« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

ACフォーラム

PR系ブロガー懇親会の仕掛け人の一人、 エデルマン・ジャパンの矢嶋さんから「ACフォーラム」のことを教えていただいた。メディアの多様化の中で、広告、広報、インターネット、販促という枠組みを超えた新しいコミュニケーションの形を模索するために有志が集まったフォーラムだとか。
 最近の取材テーマにぴったんこなんで参加したいところなんだけど、ちょっと忙しくて無理なんで、ご紹介だけしておきます。http://www.ac-f.net/

■イベント名
第3回「All Communicators' Forum(ACフォーラム)」
http://www.ac-f.net/

■日時
2008年3月16日 (日)10:45~16:30

■テーマ
『パワフル・エンゲージメント ~ 最新事例に学ぶ“絆づくり”マーケティング』

■会場
青山こどもの城 9階 会議場

■参加費
12000円/交流会3000円

【割引特典】
※早期申し込み割引:2月中申し込みで2,000円引き

■プログラム
10:45~10:55 Opening ご挨拶

10:55~11:45 Program-1
「消費者主導時代のマーケティング・アプローチ」
加治慶光氏(日産自動車マーケティング本部 マーケティング・ダイレクター)

11:45~12:25 Program-2
「健康というテーマでつくるタッチポイント」
五十川雅規氏(オアシス 代表取締役社長)

12:25~13:25 休憩

13:25~14:05 Program-3
「メーカーと消費者が出会う場作り~サンプルラボの立ち上げ」
松下昌示氏(メルポスネット 取締役営業本部長)

14:05~14:45 Program-4
「新天地・仙台における地元ファンとの絆づくりと球団事業の成功


小澤隆生氏(元・楽天野球団 取締役事業本部長)

14:45~15:00 休憩

15:00~15:40 Program-5
(調整中)間もなく発表します

15:40~16:20 Program-6
「インフルエンサーマーケティング2008と最新エンゲージメントまとめ」
本田哲也氏(ブルーカレント・ジャパン 代表取締役社長)

16:20~16:30 Ending ご挨拶

17:00~19:00 交流会
同じ建物内で講師を交えた交流会を開催します
(プレゼンターの方々も参加予定です)

■お申し込み
http://elm.ac-f.net/eLM/index.cfm

無線LANできめ細かな現在地測定-クウジット末吉隆彦氏

 位置測定技術Place Engineを開発したクウジット株式会社末吉隆彦さんにお話を聞いた。取材したのが1月29日。公開が非常に遅くなりました。すみません。
 PlaceEngineといえば、iPod Touch向けに開発を始めたという発表で話題になりました。トーキョードリフトのみなさんも取材に行ったビデオを早速アップされています。
 僕の周りでもおかっぱ頭のホンダくんがこのニュースを受けて早速iPod Touchを購入しました。確かに現在地の地図をiPod Touchで表示できれば便利だろうなあ。以前ケータイのGPS機能を使った地図の有料サービスを使っていたことがあったけど、やはり画面が小さくて使いづらい。それに大きな地下街やビルの中では使えなかったり、使えたとしても、地下街やビルのどの部分にいるのかは分からなかった。大きな地下街って結構分かりづらくて、僕は迷子になることが多いんです。
 PlaceEngineを使えば、理論的には自分がビルの何階にいるのかまで分かるので、便利になるんだろうなあ。まあそのためには、ユーザーが増えて無線LANのパターン情報が多く蓄積されなければならないんだろうけど。果たしてPlaceEngine目当てでiPod Touchを買ったホンダくんは、満足できるのだろうか。おかっぱ頭のホンダくんからの報告を待ちたいと思います。

【注意】最初のビデオは4分ほどのハイライト版です。ハイライト版はビデオポッドキャストとしても配信しています。そのあとの小さなウインドーのビデオは、ほとんど無編集です。1本10分以内で、今回は4本あります。全編ご覧になりたい方は順番にご覧ください。

 さてGPSで位置を測定する原理というのは、簡単にいえば複数の人工衛星からGPSケータイまでの距離を測って決める。距離を測るのは、人工衛星からの電波が届くのにかかった時間で判断する。
 でもPlaceEngineは、GPSとはまったく違った考え方で位置を測定する。無線LANのスポットが増えてきているけど、無線LANの基地局というのはビーコンと呼ばれる電波を常に発信している。無線LAN搭載パソコンを持っている人なら知っていると思うが、都会の中で無線LANスポットを探そうとすると、近くに5、6個以上の無線LAN基地局を察知することができる場合が多い。この複数の無線LANの電波の強弱のパターンというものは、ちょっと場所を移動しただけでも異なってくる。つまり特定の場所における電波パターンは独特であり、同じようなものはほとんどないのだそうだ。
 そうした独特のパターンと、そのパターンの電波を受けることのできる場所の情報を、データとしてデータベースに蓄積することで、同じパターンの情報で位置をたずねてきたユーザーに対して現在地情報を教えることができる、という仕組みのようだ。

