となり、特にバーは愛煙家が寄り付かなくなって経済的な大打撃を受けている。バーの多くは新しい収入源を、のどから手が出るほど求めていた。そこに初期投資ゼロ、メンテ料ゼロで、大型テレビを貸してもらえて、しかも広告収入を期待できるという話だ。多くのバーはこの提案に飛びついた。
 バーのオーナーや利用客が喜ぶようなコンテンツが何であるのかも、Whiteさんは熟知している。コンテンツもなかなかの人気のようだ。またネットワークは一元管理しているので、ディクプレーの電源を切れば管理サーバーで把握できる。「勝手に電源を切るのは契約違反。勝手にきれば、こちらから遠隔操作して電源をオンにしてやるんだよ」とWhiteさんは笑う。確実に広告を表示できるので、広告主も安心できるわけだ。
 「うわさを聞き付けて申し込んでくるバーも出て来たし、供給が需要に追いつかない状況だよ」とJeff Whiteさんはうれしい悲鳴を上げている。

▼オフライン環境の中のオンライン広告ネットワーク

 インターネット上には、中小のサイトを束ねることによって1つの広告媒体として商品化する「広告ネットワーク」というビジネスがある。サイト側は広告会社に広告枠を提供し、広告会社はその広告枠に広告を配信する。広告ネットワークに参加する中小サイトの広告枠には同じ広告が表示されることになる。
 なぜこのようなビジネスが成立するのかといえば、広告主は大手サイトとは直接に広告の契約を交渉するのだが、中小のサイトは1つ1つのビジネスの規模が小さ過ぎて1社ずつ対応するわけにはいかないから。そこで広告会社が中に入って数多くの中小サイトを集め、アクセスの総数で大規模サイトに匹敵する中小サイトのグループを構成する。そして、それがまるで1つのサイトのごとく、広告主と広告会社が広告掲載の交渉を行うわけである。
 広告主から受け取った広告料金は、広告会社が手数料を引いた額を、広告ネットワークに参加する中小のサイト間で、アクセス数などをベースにして分配する仕組みになっている。
 なぜこのようなビジネスがインターネット上で可能かといえば、中小のサイトと一度契約を結べば、あとの広告配信はインターネットを通じて自動で行えるからだ。ネットワークに10サイト参加していようが、1万サイト参加していようが、広告配信の手間は同じ。参加サイトが増えれば支払いなどの事務が増えるが、そうした事務が煩雑にならない程度に、できるだけ多くのサイトを参加させるほうが得なわけである。
 オフラインの広告ビジネスではこういうわけにはいかない。バーが宣伝のポスターを張ることに合意してくれたとしても、広告主の契約が切れれば、別の広告主のポスターを張って回らなければならない。郵送してバーの店主に張ってもらうという手もあるが、その場合でも実際に張ってくれているのかを確認して回らないといけない。こうした手間を考えると、契約するバーの数をあまり多くできないわけだ。
 ところがデジタルサイネージだと、広告の切り替えは広告会社側で一元管理できる。インターネット上の広告ネットワークと同じメリットがあるわけである。
 デジタルサイネージは、リアルな環境に現れたメディアというだけではない。オフライン環境の中に現れたオンラインメディアなのである。


春以降に刊行予定の「経済リワイヤリング=メディア、広告の未来」(仮題)用の原稿素材です。未完成原稿ですので、引用にはご注意ください。誤字、脱字の指摘を初め、反論、コメントは大歓迎です。

またこのテーマに関する講演も、期間限定で行います。詳しくはこちら

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グーグル脅威論は幻想

 「プロファイルパスポート」という経済産業省主導の情報大航海プロジェクトの一環のプロジェクトの記者会見に出た。詳しくはいろんなメディアが記事にしているので、そちらをどうぞ。
 簡単にいえば、消費者が意識的、無意識の両方の形で発信する各種情報を集積させて個人の属性を把握し、マーケティングに役立てるという話。
 もちろん時代はその方向に進んでいるので、研究開発領域としては間違っていない。
 でもアメリカでは、ある程度の枠組みはもう出来上がっていて、ネット企業各社がその枠組みにどうつながっていくのか、ということを検討し始めている段階。
 1からそういう枠組み作りが可能かどうかを実験している場合ではなく、完成しつつある枠組みにどう関係していくかを検討するほうが重要なんではなかろうか。
 それとも「日本の国益を考えれば、日本の企業だけで枠組みを1から作り上げることこそが重要である」とでも考えているのだろうか。
 多くの人が指摘していることだけど、情報大航海プロジェクトって、どうも???な気がする。グーグル脅威論に振り回されているんじゃないだろうか。
 わたしが今回のアメリカ取材ではっきりと再認識したのは、1社が強引に市場を独占できる時代は終わったのだということ。多くのアメリカ人エンジニアと議論したけれど、ほとんどの人がその時代の変化を認識していた。
 時代が変化したと考えるその根拠は、1つには技術革新が速すぎて規模の大きな企業にとって不利な状況が続いていること。2つ目は、人々がネットを通じて簡単につながれるので、多くの人が反対するような状況を強引に作り出せば、あっという間に反対勢力が形成されてしまうから。インターネットの商業利用があと5年早ければ、リナックスがウィンドウズの独占を阻止していたのではないだろうか。3つ目は、急速な技術革新がパイを急速に拡大させているので、他社の利益を奪い取らなくても参加者全員に利益が行き渡るから。他社を蹴落とそうとするより、他社と手を取り合って進んだほうが実は得るものが多い、ということをみんなが実感できるようになったからだ。
 グーグルの人が「グーグルvsマイクロソフトとか、グーグルvs電通とかいう物の見方って間違っている。戦う必要なんかない」というようなことを言うけど、それは本当にその通りだと思う。時代の主導権を握る唯一の方法は、多くの人に多くの便益を与え、多くの人に受け入れられることしかない。強引にユーザーを囲い込んで暴利をむさぼることは、もう不可能な時代になったのだと思う。