気になった発言のメモは以下の通り。一語一句正確なメモではありません。

  • 無線LANの電波で位置を測定する
  • ソニーの研究所のプロジェクトを事業化
  • 複数の無線LANから配信されているビーコン情報のパターンを多く集め、データベースに蓄積を位置を推定する。
  • 電波パターンの情報の集積が必要。
  • ユーザー参加型で、電波パターンの情報を集めている。
  • 何階にいるのか、という情報までをユーザーがタグづけすることによって、より正確な情報になる。
  • オフィスビルの場合でも間に鉄板一枚あるだけで電波パターンが異なってくる。
  • PlaceEngine対応のサービスが増え、位置を問い合わせる件数が増えれば、データが増える。
  • 最初の一歩が難しい
  • 無線LAN搭載のウィンドウズパソコンやマック、ウィンドウズモバイル、PlaceEngine採用ゲームを搭載したゲーム機などで利用可能
  • GPSで位置情報が取れない地下街などでの位置情報サービスというニーズもあるのだろうが、まだ無線LAN搭載のケータイが少ない
  • 一方で、デジタルカメラなどのデジタル家電機器で無線LAN搭載機種が増えてきている。最初の普及は、そうした機器から始まるのではないか。
  • 据え置き型パソコンでも、例えばスカイプと連携して、自分の位置情報を発信できる。自分の友人リストの中で、場所が近い順に並べてみたりできる。コミュニケーションと位置情報は相性がいい。
  • リアルな人と空間を結ぶようなロケーションウエアをやっていきたい。その最初がPlaceEngineという無線LANの位置測定技術。
  • 電器売り場の特定の製品の前でその製品に関する情報や、ショッピングセンターの中で「このレストランはまだ行ってないよ」とかいう情報を出せたりする。
  • 地下鉄を降りた出口などで迷うことが多いので、こうした場面にも活用できるかも
  • 基になるエンジンに付加価値をつけてソリューション提供していきたい
  • よく行くお気に入りのエリアを把握して、そのエリアのきめ細かな情報を提供できる。
  • 山の手線での実験。端末をカバンに入れているだけで、走る電車の位置が測定できる。都市部では人の動きが分かるので、こういった情報を用いたアプリケーションを開発できる。
  • ライフログにも。モバイル端末を身につけているだけで、位置と時間を記録できる。
  • いろいろなアプリケーションが出てくる可能性がある
  • 無線LANは日本ではまだまだ面でカバーするまでにはなっていない。
  • ホットスポットを探すためにPlaceEngineを使うこともできる
  • WiMaxは情報送受信、WiFiは位置測定と、すみ分けが進む。
  • ユーザーが参加したいと思う仕組みを作ることが大事。試行錯誤中。

「it_blog_video_0021.mp4」をダウンロード

PRの重要性は増していく-ビルコム太田滋さん

 ビルコム株式会社の太田滋さんに、これからの広報業務に関するお話をうかがった。広告効果の低迷などの要因で、広報業務の重要性が増す、というのが太田さんの考え。
 僕はどう考えているかというと、広報業務の重要性は増すか減少するかの岐路にたっていると思う。太田さんのように、新しい領域へ果敢に挑戦していけば広報業務は企業内でますます重要な位置を占めていくだろう。でも反対に「記者と酒を飲むのが広報の最重要の仕事だ」と考える人がするような広報業務は、今後重要性が減少するだろう。

【注意】最初のビデオは4分ほどのハイライト版です。ハイライト版はビデオポッドキャストとしても配信しています。
そのあとの小さなウインドーのビデオは、ほとんど無編集です
。1本10分以内で、今回は3本あります。全編ご覧になりたい方は順番にご覧ください。

気になった発言のメモは以下の通り。一語一句正確なメモではありません。

  • ビルコムの社名の由来。Building Communications。コミュニケーションを築いていく。
  • PR、販売促進、ネット上の口コミプロモーションなど。戦略、企画、実行のコンサルテーション。
  • 2003年10月創業。それ以前は、パソコンソフトのメーカーで広報、宣伝、マーケティングの仕事に従事。
  • 起業の理由。マーケティング業界の縦割りを横ぐしにしたい。1つの目的を達成するのに、広告、販促、広報と縦割りになっていて、非効率。顧客のパートナーとなってネットやPRなどを横ぐしにしていく会社にしたいと思った。
  • 横ぐしが可能なのは大手総合代理店だが、ある程度の予算が必要。フィー制でないので、テレビCMや新聞広告をたくさん出さないとペイしないから。そこをフィー制にすることで、横グシが可能だと思った。
  • われわれがやっているのはPR。PRの上流行程から入っているから。
  • 主な顧客はナショナルクライアントではないが、それなりの規模の企業も多い。グローバル企業も顧客になっている。
  • 総合的な強み。他社は戦略は立てられるが、実行できない。もしくは実行は得意だが、戦略は弱い、というところが多い。われわれは川上から川下まで一環したサービスを提供できるのが強み。
  • 物質的な価値基準だけだとさびしい。精神的な幸せが必要なのでは。感動の創造。感動を世の中に伝えていきたい。
  • ほかのPR会社はあまり意識していない。学ぶことは多いけれど。
  • 日本のPR業界は、顧客企業に代わって発表文を配ったり、という業務中心で伸びてきた。
  • 日本は広告中心のマーケティングだった。2003年ぐらいからPRを代理店に委託するよになってきた。だから今までのPR会社は、発表文の配信、記者のリ ストの維持、記者発表会の運営だとか、顧客に代わって業務を代行することが仕事の中心だった。今は、その実行部分に加えて、企画、戦略が求められるように なってきた。
  • 一番の理由は、広告効果の低迷。2つ目は、情報の結節点が情報とデバイスの2つの面で増えている。
  • クライアントのトップが会議に出てきたりするようになった。
  • 今後、力を入れたい5つ
  • グローバル化
  • メディアの変化に対応
  • コンサルテーションの高度化
  • 伝える力
  • 社内インフラの強化
  • PRから事業計画を考える。事業計画からPRを考える。質のマーケティングへ。ますますPRの地位は高まっていく。

「太田滋氏ビデオ」をダウンロード



ビルコム太田滋さん-音声ポッドキャスト

 広報がマーケティングの中核になるというお話。音声ポッドキャスト向けのファイルです。

「itblog_0222.mp3」をダウンロード

オムニチュア水嶋ディノ氏

ウェブ解析ツール大手オムニチュアの水嶋ディノさんのお話。広告、マーケティングがテクノロジーになっていくのがよく分かる。ビデオ版とテキストはこちら

水嶋ディノ氏音声ファイル「itblog_0221.mp3」をダウンロード

広告、マーケティングはテクノロジーになる-オムニチュア水嶋ディノ氏

オムニチュア株式会社の水嶋ディノさんにお話をうかがった。

「広告、マーケティングというのは人手を使ったものから、テクノロジー中心のものに移行していく」という仮説のもと取材を続けているのだが、水嶋さんのお話はまさにドンピシャ。


【注意】最初のビデオは5分ほどのダイジェスト版です。そのあとの小さなウインドーのビデオは、ほとんど編集していません。1本10分以内で、今回は3本あります。それぞれのテキストのあとにビデオを埋めこみました。要点だけを知りたい方はダイジェスト版をご覧ください。詳しく知りたい方は、興味のあるテキストの下にあるビデオをご覧ください。

以下、気になった部分をメモした。必ずしも一語一句正確なメモではありません。

  • ウェブ解析ツールを中心とした最適化ツールを提供
  • ユーザーがどういう形でサイトに入ってきて、サイト内でどういう活動をして、どういうビジネス的結果に結びついたかを総合的にとらえて分析し、分析結果に基づいてウェブサイト上の変更や経営判断を行うためのツール
  • 一般的なアクセス解析と違うのは、サイトに来てからの行動だけではなく、来るまでの経緯、訪問後の結果まで統合的に把握、分析するため。
  • 「サイトカタリスト」
  • サイトの訪問データを収集し、データを処理し、データベースに蓄積するとともに、データを参照するレポートを生成するためのエンジン
  • 「ディスカバー」
  • SiteCatalystと同じデータ基盤を解析するためのBIツール。データ解析の専門家のためのツール。
  • このほかにも「サイトカタリスト」を拡張するためのツールとして、ウェブ解析データに基づいたSEM(有料検索連動型広告)キャンペーンを行うための自動入札、自動最適化を行うための「サーチセンター」がある。
  • 海外市場ではサイト内の行動ターゲティングを実施する「タッチクラリティ」、どちらのコンテンツがよい結果につながるのかというABテストを実施する「オファーマティカ」、ウェブ解析以外のマーケティング技術やビジネスに関わる技術との連携を実現する「ジェネシス」といったツールを提供している。
  • 「サイトカタリスト」
  • 2006年度世界シェア第1位。
  • サイト上の行動以外に、どこから来たか(リファーラー)などが詳しく分かる。例えば検索エンジンから来たのであれば、検索キーワードが何であるのか。通常の検索から来たのか、検索連動型広告から来たのか。サイト内検索ではどういうキーワードで検索したのか。顧客関係管理(CRM)などウェブ以外のところで行った活動もサイトカタリストの分析データと一緒に取り込むことが可能。顧客識別番号とクッキーデータをひもづけられれば、オンラインの行動の結果、どのようなオフラインの行動になったかを関連付けてみることができる。
  • 2700社以上が利用(【注】インタビュー後にVisual Sciencesの買収が完了。現在利用企業数が4000社)てしており、これまでにも現場ニーズに基づいた機能拡張を行ってきたので、必要とされる機能はすべて備わっている。また業種、サイト種別にどのようにウェブ解析を利用すべきかというコンサルティングも実施。
  • 「ディスカバー」
  • 「サイトカタリスト」が、企業内の役職に応じた情報を分かりやすくレポーティングするというツールであることに対し、「ディスカバー」はより深い分析をリアルタイムで行うもの。過去のデータの中からセグメントを抽出したりする。
  • 2006年に日本支社(2005年から国内でのビジネス展開を開始)。日本では200社が利用。
  • データを経営判断に結びつけるには、ある程度ノウハウが必要。
  • ウェブ上での活動の割合が、企業活動全体の中で年々増している。企業内でノウハウを蓄積して活用しようという動きが見受けられる。
  • 「サーチセンター」
  • 「サイトカタリスト」と密連携。コンバージョンが起きたかどうかを基準に入札を調整するというものはあるが、サイトカタリストで把握できるすべての訪問データ、例えば何度目の訪問で資料請求したか、何点購入したかなどのデータすべてを、自動入札の判断の材料にすることができることが、大きく異なる点。こういった指標に基づいてルールを設定すれば、自動的に入札が最適化される。
  • 「タッチクラリティ」
  • 行動ターゲティング広告とは違う。サイトに訪れたユーザーの行動履歴を把握し、ユーザーごとに最適のコンテンツを出していく技術。属性ターゲティングではなく、あくまでもどういった情報にアクセスしたかで、サイト内のコンテンツの表示を変えていく。
  • 「オファーマティカ」
  • ABテスト、多変量テストを行うための仕組み。ウェブサイトの中の特定のコンテンツを比較するためのテスト手法。例えば、トップページの広告枠があったとすると、広告原稿を2種類用意して、どちらの原稿のほうがクリック数が多かったかを調べることができる。ABテストは1つの要素を交換するというものだが、多変量テストは、複数の要素を同時にいろいろ変えて最適なコンビネーションを見つけ出すためのもの。
  • 「ジェネシス」
  • マーケターは、ウェブ解析だけではなく、広告配信、電子メール配信、サイト内検索技術などさまざまなテクノロジーツールを使っている。これらの情報をそれぞれのツールの中に閉じ込めておくのではなく、ウェブ解析のデータと統合して持ち、また運用するための連携を実現するためのツール。人気ツールのベンダーと協力して、既にマーケターが利用しているような人気ツールをあらかじめ、つながるように用意してある。
  • すべての顧客との接点における活動、出来事を統合的に把握し、それに対してオンライン、オフラインを問わずアクションを起こす。そのプラットホームのようなものができてくるのではないかだろうか。
  • それは広告かもしれないし、マーケティングかもしれない。広告もマーケティングの一部とすればマーケティングかもしれない。もしくはビジネスのやりかた自体になるのかもしれない。
  • フォレスターリサーチ「マーケティング・テクノロジーバックボーン」
  • 「マーケティングは危機的状況。新たな消費者傾向や顧客接点、チャネル横断的なマーケティング施策の連携や、ROIに対するプレッシャーにより、企業がマーケティング部門の役割や組織を見直し、新たなビジネスプロセスを構築することを迫られている」
  • ウェブを使ったマーケティングが出て来た段階で、これまでなかったようなマーケティングの数値管理が可能になり、費用対効果も明確に見えるようになっている。「広告の半分は無駄なのは分かっている。分からないのはどちらの半分かだ」というようなことは、もう当てはまらない。「総合的にはうまく行っている」ということでは許されない時代になっている。
  • マーケティングを業務プロセスとして管理していかなければならない。そのためにテクノロジーが重要になっている。
  • 【事例】ハピネットオンライン
  • オンラインでホビーグッズを販売。サイトカタリスト、サーチセンターを利用。
  • 検索キーワードをチェック。
  • 「くすぐりエルモ」を検索キーワードに、ハピネットオンラインに入ってくるユーザーがある日、急増。調べてみると、前日テレビで有名人がこのおもちゃに言及していたことが判明。検索が増えてことをきっかけに、仕入れ対策を取ったり、予約販売を用意するなどの対策を打つことで、突発的なヒットを早い段階で察知し、ビジネスチャンスに転換することに成功した。
  • 自然検索のキーワードやサイト内検索のキーワードに基いて、検索連動型広告のキーワードの戦略を設定している。どういうキーワードによる検索が一番購買に結びついているか、高い購入単価に結びついているか、などの情報を参考にして、検索の戦略を立てている。
  • ランディングページの最適化
  • 「クリックマップ」というツールは、ウェブページ上にオーバーレイを表示することで、どのページ要素がクリックされているか、どのページ要素がクリックされた結果、どういった売り上げにつながっているか、を視覚的に表現できる。
  • 単純にクリックの数ではなく、コンバージョンの数や、再訪問の数などで、ランディングページの表示を入れかえることができる。、
  • 「サーチセンター」
  • キャンペーンのメンテナンスが大変。入札金額を変えていったり、広告コピーを変えていったりするのが大変。人的コストがかかり、機会損失が起きていた。サイトカタリストとサーチセンターを導入することで、どのキーワードに幾ら入札することで幾らの売り上げにつながったか、という広告費用対効果を把握できる。その上で「このキーワードならこれだけの広告費用対効果が出ているので、幾らまで入札していい」というビジネスルールを設定しておくと、サーチセンターが自動的に入札してくれる。その結果、サーチセンター導入後は、広告費用対効果がオーバーチュアでは53%向上、グーグルでは20%向上した。すべて自動で、これだけの効果が出る。
  • オンラインビジネス最適化のプラットホームのプロバイダーとしてやっていく。ウェブ解析はごく一部。