期間限定!講演します

 先週末に2週間の米国取材から帰国しました。デジタルサイネージ・エキスポとオムニチュア・サミットを中心に取材してきました。非常にエキサイティングな取材でした。取材の結果はもちろん原稿にまとめるつもりなんだけど、だれかに話したくてうずうずしています。
 ということで本日から1月間の期間限定で、広告とマーケティングの未来に関する講演を格安の講演料でお受けしたいと思っています。ご興味のある方、ご連絡ください。

追記:早速問い合わせをいただき始めました。ありがとうございます!幾つかご質問にお答えします。社内セミナーもちろん大歓迎。小規模な勉強会でも、マン・ツー・マンでもOKです。原稿、レポートの執筆依頼もOK。今回はスケジュールが合わないという理由以外では断りませんので、過去にお断りしたことのある方でも(その節は失礼しました)、ぜひご連絡ください。内容は、街頭メディアとウェブ解析までが1つにつながった「360度マーケティング」という新しいパラダイムがその具体的な姿を見せ始めた、というお話です。広告、マーケティングは完全にテクノロジーになろうとしています。新たなビジネスチャンスも見えてきています。Omniture Summitに一緒に参加した、あんけいさんも早速エントリーをアップされています。あんけいさんのエントリーを読んで思ったのですが、Googleでさえ追いつけない新しい領域が急速に広がっているような気がしています。単なる勘でしかないのですが・・・。

追記:講演が確定し始めました。参加を希望される方はこちらから。

本を書きたい人は前向きなブログを書くべき

 前向きなブログを書いている人はみんな気づいていることで、ブログを書いていない人に話してもなかなか理解されない真実がある。それは「継続は力であり、継続しているといいことがたくさん起きる」ということだ。
 いいことの幾つかの具体例を挙げると、「会いたい人に会えるようになる」というのがあるけれど、出版社から本のオファーがくるというのもある。
 今、Life is beautifulの中島聡さんの「おもてなしの経営学」という本を読んでるんだけど、ちょっと気になることがあったのでLife is beautifulの過去エントリーにアクセスしたら、こんな記事があった。「アルファ・ブロガーはなぜ本を書くことになるのか?」

 ブログを書いてある程度の数の読者をつかんでいる人は出版社にとってリスクが少ないので、ブログは新しい書き手発掘の有効な手段になっている、というような話なんだけど、「まさにその通り!」と思う。僕も若い人から「どうすれば本を出せるようになりますか?」と聞かれることがあったりするんだけど、その場合は迷わず「ブログを書きなさい」と勧めている。
 でも中には「そんなこと言ったって、湯川さんはたまたまブログブームの初期にブログを書き始めたから読者がついたんだしょうけど、今からブログをやっても読者なんてつきませんよ」と返してくる人がいる。
 でもブログを半年以上継続して読者がつかないというのは、①取り扱っているテーマに興味を持っている人が少ない、つまりそうしたテーマに情報ニーズがない。②そこでしか取れない情報ではない、つまりその程度の情報はほかでも手にはいる③一人よがりの文章になっていて何がいいたいのか分からない④ネガティブな感情が継続の原動力になっていて、多くの人の共感を得られない、などの問題があるのだと思う。
 そうした問題があっても、ブログとしてはぜんぜん問題ないし、ブログは継続すべきだと思うのだけど、本を出したいのであればこうした問題は致命傷。こうした問題をまず克服することが重要だろう。反対にこうした問題をクリアできる書き手は、必ず読者を得られるし、いずれは出版の話がくるのではなかろうか。
 それにしても「おもてなしの経営学」はおもしろい!まだ読み始めたばかりだが、ぐいぐい引かれる。アメリカ取材から戻ったばかりで、やるべきことが山ほどあって、今の目の前の仕事に無関係の本など読んでいる場合ではないのだが、やめられない。読み終わったら、ここに感想をアップします。
 実は、この手の本はあまり読まないことにしている。仮にもこの分野の情報を専門にしている自分が、「へえー」と感心しているのはあまりにもカッコ悪いような気がするから・・・。でもちょっと悔しいけれど、やはり現場を経験している人の話は説得力があって非常におもしろい。
 プロの書き手ではない人たちが、どんどん本を書き始めてプロを凌駕していくー。ネットが普及し始めた当初から予測されていたことだが、その予測通りに実際になってきているのだなと実感。社会にとっては非常にすばらしいことであるし、喜ばしいことである。でもその半面、プロの書き手を集めた会社に勤める自分にとっては辛いことだなあ、というのが偽らざる本心である。

3月17日(月)ブロガー勉強会にでます

AMN主催のブロガー勉強会が17日(月)の夜に開催されるそうなんですが、僕もほかの3人のブロガーと一緒に簡単なプレゼンをすることにしました。
「ブログ、ポッドキャストをやってても会社から何も言われないのですか?」「本業は何やってるんですか?ていうか会社の仕事しているんですか?」「何の目的でやってるんですか?名前を売ってフリーになろうと考えてるんでしょ」などという質問をよくいただくので、そうした質問にお答えしたいと思います。
とはいっても僕の場合はケースが非常に特殊なんで、会社公認のブログをやりたいと思っている人にはあまり参考にならないかも。
でもブログって本当にいいですよ、ということは伝えたい。ホント、本当にいいですよ!
もうしこみはコチラ。会費3000円ということですが、それは懇親会をワリカンで行うためだそうです。それがいいよね。