「水嶋ディノ氏ビデオファイルit_blog_video_0019.mp4」をダウンロード

ケータイ小説がウケる理由(吉田悟美一著)

 

コンテンツ評価の物差しは「共有」へ、という記事を書いたあとで、ケータイ小説がウケる理由 [マイコミ新書]を献本していただきました。非常に参考になるなあ。特に、CGM的サービスは、実はモバイルでこそ真価を発揮する、という一言が心に残りました。

 著者の吉田悟美一(「さとび」と読むそうです)さんによると、ウケる理由は10個。そのうちの幾つかを紹介させてもらうと、1つは「言葉のリアリティ」。レイプや援助交際の話があったりと必ずしも読者に起こりうるようなリアルな展開ばかりではないけれど、言葉使いや状況設定が「リアル」ということだ。
 2つ目は「読者との共創」。読者から寄せられる反応を基にストーリーが展開されたり、読者が出版社に書籍化を持ち掛けるという。
 「テレビでは、放送と通信の融合など当面ありえない」というエントリーでも書いたけれど、今はメディア変革の過渡期。これからはケータイ世代が世の中の主流になっていく。ケータイ小説がウケる背景には、ケータイを使った共創型マーケティングの姿も見えてくる。メディア、広告関係者だけではなく、一般企業のマーケターにも参考になる話だろう。

 それにしてもマイコミ新書は旬な話題をすばやく新書にするのが上手だなあ。少なくとも僕のツボにはまる本を出し続けてくれているのでありがたい。

 ほかにも気になった箇所をメモ
・「恋空」は書籍化から1ヶ月で100万部を突破し、映画もヒット。
・2007年の年間ベストセラーの文芸部門のベスト3をケータイ小説が独占。ベスト10では5作がランクイン
・ケータイ小説は「小説」ではない。「読書」ではない。モバイルから生み出された全く新しいコンテンツ

・新たなメディアの登場ということだけではなく、モバイル・インターネットがもたらす「独特のコミュニケーション文化」が生まれている。
・短い文章、絵文字、記号、ギャル語。若者の文字表現が、モバイルによって変化してきている。ケータイ小説はその新しい文字文化で書かれたもの
・ケータイ小説「Deep Love」。渋谷センター街で援助交際を続ける17歳の女子高生の話。毎週1話(1600文字)配信。女子高生の口コミでアクセスを集め、作者によれば、感想メールが毎日数百通寄せられ、寄せられる実話をもとに話を構成していった部分も多いという。自費出版し3部作で10万部を通信販売
・書籍化された本が売れる一因は「ケータイで読んでいたユーザーが、記念品のような気持ちで購入するケースがとても多かった」(魔法のiらんど)
・ケータイ小説の源泉は、メール・コミュニケーション。恋愛や悩みの相談などのコミュニケーション。その発展系としてのケータイ小説
・修飾語の少ない口語的な文体が、まるで友人や仲間がすぐそこで語っているような、もしくはメールで伝えてきたような臨場感を持って、「感性」や「心」に直接響いている
・ケータイ小説の行と行がやけに空いているのは、映画のタイトルロールのような感じ。・小説とマンガの中間のようなイメージ
・モバイルは、朝起きてから寝るまで、ベッドやトイレの中まで、常に自分の傍らにあるツールであり、携帯している自分の分身。よってよりプライベートな情報の発信や自身、エモーショナルなことにも反応しやすいツール。共感したい欲求もケータイだからこそ。常にだれかとつながっている「常時接続」メディアでもある
・CGM的サービスは、実はモバイルでこそ、その真価を発揮する

テレビでは、放送と通信の融合など当面ありえない

 「放送と通信の融合」という言葉を耳にするようになって久しいが、わたしはテレビの領域でこの「放送と通信の融合」が起こることは、当面はないだろうと考えている。
 その根拠は2つ。1つは、現在はメディア変革の過渡期であり、異なるメディア消費の形の層が3層並存する、ということ。もう1つは、「変化は周辺部分から押し寄せてくるもの」だからだ。
 くわしく説明しよう。

▼過渡期に並存するメディア消費の3層

 前著「次世代広告テクノロジー」の中でも書いたが、わたしは日本社会にはメディア消費の違いから三層が共存しているのではないか、と考えている。
 最初の層は、年齢的には50代以上だろうか。10年前とメディア消費の形がそう変化していない層だ。10年前にも新聞を購読していたし、今も購読している。テレビも10年前同様にまあまあ見る。最近は、ネットやケータイも使い方を覚えたが、使い方としてはメールをときどき打つぐらい。自分だけではない。周りを見てもそうだ。今がメディアの大変革期だとは到底思えない、という層だ。「メディア利用の変化をまったく感じていない層」である。
 2番目の層は、年齢的には20代から50代。10年前との大きな違いは、パソコンが仕事の中心になり、ケータイが生活の中心になったことだ。10年前は、用事をメールで済ませようとすると「電話をかけてこない失礼やヤツだ」と言われたものだが、今はメールで済む用件なのに電話をすると「忙しい時間に電話をかけてくる失礼なヤツ」と怒られるようになった。顧客との会合の前には、顧客の名前でインターネットを検索し、顧客の最新動向をつかんでから会合に臨むビジネスマンが増えてきた。相手がブログを書いているなら、ブログを読んでから会うということがエチケットにさえなりつつある。
 ネットのおかげで新聞はあまり読まなくなった。ネットのニュースサイトや専門家のブログを読むことで、新聞以上に仕事に関する情報を豊富に得られるようになったからだ。
 とはいうものの、新聞はいまだに重要な情報源だし、テレビも見る。10年前と比べると確かに変化はある。しかしそれをメディアの大変革期と呼ぶことは少しオーバーに思える、という層だ。「少しは変化を認識している層」である。
 3番目の層は、年齢的には10代から20代。10年前と比べたくとも、比較できない層だ。メディア消費に変化はあるが、それは時代の変化というより、年齢的な理由が大きい。今はケータイを持っているが、10年前はまだ小学生だったのでケータイを買ってもらえなかった、ということだ。「変化さえも認識できない層」である。
 この層の主流メディアは、ケータイであり、ゲームである。新聞はほとんど読まないし、テレビもあまりみない。パソコン利用には個人差があり、学校でしか使ったことがない、という人も多い。
 この3つの層が現在の日本に共存している、というのがわたしの認識である。
 このことを裏付けるような調査結果が、この図である。
Photo   NHK放送文化研究所が行った「国民生活時間調査」の結果によると、過去10年間で30代、40代男性の新聞の接触時間が半減している。一方で70代や20代以下は、それほど変化していない。
 この調査からも分かるように変化を実感できるのは、真ん中の世代だけ。しかもその変化も接触時間が半減した程度。大変革期と呼べるほどの変化ではない。ほかの2つの世代に関しては、ほとんど変化を感じないだろう。
 つまり個人ベースの実感としては、ちょっとした変化、もしくはほとんど変化を感じていない、ということになる。しかし一番上の世代と一番下の世代を比較すれば、非常に大きな違いがある。社会全体としてみれば、やはり大変革期と呼ぶのにふさわしい変化の真っただ中だということになる。

 このようなことを「次世代広告テクノロジー」という本に書いたのだが、面白い反響をいただいた。
 オンライン広告会社オプトでは、この3層の存在について社内で議論をしたそうだ。
 同社の代表取締役、海老根智仁氏が寄稿したネットメディアcnetのコラムによると、議論の結果次のような3層の姿が浮かび上がってきたという。

 「メディア利用の変化をまったく感じていない層」の特徴
・60歳以上が圧倒的に多い。
・マス4媒体の接触が中心であり、パソコン、モバイルの活用はほぼ皆無である。

  「変化を認識している層」の特徴
・25歳~59歳と幅広い層が存在する。
・年代が低くなるほど、PC、携帯電話を中心にマス4媒体に接触を行っている。
・年代が高くなるほど、マス4媒体の接触が中心になるが、インターネットは利用をしている。

  「変化さえも認識できない層」の特徴
・10歳代~24歳が多い。
・マス4媒体を利用していない傾向が強い。加えそれに対し興味が無い。
・半面、パソコン、携帯の活用は他の世代に比べ明らかに多い。
・年代が下がる(10歳代)と、その傾向はより強まる。

 やはり3層は実際に存在すると考えてもよさそうだ。自分の周りに自分と同じ年齢層しかいなければ、自分のメディア消費の形が主流だと勘違いするかもしれないが、今日の日本の社会はメディア消費の過渡期にあり、ほかの2層ではまったく異なるメディア消費の形が主流であるのだ。
 そして人間というものは、それほど急速に習慣を変化させない。特に年齢の高い層は変化を嫌う。従来型メディアに慣れ親しんだ層のほとんどの人が、ケータイ中心の生活に移行することなど、ありえない。

 さて2つ目の根拠である「変化は周辺部分から押し寄せてくる」という話をしよう。

▼急速な技術革新に見舞われた業界に通じる法則性

 「技術革新に見舞われた業界は、同じように変化する」とマサチューセッツ工科大学のクラーク・ギルバート教授は主張する。
Photo_2  図は、コンピューター業界の売上高推移のグラフである。2本の線は、1本がミニコンピューター(パソコン)、もう1本は「メーンフレーム(大型コンピューター)である。
 パソコンが登場した当時、大型コンピューターのメーカーの幹部たちが「あんなおもちゃのようなコンピューターに何ができるのか」とパソコンを揶揄したといわれる。
 反対にパソコンメーカーの幹部は、「大型コンピューターは過去の遺物。絶滅寸前の恐竜だ」と反論していた。
 しかしこうした言い争いとは裏腹に大型コンピューター、パソコンともに、しばらくは順調に売上高を伸ばすことになる。一方が他方のシェアを奪うということは起こらなかった。
 双方とも順調に売り上げを伸ばすのだが、あるときパソコンの売上高が大型コンピューターのそれを抜くことになる。そしてしばらくは双方とも売上高の推移は横ばいに推移する。そして再びパソコンが大型コンピューターの売上高を抜いてからは、パソコンの売上高は伸び続け、大型コンピューターの売上高は減少の一途をたどる。
 「大型コンピューターは絶滅する」というパソコンメーカーの幹部の予測は、今日でも実現していない。一部の役割はパソコンなどの小型機に取って代わられたが、大型コンピューターでしかできたない業務も多々残っている。しかし、大型コンピューター事業は、収益性も高くなく今後成長が見込める事業でもなくなった。
 ギルバート教授は、急速な技術革新に見舞われた業界を20前後調査したが、どの業界でもこのような売上高推移を確認できたという。
 わたしがギルバート教授を取材したのは2002年。教授が、新聞業界にも同様の変化が訪れるという論文を発表した直後だった。
 そして今わたしは、同様の変化の津波が広告業界にも訪れると考えている。

▼新聞社サイトが紙の部数に影響なかったわけ

 どうして急速な技術革新に見舞われた業界は同様の売上高推移をたどるのだろうか。
 それは、新しい技術に基づく製品が、従来からある技術に基づく製品では満たすことのできなかったニーズに応えるところからシェアを広げていくからだろう。新しい製品が、従来からある製品の利用者を完全に満足させるところまで技術的に完成していないからだろう。新しい製品の可能性や持ち味を十分に引き出したり、活かす環境が整っていないからだろう。
 パソコンの場合は、まずテクノロジーマニア向けのニーズを満たす製品として普及が始まった。わたしはパソコンが普及し始めたころに米国のカリフォルニア州で学生生活を送っていたが、パソコンが登場する前は、テクノロジー好きの学生たちは大学のコンピューターに群がって自分たちでプログラミングなど組んで遊んでいたものだった。その後パソコンが開発されてからは、そうしたテクノロジーマニアたちは、自分の部屋にパソコンを持ち始めた。
 だからといって大学が大型コンピューターを廃止処分するわけもなかった。よってパソコンの売り上げが伸びても、大型コンピューターの売り上げが落ちることはなかった。双方とも売り上げを伸ばしたのである。
 1990年代半ばから2005年ごろまでの間、新聞業界内で「ネット上で無料でニュースを見せるほど愚索はい。そんなことをしていては紙の新聞が売れなくなる」と主張する人がいた。しかし実際にはこの時期に、ニュースサイトを運営していることが原因で紙の新聞の部数が落ちたという話は聞いたことがなかった。複数の新聞関係者からは「意外にも、ニュースサイトのアクセスが伸びても、紙の部数には影響なかった」という安堵の言葉を聞いた。
 この時期においては、「紙の新聞がなくなるはずがない。パソコンの狭い画面でニュースなんか読んでられない」と主張した人のほうが正しかったのだ。ネット接続は定額性ではなかったので、アクセスするたびに料金がかかった。ネット上でゆっくりニュース記事など読んで入られなかった。パソコンを立ち上げることさえ面倒だった時代だ。その点、紙の新聞は便利だった。毎日宅配されてくるし、家族がテーブルの上に置いてくれてある。気になれば、すぐに手に取って読むことができた。
 ニュースサイトを愛用者の中心は、早くからパソコン中心の生活を送っていた技術者や、パソコンマニア、情報感度の高い人たちだった。もともと新聞を購読していなかった人たちや、新聞を複数の情報チャンネルの1つと位置付けネットの登場後も新聞の購読を止める気がない人たちである。ニュースサイトで無料で記事を閲覧できるようになっても、紙の新聞の部数には影響がでるわけはなかった。
 ところがネット接続が定額性になり、朝起きたり、家に帰った時点で、とりあえずパソコンを立ち上げておく人が増えた。パソコンが常時立ち上がっているので、気になるニュースがあれば、パソコンで気軽に調べることができた。パソコンでニュースを読むことの不便さが軽減されたのだ。紙の新聞の便利さという優位性が薄れたわけである。ニュースサイトという新しい製品の持ち味を活かす環境が整ったわけだ。いよいよ、ニュースサイトと紙の新聞が競合する段階に入ったわけだ。
 従来の製品が主流の時代から、新しい製品が主流の時代への過渡期に入ったのである。

▼変化は周辺のグレー部分から

 過渡期には、複数のユーザー層が並存し、従来型技術に基づく商品の売上高が急速に低下することはない。しかし長期的には さらに技術革新が進み、環境が整えば、売上高が逆転することになる。
 この過渡期の姿を別の図にしてみよう。
Photo_3  まずもともとの製品、サービスが存在する。従来から存在するコアな製品、サービスだ。変化の過渡期に入ると、そのコアな領域の周辺に新しいグレーの領域が生まれてくる。コンピューターといえば大型コンピューターしかなかった時代におもちゃのようなパソコンが登場したといわれたころは、コアの部分が大型コンピューターであり、グレーの部分はパソコンだった。また新聞業界にとっては、紙の新聞はコアな部分で、グレーな部分はニュースサイトやインターネットであった。
 コアな領域に従事する人たちは、グレーな領域を軽視した。「あんなのコンピューターじゃない」「ネット上の情報なんて役に立たない」などという感じだ。しかしコアな製品、サービスが満たすことのできない新しいニーズをグレーな領域の製品、サービスが満たし始め、グレーな領域が拡大する。技術革新は、コアな部分ではなく、周辺のグレーな領域で起こるのだ。
 その技術革新がさらに進むと、グレーな領域の製品、サービスが、コアな領域のニーズまでをも満たすことができるようになる。そして次第にコアな領域の製品、サービスの占める割合が低下していくわけだ。
 まとめると、技術革新は周辺のグレーな領域で起こる。コアな領域とグレーな領域を合わせると、技術革新の結果、市場は大きく拡大する。ただコアな領域の製品、サービスは、グレーな領域の製品、サービスと比べて少なくとも相対的に地位を低下させるだろう。最悪の場合は、売り上げ額という絶対的な数字の低下もありえるだろう。

▼テレビでは、放送と通信は融合しない

 メディア消費の形が三層共存し、層ごとに比較すれば大きな変化と呼べるが、層の中の人たちはそれほど変化を認識していないし、急速な変化を望んでいないようにみえる。一方で、技術革新はコアな部分の周辺から始まり、ゆっくりとコアな部分にまで浸食していく。
 この2つの現象が、変革期の特徴であるのであれば、ここ何年かよく話題に上る「放送と通信の融合」は、多くの人が考えているような形で起こらないであろうことが分かる。テレビ局が、ホームページに番組の詳しい情報を載せたり、メールで寄せられた意見を取り入れる、というレベルのような「融合」なら起こるだろう。しかし、みながわくわくして想像するような融合は、テレビを主体にしたコアな領域では少なくとも数年から10年先の近未来には起こらないだろう。これからもしばらくは「放送と通信の融合」とは、、番組とホームページの連動ぐらいのものである。その程度である。
 それは、テレビなどの従来型メディアに慣れ親しんだ層の人たちが、現状のテレビのあり方にそれほど不満を抱いていないからだ。「テレビがネットにつながれば、いろいろな情報が取得でき便利ですよ」「デジタルデバイドで取り残されますよ」といわれても、現状に不満を抱いていない人にとっては余計なお世話だ。ましてやネットにつながることで「成りすまし」「詐欺」「ウイルス」「プライバシー侵害」などのマイナスの要因が存在すると聞かされては、なおさら「融合」など望まないだろう。
 ニーズが高くないので、放送局側は実験的に動いたとしても、本腰を入れて「融合」に進むことはないだろう。近未来にネットがテレビのインフラを飲み込むことなどないのだ。テレビはここしばらくもテレビであり続けるのだ。
 しかし通信の側、つまりインターネットやケータイの領域での、テレビ的なコンテンツの取り込みが加速度的に増えていく。ネットがテレビ的コンテンツを飲み込んでいくわけだ。テレビという通信のコアな部分ではなくネットという周辺部分で、インフラではなくコンテンツでの「放送と通信の融合」が進むのだ。
 電通総研の元社長の藤原治氏が書いた「広告会社は変われるか」(ダイヤモンド社)の中で藤原氏は、ネットとメディアの「本格的な融合に向けての、最大のモメンタムは、テレビ地上波のデジタル化である」と主張している。その理由は、「地上波がデジタル化することによって、デジタルであるネットと同質となり、融合のハードルの1つが取り除かれるからである」としている。
 それ以上の説明がないので、どうして地上波デジタル化が融合を推し進めるのかよく分からない。わたしはテレビ番組をデジタルレコーダーで自動的に録画しており、録画した番組をiPodに転送して視聴している。iPodへの転送はデジタルレコーダーの上に置いた変換機にiPodを乗せ、ボタンを押すだけ。「融合のハードル」をボタン1つで簡単に乗り越えている。
 藤原氏は、融合への本格的動きとして、この地上波のデジタル化に加え、「ブロードバンドの普及」、「蓄積型テレビの登場」の3つを挙げている。「ブロードバンドの普及」はいいとして、「蓄積型テレビの登場」もどういうことかよく分からない。なぜ「登場」なのか。どうして「普及」ではないのだろう。現在普及が進んでいるデジタレコーダーとは違う、新しいタイプのテレビが「登場」してくるのだろうか。本の中には「全局の24時間分の番組が録画できる」とある。どう読んでも現在のデジタルレコーダーの録画容量が増加されただけの代物のようである。
 こうした要素が、放送と通信を融合させるとあるが、わたしはこうした要素を持ってしてもテレビという領域には、当面大きな変化はないと思う。
 変化はテレビ以外の領域、グレーの領域から始まり、テレビにまで影響が及ぶのはある程度の時間がたってからであろう。




春以降に刊行予定の「経済リワイヤリング=メディア、広告の未来」(仮題)用の原稿素材です。未完成原稿ですので、引用にはご注意ください。誤字、脱字の指摘を初め、反論、コメントは大歓迎です。

関連記事
コンテンツ評価の物差しは「共有」へ

ネット覇権争いの主戦場は「広告マーケットプレース」に
 

Macbook Airに気をつけろ!

Macbook_air1  みなさ~ん、この時期にマックユーザーとの会合にはお気をつけください。自慢されてしまいますよ。
 Macbook Airを入手したばかりの人がいるという情報があったのですが、前からのアポがあったので某社へ行ってきました。

 ミーティング中にもかかわらず入ってきましたマックユーザー2人。手には、予想通りMacbook Airが。自慢されてしまいました・・・。
 持たせてもらいましたが、確かに薄い。確かにかっこいい。バッテリーが交換できないという話を聞いていたんだけど、アップルストアに行けば数分で交換してもらえるだろうとのこと。

んー物欲が、物欲が・・・・。

 実は僕の最初のパソコンはマックだった。十数年も前の話だ。その後ウィンドウズマシンに乗り換えたのだが、再び原点回帰したくなってきた。それほどかっこいい。でも予想よりちょっと重い感じがした。
 まあしばらく様子見だなあ。夏にはUMPCという超小型ウィンドウズマシンが出揃うみたいだし、来年にはWiMaxという高速通信サービスが始まりそうだし。そうした状況の変化を見定めた上で、マックに戻るかどうかを決めたい。
Macbook_air2

PRブロガーの会にメディアパブさんが参加?!

 8日(金)に開催されるPRブロガー懇親会も70人ほどが参加されるということで、楽しみ、楽しみ。太田さんのブログには参加予定者のリストが載っているんだけど、その中にナント!あの有名なメディア・パブさんが入っている!
 僕は幸運にも個人的にお目にかかったことがあるんですけど、メディア・パブさんってこういった会合にほとんど出てこられない方だと思っていた。
 僕の周辺(メディア業界)でのメディア・パブ人気って、ホントに凄いです。「購読料払ってでも読みたい」という人もいました。メディアの今後に関心ある人のほとんどが読んでいるのでは(業界人でありながら、メディアの今後にまったく関心のない人も非常に多いのですが・・・ハハハ)。
 広告ブロガーの集まりのときも「事前申し込みしていなけど、申し込んだ人にくっついて来ちゃいました」っていう人で廊下まで人があふれていましたが、今回もメディアパブさんなど著名な方が多くこられることが分かったので、飛び込み参加が多くなるかも。太田さん、少し大きめの部屋に予約し直したほうがいいかもしれませんよ。
 ということで金曜日が楽しみです。僕はアイレップさんの10周年パーティー出席後に駆けつけるので少し遅れますが、みなさんとお会いできるのを楽しみにしております。

電通がポッドキャスト向け広告配信システム

 やったー!待ってました!
 電通とcci、オトバンクの3社で、ポッドキャストに広告を自動的に挿入するシステムを開発し、運用を開始するそうです。
 これまでポッドキャストの広告って、音声コンテンツ編集面で挿入していた。代理店から広告音声をもらって、それを本編に貼り付け1つのファイルにしたものをアップしていたわけです。それを自動化するシステムのようで、音声ファイルをサーバー側にアップすれば、自動的に広告をつけて配信してくれるようです。
 ただ過去に配信したポッドキャストの音声データについてある広告を最新のものに自動的に切り替えることは不可能とか。まあアップし直せばいいでしょうけど。
 また1つのサーバーに1つの広告しか打てないので、このシステムを利用するには、今のところ独自にサーバーを立ち上げなければならないようです。となると、今のところはラジオ局などの大手向けのサービスということになるんでしょうね。
 独自サーバーか・・・。ちょっときついなあ。まあ今後の改良を心待ちにしております。

 また発表文の中に気になるところが一点。「次世代広告業務支援システムAD-SCRUMに新領域の広告商品を追加することで、アドマーケットプレースを拡充していく」とあります。米国では、広告マーケットプレースを核にした広告プラットホームの主導権争いで、マイクロソフトがヤフー買収に乗り出したりして華々しい感じがありますが、日本では・・・静かに静かに・・・「シー!」って感じで、広告マーケットプレースの時代へと移行し始めているようです。